トスカーナ地方を観光 ツアーの良い点悪い点

美しい海岸の村々を満喫した私達は、海岸を離れ一路フィレンツェへ。ここでもまた3泊し、フィレンツェ旧市街やトスカーナ地方への旅を楽しみます。

トスカーナ地方の観光では、現地ツアーを利用。今回はその様子についてお伝えします。

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ツアーの概要

今回参加したのはFLORENCETOWNと言うツアー会社主催の「Tuscany Grand Tour」というもの。

シエナ、サン・ジミニャーノ、ピサ、ルッカを訪れ、途中にワイナリーでの見学とランチが含まれています。所要時間は12時間と長め。

参加者は最大6人までという小グループのツアーで、今回の参加者は私達夫婦に加えアメリカ人夫婦2組(およそ30代、60代)でした。料金は1人189ユーロ。学生は10%割引、6~12歳の子供は半額になります。

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FLORENCETOWNでは他にもフィレンツェのウォーキングツアーや映画「インフェルノ」の撮影地を巡るツアー、ピザやジェラートといった料理体験などを扱っていて、パンフレットを見る限りどれもかなり興味深いです。

シエナ

ツアーの集合場所はレプブリカ広場にあるアップルストア前。案内をしてくれるドライバーのお兄さんや他の参加者と挨拶をしたら、さっそく第一の目的地シエナへ向かいます。シエナでは現地のガイドさんが町を案内してくれました。

中世には金融業で栄え、フィレンツェとも覇権争いをする有力国家だったシエナ。旧市街にはメインストリートのほかにも情緒あふれる細い道がいくつも張り巡らされ、まるで中世にタイムスリップしたかのようです。旧市街は世界遺産にも登録されています。

旧市街は17の「コントラーダ」と呼ばれる地区に分かれていて、この地区対抗の伝統的な競馬レース「パリオ」が毎年夏に2回開催されるとのこと。それぞれの地区が始まる地点にはタイルや旗が掲げられ、一目で分かるようになっています。

世界一美しいと言われているカンポ広場には、地面に座ってくつろぐ人もチラホラ。先ほど触れた競馬レース「パリオ」が行われるのもこの広場です。写真だと床が石畳ですが、レースの際にはここに砂が敷き詰められるのだそう。

広場の正面に立っているのはプッブリコ宮殿マンジャの塔が立っています。

旧市街の中でひときわ目を引いたのが、壮麗な雰囲気の漂う大聖堂。ミケランジェロをはじめとする数々の芸術家や建築家が参加して造り上げた、まさに美の結晶ともいえる建物です。

歩いていて感じた事は、シエナは坂道が多い!私は平気でしたが、ツアー参加者の50代女性はヒーヒー言って大変そうでした。

サン・ジミニャーノ

トスカーナ地方の中でも特に人気の高い町がサン・ジミニャーノ。フランチジェナ街道というローマと北ヨーロッパを結ぶ街道上という地の利を生かし、10~12世紀にかけて発展しました。

城壁で囲まれている町のあちこちには、にょきにょきと合計14本の塔が。中世には貴族や地方豪族が競い合って塔を立て、町の最盛期には72本もの塔が立っていたといわれています。塔を立てたのは自らの権力を誇示する為。塔が高ければ高いほど、権力や財力も大きかったのだとか。

メインストリートのサン・ジョヴァンニ通りを進んだ所にあるチステルナ広場には、ジェラートの世界大会で2度もチャンピオンに輝いたジェラート職人のお店「Gelateria Dondoli」があります。せっかくなのでこの地方の名物でもある「ヴェルナッチャ」というブドウのジェラート(写真左)を頂きました。右は夫が注文したマラガとヴェルナッチャのダブル。

ヴェルナッチャのアイスはすっきりとした甘みの爽やかな味わい。夏の暑い日にぴったりでした。

[aside type=”boader”]参考
Gelateria Dondoliのレビュー(トリップアドバイザー)[/aside]

街並みがとても可愛らしく、散策の楽しいサン・ジミニャーノ。中世では街道を行く商人や巡礼者で活気に満ちていた町は、いまでは多くの観光客で賑わっています。

町の西にあるロッカ公園やサン・ジョヴァンニ門を出て少し下った道からは、トスカーナの長閑な田園風景も眺める事ができます。どこか懐かしい気持ちにさせられる風景でした。

ワイナリー見学&ワインテイスティングをしながらのランチ

時刻はお昼時。お腹を空かせた一行がやって来たのは「カステロ・ソンニーノ」というワイナリーです。

12世紀から続く領主の家系が経営しているというワイナリー。ワイナリーでは一般の人でも見学ができるほか、併設レストランでの食事やB&Bでの宿泊も可能です。

ランチの前にワイナリーの見学。私達が訪れた9月には、収穫されたブドウをちょうど干しているところでした。こうして干す事でブドウの甘みが増すのだそう。

ずらりと並んだワインの樽は圧巻。他にも人の身長くらいの高さの樽もあり、それぞれ製造年やブドウの種類などが書かれていました。

説明を聞きながらワイン製造について学んだところで、いよいよランチタイム。テーブルに既に用意されていた前菜では、バゲットの上にそれぞれトマトのマリネ、炒めたズッキーニ、オリーブオイルが添えられています。2種類あるペコリーノチーズは、それぞれ熟成期間が異なるもの。熟成期間の長いチーズの方がやはり風味が強く、しっかり主張してくる味です。

