夏のドイツは結婚式シーズンの真っ只中。
この時期に教会やお城にいくと、結婚式に遭遇することがよくあります。
ところで、ドイツでの結婚式は大まかにいえば「カップルが夫婦になる事を法的に定める式」、「みんなで盛り上がるパーティー(披露宴のようなもの)」の2つに分けられます。
ヨーロッパの結婚式といえば教会というイメージですが、このほかにも会場となるロケーションは様々。そして必ずしも全員が教会での結婚式をする訳ではないのです。
という訳で、今回は「ドイツではどこで結婚式が行われるのか」がテーマ。
結婚式、パーティーのそれぞれが、どんな場所で行われているのかを解説します。
Contents
戸籍局での結婚式は絶対
ドイツでドイツの法に則って結婚する場合、戸籍局(Standesamt)での式は必ずしなくてはいけません。
これは、教会で別に式をする場合でも一緒です。
冒頭でドイツの結婚式は2つに分けられると書きましたが、戸籍局での式は「カップルが夫婦になる事を法的に定める式」。新郎新婦の両方に証人をつけ、参列者の前でお互いに結婚の意志がある事を確認します。
役人さんからの言葉や指輪交換もある一方、書類にいくつもサインをするなど事務的な面もあるのが戸籍局での結婚式。新婦はウェディングドレスを着ることもあれば、それっぽい白いワンピースやスーツで済ませる人など様々です。
戸籍局によっては荘厳な雰囲気の部屋を用意してくれる所もありますが、場所によっては「結婚式にはちょっと物足りない」という感じの部屋で式をすることもあります。
誰もが教会で結婚できるわけではない
教会での結婚式は戸籍局での式のように法的拘束力がある訳ではなく、「神の前で永遠の愛を誓う」というスタンスです。
そして教会で式を挙げられるのは新郎新婦の一方、または両者がその教会に属している場合のみ。どちらかのみが教会の信者ならいいのか、または両方でないといけないのかは教会によって異なります。
つまり新郎新婦の両方が教会に属していない場合は教会式はかなり難しくなりますが、場合によっては信者でなくても教会で式を挙げられる可能性もあります。これらはその教会の牧師さんの裁量によるところが大きいです。
あとはカトリックの場合、離婚歴があれば教会での式は出来ないなんて話も…この辺りの決定も、教会の牧師さんに委ねられるみたいです。
このほかマイナウ島のマリエン教会など、結婚式用のパッケージがすでに用意されていて、宗教の関係なく誰でも式を挙げられる教会もあります。
結婚式の会場
戸籍局
さきほども書いたように戸籍局での式をしなければ法的に夫婦を認められないので、ここでは結婚するカップル全員が式を挙げます。
戸籍局での式だけにするカップルもいれば、教会式やパーティーも全部やるというカップルなど様々です。
教会
キリスト教徒の場合は、戸籍局での式に加えて教会でも式を挙げることもあります。
私も何度か教会式に参加したことがありますが、パイプオルガンの音色が流れる中、純白のドレスを身にまとった新婦が歩いていく姿は神々しいくらい美しかったです。
古城などそのほかのロケーション
戸籍局によっては、管轄する地域内の古城などに役人さんが出張で来てくれ、その場所で結婚式を行えることがあります。
どこなら出張できるのかは、結婚に必要な書類を戸籍局に提出する際に要問合せ。また候補地であるお城などにも、そこで式が可能かを問合せする必要があります(お城はウェブサイトに案内がある場合も多いです)。
私達がラインシュタイン城で結婚式をした時も、戸籍局の人が出張で来てくれてライン川が見渡せる中庭で式を挙げることができました。式の前に役人さんが壁に戸籍局のプレートを掲げ、「今日はこの場所が戸籍局となります」と宣言していたのがとても印象的でした。
ホテルも併設している古城なら、そのままパーティーに移ったり宿泊もできるので便利です。
このほか珍しい所だと、「南ドイツで最も美しい図書館」と言われているヴィブリンゲン修道院の図書館でも式ができたりします。
パーティー会場
パーティーは戸籍局や教会式に引き続いて、または別の日に行われます。
日本のように結婚式を専門に行う「結婚式場」というものが無いドイツ。
ここではどんな場所がパーティー会場になるのか見ていきましょう。
イベント会場
出席人数が特に多い場合はイベント会場をレンタルし、ケータリングやDJなどを呼んで結婚式を挙げることが多いです。
ちなみにドイツの結婚式&パーティーでは、花嫁のブーケや会場の装飾、DJやカメラマンの手配など全て自分達で準備するのが一般的です。
レストラン
お気に入りのレストランや雰囲気の良いレストランを貸し切ってパーティーを行うカップルもいます。
ささやかな食事会で済ませるカップルもいれば、食事のほかにゲームやケーキ入刀、ダンスなどをしながら深夜まで盛り上がることも。
ホテル・古城ホテル
ホテルや古城ホテルも結婚式の会場として人気。特に中世の雰囲気が残る古城ホテルでの式はヨーロッパならではという感じです。
古城ホテルに関しては以前宿泊レポートを書いたクロンベルク城やエバーシュタイン城、私達が挙式したラインシュタイン城など、結婚式のアレンジをしてくれる所も多いです。
ホテル挙式はそのまま泊まれてしまうのも便利な点ですよね。
結婚式対応をしているホテルでは大体ウェブサイトのメニューバーに「Hochzeiten」という項目があり、どんな雰囲気なのか見たり問合せができるようになっています。
またホテルによっては、ホテル内の会場で戸籍局の式ができる場合もあります。
そのほかの会場
上に紹介した会場のほかにも、カップルの思い入れの場所などで結婚パーティーをする事もあります。
いちど自宅の庭で行われたパーティーに招待されたことがありますが、花が満開の広大な庭でのガーデンパーティーもなかなか素敵なものでした。
ケータリングが来てくれて座る場所が確保できるなら、どんな場所でも開催出来そうだなという感じです。
ドイツでの結婚式会場:まとめ
「法的に結婚するために戸籍局で行う式」、「結婚パーティー」とおおまかに2つの式から成るドイツの結婚式。
キリスト教徒の場合はこの中間に教会式をする事もありますが、誰もが教会で式をできる訳ではないという事実に驚いた人もいるのではないでしょうか。
戸籍局での式も結婚パーティーも、会場となる場所は様々。「古城大国」とも言えるドイツですから、中世の雰囲気が残る古城での式も人気です。
今回は結婚式の会場がテーマでしたが、ドイツの結婚式の特徴については「ドイツの結婚式10の特徴」で紹介しているので、興味がある人はこちらも読んでみてください。