海外旅行で被害に遭いやすい犯罪といえば、スリや置き引き、そしてひったくり。
現地の人よりも土地勘のない外国人観光客をねらった犯行が多く、被害に遭ってしまえばせっかくの旅行が台無しになってしまいます。
被害に遭わないためには、あらかじめこれらの犯罪が発生しやすい場面を知り、適切な対策をする事が大切。
という事で今回は、スリ、置き引き、ひったくりに遭遇しやすい場面と、できる対策を紹介。
しっかり対策すれば被害者になる確率もぐんと下がるので、ぜひ旅行中に意識してみてください。
Contents
スリ
被害に遭いやすい場所
駅や空港、クリスマスマーケットなど人が集まる場所には、残念ながらスリ犯も集まります。
- 駅
- 空港
- ショッピングセンター
- 電車、バス
- クリスマスマーケットなどのイベント
手口と対策
大胆にバッグなどから貴重品をぬき取る
通りで背後から近づき、大胆にもバッグの中に手を入れて貴重品を抜き取る犯行です。
歩いている時のほか、ガイドブックやスマホに気を取られている隙に犯人が忍び寄ってきてスリにおよぶ場合もあります。
電車やバスの中でウトウトしていたら、いつの間にかカバンの中の貴重品が無くなっていたなんて事も。
- 口がしっかり閉まるバッグを使う
- 貴重品は内ポケットなど、すぐに盗られない場所に入れる
- バッグはなるべく体に密着させる
- 歩きスマホをしない
- 地図やスマホを見る時は壁を背にするなど、犯人が後ろから手を出せないようにする
- 電車やバスの中で寝ない
対策
バッグは口部分がチャックになっていて、しっかり閉まる&貴重品をしまう内ポケットのあるものが安心。歩行中はなるべく体に密着させることで、不審者が何かしようとしている場合でもすぐ気づくことができます。
リュックの場合は、写真のように背中部分にファスナーがあると防犯面で役に立ちます。
体を押し付けてくる
人混みや電車、バスの中で体を押し付けながら貴重品を奪う犯人もいます。1人での犯行もあればグループでの犯行もあり、グループの場合は数人で囲んで身動きが取れないようにして貴重品を奪うという手口。
それほど混雑していない場所なのに、体を押し付けてくる人やわざわざ隣に来るような人がいたら要注意です。
対策
- 混雑している場所、電車やバスの中ではバッグ(リュック)を体の前で持つ
- バッグの口はしっかり閉じておく
- 混んでもいない場所でわざわざ近づいて来る人がいたら離れる
ぶつかってくる
突然ぶつかってきて、こちらが驚いている間に貴重品を奪うという手口。
これに似ているのが「ケチャップ強盗」。こちらは「ケチャップが付いているから拭いてあげますよ」と声をかけて来て、拭く素振りをしながら貴重品を盗むというもの。
南米で特に多いみたいですが、スペイン周辺でも被害があるそうです。
対策
- 常に周囲を警戒する
- 路上で地図やスマホばかり見ないようにする
- 見知らぬ人に体を触らせない
突然話しかけてきて気をそらす
突然話しかけて来たり、署名活動やアンケート調査をしていると言ってこちらの気を逸らしているあいだに、仲間がバッグやリュックから貴重品を盗むという手口です。
対策
- 見知らぬ人が話しかけてきたら警戒する
- 対応する場合は荷物から目を離さないようにする(前に抱えるなど)
電車やバス乗車時の犯行
大きな荷物やスーツケースを持っての移動時も要注意。特に乗車時、荷物に気を取られている隙にバッグやリュックに手を入れ、貴重品を盗む輩がいます。
また電車が停車して乗車口に人が集まった時、人混みに紛れてスリ犯行に及ぶなんてことも。
対策
- 乗車時は特に背後の不審者に注意する
- バッグの内ポケットなど、すぐに取り出せない場所に貴重品をしまう
- 大きな荷物はなるべく減らす
大きな荷物がある時はそちらに注意が行きがちですが、貴重品が入っているバッグやリュックにも気配りを。
すぐに出せない場所に(内ポケットなど)大事な物をしまっておけば、万が一手を入れられた場合でもすぐには盗られないので安心です。
バッグやリュックをナイフで切りつけて中の物を盗む
バッグやリュックをナイフで切りつけ、中に入れてある貴重品を盗むという手口もあります。
母の友人はイタリア旅行中、エスカレーター(おそらく)に乗っている時に後ろにいた犯人からバッグを切り付けられたそうです。
混雑している電車の中やエスカレーターなど、なかなか身動きが出来ないような場所では要注意。
対策
- 混雑している場所ではバッグやリュックを前に持つ
