ゴゾ島はマルタを形成する3つの島のうち、マルタ島に次いで2番目に大きな島。
マルタ島からはフェリーが出ていて、車も一緒に移動できるという事なのでゴゾ島まで行ってレンタカーで1日観光をしてきました。
よく「同じマルタでもマルタ島とゴゾ島は雰囲気が全く違う」と言われますが、いざ訪れてみるとまさにその通り。
賑やかなマルタ島とは対照的に、ゴゾ島は自然豊かで牧歌的な風景が広がる、心安らぐような場所でした。
ゴゾ島へのアクセス
ゴゾ島へのアクセスはフェリー。フェリーは首都のヴァレッタ、島の北端にあるチェルケウア(Cirkewwa)の2ヵ所から出ています。
ヴァレッタから出航しているのは高速フェリーで、所要時間は45分。
私達が利用したのはチェルケウアから出ているGozo Channelという会社の大型フェリーで、こちらの所要時間は25分。およそ30~45分ごとに船が出ていて、便数はかなり多いです。
▶ Gozo Channelのウェブサイト(時刻表ほか、順番待ちの車の台数もリアルタイムで表示されます)
観光客も多いですが、乗船を待つ車両のなかには物資を運搬するらしきトラックも沢山。住民の生活を支えているフェリーなんだなという印象を受けました。
ちなみにチェルケウからのフェリー料金は、合計で21,5ユーロでした。内訳は車+ドライバー1人が15,70ユーロ、大人4,65ユーロ、3歳以上の子供が1,15ユーロ、3歳未満は無料になります。
そしてチェルケウから乗る場合、料金の支払いは行きの船では行わず、ゴゾ島からの帰りの船に乗るときに往復分まとめて支払います。行きのフェリーターミナルにはそもそも料金所がなくて、支払いもせずにそのまま乗ってしまうのは何か変な感じでもありました。
フェリーでゴゾ島へ
車でフェリー乗り場に着くと、こんな感じの専用レーンに順番で並んでいきます。
レーンは観光客用とトラック+仕事などで往来する車用で別になっていて、船の準備が出来たらまず後者の方から優先的に乗船していきます。
そしてトラックと住民の車が全て乗り終えたら私達の番。日によっては結構混雑するみたいで、満車で乗れない場合は次の船を待たなければいけません。
行きの船では、なんとギリギリ最後の1台として乗船することができました…!
最後の車が乗り終えたらすぐに出航。船が動いている間は、デッキの上からしばし海を眺めます。
しばらくするとゴゾ島の港が見えてきました。
ゴゾ島の観光
ゴゾ島の主な観光地は、チタデルや大聖堂、タ・ピーヌ教会、ローマ時代から続く塩田のソルトパン、世界最古の神殿と言われるジュガンティーヤ神殿など。このほか海岸線には美しい風景の楽しめる場所が沢山あります。
お土産などを買うならお店が集中しているヴィクトリアが探しやすいです。バスの便もありますが、効率よく観光したいなら私達のようにレンタカー利用がおすすめです。
首都ヴィクトリアでランチ
島に着いたのはお昼前。まずはゴゾ島の中心にあるヴィクトリア(ラバト)でランチをすることにしました。
ヴィクトリアへ向かう車からの眺め。のどかな風景が続きます。
町に着いたらこの後見学するチタデル横の駐車場に車を止め、軽めに食べたかったのでカフェ探して「Café Jubilee」のテラス席で少し早いランチにしました。

ローカルメニューの欄にあったパイ包みを2種類注文。写真のパイにはビールで煮込んだビーフシチューが入っています。
ところで1800年から1964年までの164年間イギリスの植民地だったマルタ。こういう料理にもイギリス統治時代の面影が少なからず感じられました。
私達は外が良かったのでテラス席にしましたが、店内はレトロでお洒落(絵が沢山飾ってあります)。気になる人はぜひチェックしてみてください。
Café Jubilee
【住所】8 Pjazza l-Indipendenza, Ir-Rabat Għawdex, Malta
