世界に誇る職人技を間近で見学! 高級磁器マイセンの博物館 

ドレスデンの近郊にある町マイセンは、あの世界的高級磁器「マイセン」の故郷

町の外れに博物館があり、見学工房で熟練の職人技を目の前で見学したり、マイセン磁器の歴代コレクションを見学することができます。

ショップやカフェも充実。見学の後もマイセン食器でのお茶やお買い物をしながら、優雅なマイセンワールドが楽しめる場所です。

マイセン誕生の歴史

マイセン磁器が誕生したのは1710年。当時は中国や日本から持ち込まれた磁器がヨーロッパで大変な人気を得ていました。

乳白色の滑らかな下地と、そこに施された繊細な絵。ヨーロッパの貴族たちはたちまち夢中になり、これらの磁器をコレクションすることが彼らの中でステイタスだったのです

この素晴らしい磁器を「自分の手でも作りたい!」と考えたのが、美術品に関しては屈指の蒐集家だったアウグスト強王。彼は錬金術師ベトガーを監禁して磁器製法を研究させます。ベトガーの苦労の末、とうとうヨーロッパ初となる磁器が誕生。ドレスデンに王立磁器工場が設立されました。

独自の磁器製法と確立した強王はたいへん喜びますが、同時に「製法の秘密が他に知られるのを防がねば!」と考えます。そこで目を付けたのが、ドレスデンからエルベ川を下った所にあるマイセンのアルブレヒト城です。

15世紀に建てられたものの、この頃には主もなく衰退の一途をたどっていたアルブレヒト城。アウグスト強王はこの城内に工場を作る一方、磁器製法のノウハウが外に漏れるのを恐れてベトガーを城内に閉じ込めてしまいます。

そのままベトガーは城を一歩も出ることなく、37歳の若さでこの世を去ったのでした。それにしても、マイセンを誕生に導いたベトガーに対するアウグスト強王はひどすぎる。

その繊細さや美しさで見る者を優雅な気持ちにさせてくれるマイセンですが、誕生の背景にこんな暗い過去があったなんて驚きですね。

見学工房

工房の見学は、オーディオガイド(日本語あり)を持って各部屋を順に見ていく方法とガイドツアーがあります。

オーディオガイドを持って見学するツアーは10分おきに開催されます。

ガイドツアーはドイツ語で開催時間は10:40、11:40、12:40、13:40そして14:40。グループがいる場合は英語や日本語など各言語で開催されることもあるみたいです

ツアーはマイセンの歴史や製法についてのビデオ鑑賞から始まります。ビデオを見終わったらいよいよ工房見学スタート。

工房では成型→パーツ作成、組み立て→絵付け(ブルーが主)→絵付け(カラー)の順に、4人の職人さんがいる作業場を順に回っていきます。

最初に技術を披露してくれたのは、食器や像の形を作る職人。脚で動かすろくろを操りながら、あっという間に器の形を造ってしまいます。

ろくろで形を作ったら型の中に入れ、内側から押さえます。こうする事で膨らみ具合も全て均等に仕上がるんですね。人形の顔なども型を使って作られます。

細かいパーツの作成や組み立て。組み立て方ひとつで完成する作品の印象にも大きく影響します。

精巧に作られた人形のパーツは、今にも動き出しそうなほどリアルです。

マイセンの代表色ともいえるブルーの模様を描いている職人。

気品あるブルーが素敵ですね。ちなみに、食洗器で洗っても色あせの心配はないそうです。

ところで、マイセンの代表作ともいえるブルーオニオン。じつはこれ元の絵柄は玉ねぎではなくてザクロなんです。もとはといえば、クレッチマーという職人が中国皿に描かれたザクロを忠実に再現して完成させた絵柄。ところがエキゾチックなフルーツはヨーロッパ人に馴染みがなかったため、時代とともに玉ねぎに姿を変えていったのだそう。

最後は多彩な色を使って花の絵付けをする職人。実際の色付け作業で見えている色と完成後の色が異なるため、職人は窯焼き後にどんな色になるのかを全て計算しながら絵を描いていきます。

さきほどのブルーの模様もそうですが、色付けのときと完成後ではこんなに色が違うのです。

美しい色合いが特徴のマイセン磁器ですが、色の配合は極秘扱い。レシピの持ち出しは厳禁なんだそう。

この花の模様がまた美しすぎてため息ものです。

3000点の歴代コレクション

歴代の作品コレクションが2万点にものぼるマイセン。展示エリアではその中から厳選された約3000点が並びます。

マイセンと言えば食器のイメージが強いですが、時計や壺といった調度品もたくさん。

アウグスト強王は重厚できらびやかな作品が好みでしたが、1733年に彼が亡くなった後は、優美なロココ様式がマイセン作品に取り入れられます。穏やかな表情の人形や動物たちが作られるのもこの辺りからです。