- エスカレーターでは前後の人との間隔を詰めすぎないようにする
食事中、テーブルの上に置いてある貴重品やスマホを盗む
カフェやレストランでの食事中、貴重品やスマホはテーブルの上に置かないのが無難。
場所によっては見知らぬ人(または子供たち)が話しかけてきて、こちらの気を引いている隙に貴重品を盗むなんていう手口もあるみたいです。
また路面に面したテラス席では、犯人が通りすがりにテーブルの上の物をサッと盗んでしまう可能性もあります。
対策
- 貴重品はテーブルでなく膝の上などに置く
置き引き
被害に遭いやすい場所
置き引きの被害に遭いやすい場所は以下の通り。
- ホテルのロビーや朝食会場
- カフェ、レストラン
- 駅や空港
手口と対策
チェックイン・アウト時に目を離した隙に盗む
ホテルのロビーには宿泊者でなくても入れるため、置き引き犯が紛れ込んでいる場合もあります。
ロビーにはソファーなどが置いてあるところも多いですが、チェックイン・チェックアウトの時に荷物を置いたままカウンターへ行ってしまうと、その隙に荷物を盗られてしまう可能性も。
また手続き中に荷物を足元に置いている人でも、100%安全とは言い切れません。
実際に私の親戚はドイツでの滞在中、足元に荷物を置いてチェックアウト手続きをしている間に置き引きに遭っています。
書類確認とお会計をして出発しようと思ったら、荷物がごっそりなくなっていたのだとか…
カウンターで手続きをしているあいだ、足元に置いた荷物は死角になってしまい、異変があってもなかなか気がつきにくいです。
旅行者情報の記入でそちらに集中している時などはなおさらですね。
対策
- とにかく荷物から目を離さない
- 床に置く場合は足に挟んだり体とカウンターの間に挟んだりと、体と密着させてすぐ異変に気付けるようにする
- 複数で旅行している場合は、手続きをする人、荷物を見張る人など役割分担をする
ホテルの朝食会場やカフェ、レストランで席を外した隙に盗む
ホテルのブッフェ会場では、席にバッグをおいて食べ物を取りに行っている間に盗まれる場合があるので要注意。
また日本のセルフ式カフェではバッグをおいて席を確保してから、カウンターに行って注文する人もいるかもしれません。お店によっては「先に席の確保をお願いします」とアナウンスしている所もありますよね。
とはいえ海外で荷物を置いたまま席を外せば、「どうぞ盗んでください」と言っている様なもの。戻って来た時に荷物が無くなっていても文句は言えません。
トイレなどで席を立つときも、盗られて困る貴重品は必ず持って行くか、同行者がいる場合は荷物を見ていてもらうと安心です。
カフェやレストランではあまりないと思いますが、駅や空港では荷物だけがその場に置かれていると、場合によってはテロなどを疑われて警察沙汰になる事もあります。
ハンブルクやジュネーヴでは日本人が放置した荷物が爆弾と疑われ、周囲が閉鎖されたなんて事件もありましたね。
対策
- ホテルでの朝食時、貴重品は部屋のセーフティーボックスに入れるかスーツケースに入れて鍵をかける
- 荷物をおいたまま席を離れない(荷物で場所取りをしない)
隣に置いてある荷物、椅子に掛けてあるバッグを盗む
レストランなどでの食事中は、隣の椅子に置いてある荷物、椅子に掛けてある荷物が盗まれる可能性があります。
食事やお喋りに夢中になり、気が付いたら隣にあるバッグがなくなっていた…という人は結構いるみたいです。
またジャケットを椅子に掛ける人は、ポケットに貴重品を入れておくと盗られやすいので要注意。
対策
- バッグや貴重品は膝の上など盗まれにくい場所に置く
電車の中でスーツケースに気を取られている隙に…
電車の中で荷物を網棚に乗せている時、スーツケースを荷物置き場に持って行く時も、貴重品からは目を離してはいけません。
ちょっと目を話している隙に、座席に置いてあったバッグが盗まれてしまうなんて事もあります。
ヨーロッパの駅は改札がない所も多く、停車中の電車に忍び込んで盗みを働く輩もいるので安心はできません。大きな荷物があるとそちらに気をとられがちですが、貴重品も肌身離さずしっかり管理しましょう。
対策
- 視界から死角になる場所に貴重品を置かない
- 座席に荷物をおいたまま離れない
ひったくり
被害に遭いやすい場所
ひったくりの被害に遭いやすい場所は以下の通り。
- 道路に面した歩道
- 人通りの少ない場所
- 電車やバスの中
手口と対策
自転車やオートバイで追い抜きざまにひったくる
