シュトゥットガルト 基本情報と主要観光スポット

南西ドイツにおける文化、経済、そして工業の中心地として様々な顔を見せるのがシュトゥットガルトです。

メルセデスベンツを所有するダイムラーや高級車ポルシェが本社を置くシュトゥットガルト。さらにはボッシュをはじめとする世界的企業がこの地域一帯に集まり、一大工業地帯を形成しています。

ここまで読むと工業都市というイメージが強く感じられますが、シュトゥットガルトは芸術活動も盛んです。シュトゥットガルト・バレエ団やシュトゥットガルト室内管弦楽団といった一流団体が顔を並べるほか、美術館も豊富。芸術・文化都市としての一面も持ち合わせています。

ほかにも世界最大のクリスマスマーケットや周辺地域で生産されるワイン、黒い森への拠点など、様々な楽しみ方ができる町です。

アクセス・市内交通

空港から中央駅まで

電車:S2、S3で27分

他都市から

市内に乗り入れている長距離バスはないので、公共交通機関を使用する場合はシュトゥットガルトまで電車で向かうことになります。

電車
フランクフルトから1時間18分、ミュンヘンから2時間12分、ハイデルベルクから40分、ベルリンから5時間31分

市内交通

シュトゥットガルトの市内交通はゾーン制になっていて、いくつゾーンを利用するかによって料金が変わります。

種類 料金
短区間券* 1.40€
1回券(1ゾーン) 2.50€
1回券(2ゾーン) 2.90€
1日券(1~2ゾーン) 7€
グループ1日券(1~2ゾーン、5人まで) 12.30€

*S-Bahnとドイツ鉄道の各駅列車は1駅目まで。バスと市街鉄道(Stadtbahn)は3駅目まで。通過駅もカウントします。

メルセデスベンツ博物館やポルシェ博物館へは必ずS-Bahnを使用するので、この2つを訪れれる予定の方は1~2ゾーン有効の1日券を買うとお得です。

参考:シュトゥットガルト交通連合  (接続や料金が調べられます)

シュトゥットガルト周辺も観光するのにお得なチケット

シュトゥットガルトを飛び出してホーエンツォレルン城やテュービンゲンも観光したい方には、メトロポールチケットやバーデン・ヴュルテンベルク州チケットがおすすめ。

メトロポールチケットはシュトゥットガルト周辺地域、バーデン・ヴュルテンベルク州チケットは州全体をカバーしています。

ただホーエンツォレルン城へ自力で行く場合は、電車やバスの本数が少ないため1日がかりになります。おそらくお城を見てその日の観光が終了するので、メトロポールチケットで十分です。

メトロポールチケット(公式サイト
シュトゥットガルトと周辺地域の乗り放題チケット(IC、ICEは利用不可)。料金は1人21€。計5人まで利用できます(1人追加ごとにプラス6€)。

平日は9:00~使用可能、土日祝日は利用開始時間の制限なし。有効エリアは公式サイトに掲載されています。

バーデン・ヴュルテンベルク州チケット(公式サイト
バーデン・ヴュルテンベルク州内の公共交通機関が乗り放題になるチケット(IC、ICEは利用不可)。料金は1人24€。計5人まで利用可(1人追加ごとにプラス6€)。

平日は9:00~翌日3:00まで利用可能。土日祝日は0:00~翌日3:00まで。

シュトゥットガルト観光の所要時間

シュトゥットガルトの中心となるシュロス広場には、政府機関が入っている新宮殿、州立博物館が入っている旧宮殿、州立ギャラリーなど見どころが集まっています。中央駅からシュロス広場までは徒歩5分ほど。メルセデスベンツ博物館、ポルシェ博物館は中心部から少し離れた場所にあります。

シュロス広場周辺と2つの自動車博物館を訪れるには、最低1日は必要。私が訪れた際もメルセデス博物館だけで半日かかりました。新宮殿の周辺で雰囲気だけ楽しみたいという方は半日あれば十分ですが、郊外のソリテュード城やルートヴィヒスブルク宮殿も行くのであれば、さらにもう1日必要です。

シュトゥットガルトの主要観光スポット

①新宮殿 ②旧宮殿 ③メルセデスベンツ博物館 ④ポルシェ博物館 ⑤州立美術館 ⑥ヴァイセンホーフ団地 ⑦ソリテュード城 ⑧ルートヴィヒスブルク宮殿

新宮殿(Neues Schloss)

町の中心にある新宮殿は1746年から1807年にかけて、ヴュルテンベルク公の住居として建設されました。第二次大戦での崩壊後、1958年から1964にかけて再建され、現在に至ります。

バロック調の威厳を感じさせる佇まいは、まさにシュトゥットガルトのシンボル的存在。現在は州政府機関が入っているため一般公開はされていませんが、噂によると特別ガイドツアーがあるのだとか。

旧宮殿(Altes Schloss)

新宮殿の隣にあるのが旧宮殿。10世紀には築かれていた城塞が14世紀にヴュルテンベルク伯の手に渡り、その後16世紀にはルネサンス様式に改修されました。

城内部は州立博物館になっています。展示されているのは、周辺地域で発掘された品々のほか、王冠や芸術品をはじめとするヴュルテンベルク公の宝物など。シュトゥットガルトを中心とする、シュヴァーベン地方の歴史について知りたい方におすすめです。

州立博物館  HP
営業時間:10:00~17:00
住所:Schillerplatz 6, 70173 Stuttgart
アクセス:中央駅から徒歩5分
料金:2018年は無料

 

メルセデスベンツ博物館(Mercedes-Benz Museum)