メインはイタリアらしいトマトソースのパスタ。残念ながら名前を忘れてしまったのですが、どこかの地名が付けられていた気がします。太陽を沢山浴びて育ったであろうトマトを使用したソースは、甘みと酸味のバランスがとても良く、とても美味しくいただきました。ちなみに使用している野菜は全て敷地内の菜園で育てているそうです。

食事と並行してワインテイスティングも行いました。普段は比較的甘口の白ワインを飲んでいる私にとって、イタリアの赤ワインは、よく言えば「大人な味」、悪く言えば「渋くて飲めない」というもの。とはいえ出されたワインはどれも素晴らしい物だということは間違いないはず!実際、同じグループのおじさんはかなり褒めていました。

レストランの入り口に生い茂っているブドウも皆でつまみ食い。かなり甘くてそれだけでもデザートになるくらい美味しかったです。

[aside type=”boader”]参考
カステロ・ソンニ―ノのレビュー(トリップアドバイザー)[/aside]

ピサ

ワイナリー見学と食事を終えたらピサへ向かいます。ピサといえば「ピサの斜塔」ですが、想像していたよりも傾いていてびっくり。

ちょうど天気も良く、眩しいほどの白い塔が青い空に映えて美しいです。

斜塔の横には大聖堂と洗礼堂が立っています。斜塔にばかり目が行きがちですが、壁一面の繊細な彫刻など、こちらもなかなか負けていません。

ルッカ

ツアーの最終地はルッカ。中世の面影が色濃く残る旧市街には細い道が張り巡らされ、地図があっても道に迷ってしまいそうな町です。ガイドさんについていった先にあるサン・ミケーレ協会は、凝った作りのファサードが印象的でした。

ファサードにモザイク画が描かれているのは、サン・フレディアーノ教会です。描かれているのは「キリストの昇天」。よく教会内部にモザイク画があるのは見かけますが、この様に外観に描かれているのはとても珍しいのだそうです。

古代ローマ時代は円形劇場だった場所がそのまま広場になったのが、「野外劇場広場」。ローマ時代にこの場所にあった競技場は1万人もの人を収容できるほど巨大でした。広場をぐるりと見渡すと本当に円形になっていて、当時の面影が感じられます。

壁のアーチ状の部分にはお店やレストランが入っていますが、ここはかつて客席だった場所の名残りなんだそうです。

ツアーに参加してみての感想

良い点

今回ツアーにして良かったと感じた点は、まず移動が楽だということ。いちいち電車の接続を調べる必要も無ければ、「次の電車が来るまで30分待つ」なんていう時間のロスも少ないです。またピサでは斜塔がある広場の目の前で車から降ろしてもらえたりと、余計な移動をしなくて良いのも助かりました。

公共交通機関ではなくレンタカーを使うという手もあります。しかし現地の交通ルールがあったり、観光地についても駐車場を探すのに時間がかかったりなど、慣れない地での運転は結構大変です。

また現地に詳しいドライバーやガイドが案内をしてくれたので、その地にまつわる歴史や裏話などを聞きながら町歩きができたのも良かったです。

参加者6人までという小グループのツアーだったので、他の参加者とすぐに仲良くなれたのもプラスポイントだと思います。おかげで移動中も退屈しませんでした。

イマイチな点

残念だと思ったのは、各町での滞在時間が少なかったという点。町の全体をサラッと見る事は出来ますが、塔に登ったり博物館に入ったりする時間はありませんでした。

ツアーにもよりますが、1つひとつの町を心行くまでじっくり見たいという人には少し消化不良になるかもしれません。私もシエナでもう少し長居したかったです。

全体的には良かった

全体の印象としては、今回のツアーは内容も充実してとても満足できるものでした。とはいえもし再びトスカーナを再訪する事があれば、今度は個人で好きな町へ行ってじっくり町歩きをしたいです。

ツアーにしようか個人で行こうか迷っている方は、何を一番優先するかよく考える方が良いです。私達の場合は「楽さ」が最優先で、「博物館をじっくり見たり町をくまなく歩く」といったことは求めていませんでした。

 

中世の街並みや美味しい食事を楽しんだ充実のトスカーナ巡りはここまで。次回はフィレンツェの観光です。

宿泊ホテル

 
B&B レ・スタンツェ・デル・デュオモ(B&B Le Stanze del Duomo)

 

大聖堂(ドゥオモ)の目と鼻の先にあるホテル。部屋は広々していて、冷蔵庫と電気ケトル、コーヒーセットあり。
カフェで食べる朝食がかなり豪華。ホテルでオプショナルツアーの予約可。