自転車やオートバイで後ろから近づき、追い抜きざまにひったくるという手口。乗り物を使わず、物を奪って走り去っていく犯人もいます。
対策
- バッグは車道と反対側に持つ
- 多少遠回りでも人通りの多い道を歩く
- 周囲の様子に常に注意する
歩きスマホや音楽は周囲への注意力が薄れてしまうので、ひったくりの他にスリの被害にも遭いやすくなると思います。
ひったくりとはまた別ですが、私は夜の道で音楽を聴きながら歩いている時に後ろから痴漢に襲われたことがあります。音楽を聴きながら歩いていると怪しい人が近づいてきても分からないですし、歩行中は控えた方が無難です。
電車などで発車直前にひったくる
発車直前、ドアが閉まる前に荷物をひったくり、そのまま逃げてしまう手口です。
ドアが閉まって電車が発車してしまえば、犯人を追う事ができません。
対策
- 出入口付近には座らない
- 怪しい人がいないか、ドアが閉まる前は特に周囲を警戒する
このほか共通して注意したいこと
ズボンのポケットにお財布やスマホを入れない
ズボンのポケットにお財布など貴重品を入れていると、スリ犯に狙われやすいので注意。
人混みの中でだけ気をつければいいと思う人もいるかもしれませんが、普通に歩いていても手慣れた犯人ならスッと容易に抜き取ってしまいます。
ポケットに半分しか入っていない長財布なんか、「盗ってください」と言っているようなものです。
大金を持ち歩かない
持ち歩く現金を最小限にすれば、万が一被害に遭ったとしてもダメージはいくらか少なくて済みます。
カード類は止めてしまえばいいですが、現金は戻ってきませんから。。。
私はドイツでも旅行先でも、カード払いがほとんどで持っている現金は20€くらいです。
あとは何かあった時のために、カード番号や緊急連絡先も控えておくようにしましょう。
荷物を増やし過ぎない
荷物が多いと自分からの死角が増えて、犯人がバッグの中に手を入れても気がつかない可能性があります。
それに何かあっても咄嗟に対処できないというデメリットも。
少なくとも片手は自由になるよう、荷物はなるべく少なくした方がベターです。
「観光客丸出し」にならないよう気をつける
観光客を狙ったスリが多いのは悲しいですが事実。
地図を見ながらキョロキョロしている人、現地では目立つような恰好をしている人(ヨーロッパ旅行で日焼け防止のアームカバーや日傘、場所にそぐわないブランド物のバッグなど)、写真撮影に夢中になっている人など、観光客だと一目で分かるような姿や行動はなるべく控えた方が良いでしょう。
犯人を深追いしない
盗まれた時点ですぐ犯人を捉まえられる状況なら良いですが、逃げていく犯人を深追いするのは危険。
犯行に及んだのは1人でも、近くで仲間が待ち伏せしている可能性があります。
被害に遭った場合は、盗られた携帯やカード類を全てストップし、警察に被害届を出してもらいましょう。
心配なら防犯グッズを使ってみる
心配であればセキュリティーポーチなどの防犯グッズを使うのもおすすめ。最近はスキミング防止機能のある商品も多いです。
ちょっと開け閉めが面倒ですが、バッグやリュックのファスナー部分に鍵をかけてしまう方法もあります(バッグをナイフなどで切られてしまえば意味はないですが)。
私は防犯グッズ類は持っていなくて、旅行時はバッグの内ポケットやリュックの背中側ポケットに貴重品を入れるようにしているほか、今回紹介した対策もかなり意識しています。
そのおかげか、たまたま運が良かっただけなのか、これまでスリや置き引き、ひったくりの被害に遭ったことは一度もありません。
海外旅行でのスリ、置き引き、ひったくり対策:まとめ
海外旅行に行くときはスリや置き引き、ひったくりにご用心。日本と同じような防犯感覚だと、あっという間に被害に遭ってしまいます。
手口ごとに対策を紹介しましたが、特に大事な点は以下の通り。
- 貴重品はカバンの内ポケットやリュックの背中側ポケットに入れる
- 荷物から目を離さない
- 怪しい人がいないか、常に周囲の状況に目を向ける
- 持ち歩く現金は最小限に
- 人通りの少ない場所には近づかない
- 観光客丸出しにならない
今回紹介した対策はちょっと意識すればいい事ばかり。せっかくの旅行を台無しにしないためにも、旅行中はぜひ意識してみてください。
このほか安全にひとり旅をするコツについては下の記事にまとめています。海外ひとり旅に興味のある人はこちらも参考になると思います。
【女性ひとり旅】全にヨーロッパを旅行をする為に気をつけたいポイント