ドイツを代表する自動車ブランド、メルセデスベンツの博物館。館内は12のエリアに分かれ、ベンツ1号車から最新の電気自動車に至るまで、歴代モデルが展示されています。

この馬車のような乗り物が、メルセデスベンツの原型。ほかにも昭和天皇の旧御料車など、有名人とゆかりのある車も展示。レトロなクラシックカーなども展示され、自動車ファンでなくても楽しめます。

メルセデスベンツ博物館  HP
営業時間:9:00~18:00(火~日)
住所:Mercedesstraße 100, 70372 Stuttgart
アクセス:S1「Neckarpark」から徒歩10分
料金:10€

 

ポルシェ博物館(Porsche Museum)

約400台のコレクションから、356や911、917など世界的な有名モデルを中心に展示がされています。展示車両を常に入れ替えているので、訪問するたびに新しいモデルに出会えるのがこの博物館の特徴です。

「Porsche in the Mix」は、911や918など7モデルの「音」を体感できるコーナー。選んだモデルのエンジン音やウィンカーの音がきけるので、ファンなら大興奮間違いなしです。他にもタッチパネルでポルシェの歴史が見られるエリアなどがあり、ポルシェの全てがこの博物館で分かるといってもいいでしょう。

ポルシェ博物館  HP
営業時間:9:00~18:00(火~日)
住所:Porscheplatz 1, 70435 Stuttgart-Zuffenhausen
アクセス:S6「Neuwirtshaus/Porscheplatz」下車すぐ
料金:8€

 

州立美術館(Staatsgalerie Stuttart)

1843年に設立された旧館と、1984年に新設された新館からなる州立美術館。旧館ではドイツを中心に、中世から19世紀にわたるヨーロッパ絵画を展示しています。

新館ではピカソやパウル・クレー、シャガールをはじめとする20世紀の作品を展示。町の中心地にありながら割と空いているので、ゆっくり絵画鑑賞が楽しめます。

州立博物館 HP
営業時間:10:00~18:00(水、金、土、日)、10:00~20:00(火、木)
住所:Konrad-Adenauer-Str . 30-32, 70173 Stuttgart
アクセス:中央駅から徒歩7分
料金:5€

 

ヴァイセンホーフ団地(Weißenhofsiedlung)

建築に興味があれば訪れたいのが、郊外の丘の上に広がるヴァイセンホーフ団地。1927年開催のドイツ工作連盟展覧会にむけ建てられた実験的住宅が並び、モダニズム建築の先駆けともなりました。

プロジェクトを指揮したのは、近代建築3大巨匠のひとり、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デア・ローエ。彼指導のもと、コルビジェなどヨーロッパを代表する建築家がそれぞれ建物を設計しました。

コルビジェと彼のいとこであるピエール・ジャンヌレが設計した2世帯住宅は、世界遺産であると同時に博物館としても公開されています。

ヴァイセンホーフ博物館 HP
営業時間:11:00~18:00(火~金)、10:00~18:00(土、日、祝)
住所:Rathenauerstraße 1-3, 70191 Stuttgart
アクセス:U7「Killesberg Messe」から徒歩5分
料金:5€

 

ソリテュード宮殿(Schloss Solitude)

ヴュルテンベルク公カール・オイゲンの命で1763年から1769年にかけて建てられた、狩りと住居用の城。ロココ調の優雅な外観の一方、内部は新古典主義が採用され、華やかながら落ち着いた雰囲気に包まれています。

その美しい佇まいから結婚式の会場としても人気です。

ソリテュード城 HP
営業時間:10:00~17:00
住所:Solitude 1, 70197 Stuttgart
アクセス:S-Bahnで「Feuersee」まで行き、そこからバス92で「Solitude」まで
料金:4€

 

ルートヴィヒスブルク宮殿(Residenzschloss Ludwigsburg)

18世紀にヴュルテンベルク公エベルハルト・ルートヴィヒが居城として造らせた、ドイツ最大のバロック宮殿。ヴェルサイユ宮殿を手本にして造られた宮殿には452もの部屋があり、最盛期には1200人の住人と2300人の使用人が住んでいました。

中世からの祖先の絵画が並ぶ「祖先の間」や、「大理石の間」など、各部屋の装飾がとにかく豪華。実際に「シュヴァーベン地方のヴェルサイユ」なんて呼ぶ人もいるほどです。

ルートヴィヒスブルク宮殿 HP
営業時間:10:00~17:00(11月中旬から3月中旬は月曜休み)
住所:Schlossstraße 30, 71634 Ludwigsburg
アクセス:シュトゥットガルトから電車で「Ludwigsburg」まで行き、そこからバス421、427、430、444
料金:7€

 

治安

私は何度もシュトゥットガルトへ足を運んでいますが、特筆するほど治安の悪さを感じた事はありません。

ただ他の都市と同様に、中央駅周辺は怪しい人がいたりするので、彼らに無用に近づいたりじろじろ見たりしないようにしましょう。駅は通勤などで通る人も多いですし、普通に利用する分には問題ありません。

また駅や歩行者天国のケーニヒ通り、クリスマスマーケットやメッセ会場など、人混みではスリや置き引きが発生しやすいです。

シュトゥットガルトのホテル

シュトゥットガルトはビジネスマンの宿泊が多いので、3つ星と4つ星のホテルがメインです。ホテルは中央駅周辺に集まっているほか、町のあちこちに点在しています。

公共交通機関が発達しているので、基本的にどこに宿泊しても問題ありません。スーツケースでの移動が面倒な方や、朝早く電車で出かける予定のある方は、駅前のホテルに宿泊すると良いでしょう。

注意点として、メッセ開催期間中はホテル料金が1.5~3倍ほど値上がりします。旅の計画を立てる際は、この期間を避けるのが無難です。メッセのスケジュールは公式サイトから調べられます。また、ビジネスマンの利用が減る週末のほうが料金が安くなる傾向にあります

 

 

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