カフェがある町の中心部には、お土産屋さんも沢山。夫はここでアクセサリーを購入し、私もゴゾ島のハチミツやサボテンジャムなどを買いました。
ちなみにサボテンのジャム、同じものがヴァレッタでは約2倍の値段で売られていました。
チタデル(大城塞)と大聖堂
チタデルはヴィクトリアの真ん中にある要塞都市。青銅器時代にまで遡る歴史を持ち、中世にイスラム風の要塞都市が整備されたのち、16世紀のオスマン帝国による破壊を経てマルタ騎士団によって現在のような堅牢な城塞が築かれたそうです。
特に中世から16世紀までの間は海賊の脅威があったため、チタデルは住民にとって重要な避難所であり防衛拠点だったのだとか。それでも1551年のオスマン帝国による襲撃で陥落し、住民約5,000人が奴隷として連れ去らわれたと言われています。
この事件を受け、マルタを統治していたマルタ騎士団は要塞の防衛機能を強化。島民を守る砦としてだけでなく、島全体の防衛システムの中心地として要塞を強化していったという歴史があります。
中に入るとまず目に飛び込んでくるのが大聖堂。きらびやかな装飾で飾られた大聖堂内の天井には、天井がドームのように見えるだまし絵があります。教会が300以上あるマルタで、だまし絵があるのはここだけなのだそう。
要塞内にはこのほか博物館やショップもいくつかあります。マルタ本島ではほとんど見なかったゴゾグラスのお店もあるので要チェック。
細い道はまるで迷路みたいです。
迷路みたいな道をぬけると、視界が開けて要塞全体が見渡せるようになります。
こうやって見ると、本当に小さな町みたいですね。
そして城壁の上も一部登ったりできます。場所柄ちょっと風が強いので、帽子など飛ばされないよう注意が必要。
上からの眺め。防衛の拠点だった場所ですから、ここからの眺めは抜群です。
シュレンディーの美しい断崖絶壁
チタデル観光のあとは、車を10分ちょっと走らせてシュレンディー(Xlendi)という町へ。ここは島で最も美しい漁村と言われていて、海からそり立つ断崖が見渡せる絶景スポットでもあります。
海岸沿いに遊歩道が整備されていてベビーカーでも歩きやすいのが◎
遊歩道をあるいていくと、海がどんどん近くなってきます。
夏はここで海水浴ができるみたい。
ホテルや休暇用アパートが立つ入江。
断崖の上を歩く人の姿がちらほら見えたので調べてみたら、どうやらここにもハイキングコースがあるみたいです。
遊歩道を散歩しただけですが、とても眺めが良くて絶景を満喫できました。
奇跡が起こる教会 タ・ピーヌ教会
シュレンディーを散策した後、ゴゾ島観光の最後に訪れたのはタ・ピーヌ(Ta’ Pinu)教会です。
タ・ピーヌは「奇跡の起こる教会」と言われていて、その背景には「かつて会の近くを通った農婦が聖母の声を聞いた後、人々の病気を治した」という伝説があります。
教会前は広場になっていて、脇にはモザイク画がありました。
ここから中に入ります。
中は明るくて開放的。
繊細な彫刻が美しいです。
教会の中を見学した後は、ちょっと離れたところまで歩いてみました。そよ風に揺れる草原の背後に立つ教会という牧歌的な風景はとても優し気。どこか心洗われるようでした。
ゴゾ島観光のまとめ
ゴゾ島で訪れた場所はチタデルと大聖堂があるヴィクトリア、シュレンディー、そしてタ・ピーヌ教会の3ヵ所。
ソルトパンなどほかにも訪れたい場所がいくつかありましたが、子連れで無理なく観光するにはこのくらいが限界かなという感じでした。
自然が多く、時間がゆっくり流れているように感じられ、「マルタ本島と雰囲気がだいぶ違う」と言われるのも納得。次行く機会があれば、ゴゾ島でも何日か宿泊して自然と触れ合いながらのんびり過ごすのも良いなと思いました。
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