チンクエテッレを巡った次の日は、そこからさらに東にあるポルトヴェーネレ(Portovenere)を訪れました。
チンクエテッレと共に世界遺産に登録されているポルトヴェーネレ。イタリア語で「ポルト」は「港」、「ヴェーネレ」は「ヴィーナス」という意味になることから、「ヴィーナスの港」というロマンティックな名前を持つ港町なのです。
そんな名前を持つだけあり、町の美しさは感動もの。アクセスは面倒ですが、行くだけの価値はあると断言できるほど素敵な町です。
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ポルトヴェーネレのカラフルな町並み
ポルトヴェーネレで印象的なのが、港に面してならぶカラフルな建物。かつては海から帰ってきた漁師が自分の家を見つけやすくするため、自分の家に色を塗っていました。こういった習慣は、古くからある漁村でよく見られるとのこと。そういえばヴェネチアから行くムラーノ島でも同じような話を聞いことがあります。
チンクエテッレの港には小さなボートが沢山あって素朴な雰囲気が漂っていましたが、こちらはクルーザーも多いからか、どことなくリゾート地の様な雰囲気。ここからチンクエテッレやラ・スペツィアへ船で行けるほか、小島郡(パルマリア島、ティーノ島、ティネット島)を巡る遊覧船も出ています。
港に面した建物にはレストランが目立ちますが、一歩路地の中に入ると小さなお土産屋さんなども沢山。さきほどまでの開放感あふれるカラフルな町並みから一転し、生活味あふれる細い道が続きます。
断崖絶壁に立つサン・ピエトロ教会
港沿いを歩いていく現れるのが、岬の断崖絶壁に立つサン・ピエトロ教会。
教会内はいたってシンプルでした。ドアの装飾だけ妙に凝っていましたが、なにを意味しているのか分からないのが残念。
ここには見晴らし台やテラスが何ヵ所かあり、美しい海岸線の眺めを楽しむ事ができます。
波際に見える「バイロンの洞窟」。少しわかりにくいですが、古城から視線を下へ移した波打ち際、その窪んだところに彼の愛した洞窟があります。
海岸線の織りなす風景はため息もの。切り立った崖の数々が、自然の威力を見せつけているかのようです。
波打ち際までどんどん降りていく夫。柵があるとはいえ、私は怖いので上から眺めるだけ。ここでは柵からはずれた岩の上で日光浴をしている恐いもの知らずな人も結構いました。
教会を背に港側を見ると、手前の廃墟のような建物と奥の青い海とのコントラストが面白かったりします。
ドーリア城からの眺めは最高
海岸線の眺めを楽しんだら、更に丘を登上ってドーリア城を目指します。暑いなか坂道を上る私達の目の前に現れる教会。
教会前からの眺めも素敵ですね。ポルトヴェーネレではどこを撮っても情緒あふれる写真になります。そして日差しが強い!
更に上っていくとお城に到着。ドーリア城は12~13世紀、海洋国家のピサとジェノヴァが覇権争いの真っただ中に、見張りの場所としてジェノヴァ軍が建てた城塞の跡地です。
お城といっても城塞跡なので、煌びやかな部屋などはありません。とはいえ巨大な城塞跡からは、かつての海洋国家の権力の大きさを見せつけられた気分になるのも確か。
敷地内の庭にはブドウやオリーブ、柑橘類などイタリアならではの植物が沢山植えられていました。こんなに立派なオリーブの木があるなんて羨ましい。
かつてはこの場所から往来する船を監視していたのでしょうか。
そしてドーリア城のハイライトが、町と港を望むこの眺め。眼下にエメラルドグリーンの海が広がり、時折吹く風がなんと気持ちいいことか。私がこれまで見た絶景のなかで5本の指に入るかも、というくらい美しい眺めでした。
別の場所からは、先ほど見たサン・ピエトロ教会が見えます。ここから見ると岬の先の孤島のような教会。港側のロマンティックな眺めとは趣の異なる、どこか厳しい雰囲気が漂っています。
向かいの山にはハイキングを楽しんでいる人たちがいました。この辺りはハイキングコースとしても有名。ここから一番近いチンクエテッレの町リオマッジョーレまでは4時間半ほどだそうです。
ポルトヴェーネレへのアクセス
美しい街並みが楽しめる一方で、アクセスがやや難しいポルトヴェーネレ。旅の拠点にする人も多いラ・スペツィアからはバスで行くか、春と夏には船でもアクセスが可能です。
行きでラ・スペツィアからのバス、帰りはラ・スペツィアまで船を利用しましたが、船の方が断然おすすめです。というのもバスはかなり混んでいて、通路も人で押し合いの状態。そのうえいつ来るかも分からないというストレスもありました。
帰りの船は快適そのもの。気持ちいい風に吹かれながら景色を眺めていたら、あっというまにラ・スペツィアへ到着です。
本当は船でチンクエテッレを巡りながら宿泊したレヴァントまで戻りたかったのですが、そちら方面は波が高くて運休なのでした。
ちなみにラ・スペツィアからバスで行く場合は、駅から徒歩10分くらいの場所にある「ガリバルディ(Garibaldi)」という停留所から30分ほどで着きます。「11」または「P」と書かれたバスに乗れと教えてもらったのですが、バス停にはこの路線の時刻表が何故か無く、周囲の人に助けてもらいました。
[aside type=”boader”] 宿泊したホテルHotel Garden
チンクエテッレのすぐ西にあるホテル。部屋には冷蔵庫、ケトル付き。近くにスーパーやお土産屋さんもあり便利。[/aside]
ポルトヴェーネレを見終わった所でリグリア海岸の旅も終了。次からは古都フィレンツェを拠点に、フィレンツェ旧市街やトスカーナ地方を訪れます。