マイセン製のパグも沢山いて、パグ好きには嬉しいかぎり。18世紀にはヨーロッパで大人気だったパグ。ゆえにパグのモチーフも沢山作られました。もうちょっと顔が可愛ければ言うことなしなのですが・・・。

上を見上げれば、シャンデリアもマイセン。この空間にいるだけで優雅な気分に浸れます。

品ぞろえ豊富なショップやアウトレット

ショップでは定番から新商品まで種類豊富な食器が並びます。食器のほかジュエリーやアクセサリーなど品ぞろえも豊富。

そしてここにもパグがいました。2017年から販売されている限定チャームで、ダイヤ付きの物はお値段なんと789€!真ん中のパグはもっと高額。

定価じゃ買えないという方はアウトレットも覗いてみましょう。アウトレット品といっても、私の様な素人にはどの部分が欠陥なのか全く分からないです。また「セット内容が不ぞろい」といった理由で値下げされている商品もあり、商品自体に欠陥がなくてもアウトレット価格で購入できるチャンスがあります。

とはいえ、アウトレット価格でもいいお値段です。

マイセン食器で食事ができるカフェ

博物館内にあるカフェでは、マイセンの食器でお茶や軽食が楽しめます。

ケーキは種類が豊富。どのケーキか迷ってしまったら、この地方名物のアイアーシェッケにチャレンジしてみましょう。下からイースト生地、クヴァルクという乳製品の生地、フワフワしたカスタード風味の生地と3層になっていて、軽い食感でとても食べやすいケーキです。

「マイセントルテ」というマイセンの名前がついたケーキもあります。マジパンでコーティングされたケーキの中は、チョコスポンジとバタークリームがいくつも重なりかなり濃厚な味。

カフェではブランチやクリスマスディナーなどイベントも多数開催されます。日程や料金はマイセンの公式サイトにあるので参考にしてください。

基本情報

マイセンの町があるのはドレスデンからS-Bahnで30分ほどの場所にあります。

S-Bahnの駅はいくつかありますが、博物館に一番近いのはMeißen-Triebischtal。

ドレスデンから来る場合はまずマイセン博物館を見学してから旧市街を散策し、帰る際は旧市街に近いMeißen Altstadt駅からS-Bahnに乗れば効率よく回れます。

[box02 title=”マイセン博物館”]住所
Talstraße 9, 01662 Meißen

最寄駅
Meißen-Triebischtal(ドレスデンからS1)、駅から標識に従って徒歩5分

開館時間
9:00~18:00(5/1~10/31)
9:00~17:00(11/1~4/30)
10:00~16:00(12/31、1/1)

休館日
12/24、25、26

料金
大人:10€
6~18歳の子供、学生、障がい者:6€
家族チケット:23€

アルブレヒト城とのコンビチケット
大人:15€
6~18歳の子供、学生、障がい者:10€
家族チケット:32€[/box02] [box02 title=”カフェ基本情報”]営業時間
9:30~17:00(11月~4月)
9:30~18:00(5月~10月)

休業
12/24~26

イベントの問合せ・予約受付
電話:+49 3521 468-730
Mail: cafe@meissen.com[/box02]

日本でも通販でお得にマイセンが買えます

マイセン博物館で商品を買ってもいいですが、こんな高級食器を残りの旅行中にホテルに置いておくのはちょっと恐いですよね。また移動中に割れてしまう可能性もゼロではありません。

そんな方におすすめなのが日本でのオンラインショッピング。

オンラインショップル・ノーブルでは海外有名ブランドの食器を多数取り扱っていて、マイセンだけでも品数がかなり豊富。割引されている商品も多く、掘り出し物が見つかるかもしれません。


お買い物する気がなくても、種類豊富な美しい食器を見ているだけで楽しめます。

輸入ブランド洋食器専門店 ル・ノーブル
でマイセン食器を見てみる

おわりに

その誕生から今日に至るまで多くの人を魅了し続けるマイセン。博物館ではそんなマイセンの作品に囲まれながら、優雅なマイセンの世界観にどっぷり浸ることができます。

製作工程や歴代の作品を目にしたあとは、自分でも欲しくなってしまう可能性大。実際私も美しい絵柄を見ているうちにだんだん欲しくなってしまい、かなり後ろ髪をひかれながらショップを後にしました。

マイセンはドレスデンから電車で30分ほどと、日帰りも十分可能な距離にあります。博物館のほか、パステルカラーの可愛い街並みや磁器工場が置かれていたアルブレヒト城も町の見どころです。

ドレスデン近郊のおすすめスポットについては他の記事でも紹介しているので、そちらも参考にしてください。

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