今週からドイツ各地で始まったクリスマスマーケット。各地で個性的なマルクトが開催されるなか、シュトゥットガルト近くの町エスリンゲンでは「中世のクリスマスマーケット」というひと味変わったクリスマスマーケットが楽しめます。
クリスマスマーケットが中世風になっているとの事で、何だかとても面白そうだと思いませんか?
どんなものなのかと初日にさっそく足を運んだので、その様子をレポートします。
Contents
エスリンゲンの中世クリスマスマーケット
エスリンゲンの中世クリスマスマーケットは、写真のような通常のクリスマスマーケットに隣接して開催されています。
通常のクリスマスマーケットが開かれているマルクト広場(Marktplatz)の中を歩いていくと、なにやら木で作られた門のようなものが。すこし見にくいですが、ぶら下がっている板には「中世マルクト(Mittelaltermarkt)」と書かれています。
門をくぐると旧市庁舎前の広場には中世風の屋台がならび、普段見慣れているクリスマスマーケットとはひと味違った雰囲気にこちらも興奮。
中世風のこどもの遊び場。ミニ観覧車はなんと手動。中世に電気なんてありませんからね・・・。
旧市庁舎の前にある小さな舞台。初日は雨が降る中、夕方からここでオープニングセレモニーが行われました。期間中は日替わりの催し物がここで開催されます。
長~いトランペットが奏でる開会のファンファーレ。
そのあとエスリンゲン市長が開会宣言をし、続いてコントが始まります。
コントは正直微妙・・・。でもみんな笑っていたので、単にドイツ人との笑いのツボが合わないだけだと思います。個人的には政治をもじった風刺コントみたいなのが好きです。
市庁舎の左脇を進んで行くと、そこにも中世マーケットが広がっています。通行税(Wegezoll)を支払う箱もちゃっかり設置されていて面白い。
進んだ先にあるマルクト。
中世ならではの面白いお店が沢山
その独特な雰囲気もそうですが、中世マルクトの面白いところは普段は見かけないような面白いお店や凝った店が並ぶことでしょうか。
メット(Met)と呼ばれるはちみつワインや様々な果実酒が並ぶお店、それを飲むための角カップのお店はフロイデンベルクの中世市にもありましたね。
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中世の衣装も売られています。先日も中世風ドレスを買ったばかりですが、こっちもかわいくて欲しくなっちゃいます。
でも冬のマルクトはかなり寒いので、これらを来て歩き回るのはほぼ不可能なのが残念。ダウンジャケットを着ていても寒かったですから・・・。
毛皮製品を売るお店。商品をよく見てみると、動物の形そのままなのでちょっと恐いです。
手触りも滑らかなものから少しゴワゴワしているものもあって、毛皮は全て柔らかい素材だとおもっていただけに意外でした。
エッセンシャルオイルを扱うお店や・・・
中世のボードゲームは使っている石がとても綺麗。これだけで飾っても画になりそうです。
ハーブやスパイスを扱うお店。様々な種類のハーブやスパイスが並んでいる様子は、どことなく魔女の館を彷彿とさせます。
中世の手工業者たち
マルクトでは中世の技術を実際に披露している手工業者たちもいます。
中世の活版印刷技術を披露してくれたおじさん。グーテンベルクが発明した活版印刷機と同じものをつかって、実際に目の前で中世の印刷技術を披露してくれました。
インクを塗っているところ。その上に紙をのせ、機械を奥にスライドさせます。
すると紙にインクが写って見事に印刷されるというわけ。ひとつ前の写真でおじさんが手に持っている物が完成したものです。
ちなみに機械の上にちょこんとバレンのような物が乗っていますが、中世ではなんとこれが犬の皮でできていたそうです。犬の肌には汗腺がないため、道具として適していたのだとか。一緒に見ていた子供たちは犬を飼っているとのことで、その話を聞いて若干引いてました。
鍛冶屋のおじさんは、すすを大量に浴びて服が真っ黒ですね。鉄の棒を熱してから、叩いたり曲げたりして加工をしていきます。
鋳物屋さんもお店の前で技術を披露していました。今となっては機械化で大量生産できるようになったこれらの製品も、中世では手間と時間をかけながら1つひとつ手作りされていたんですね。
食べ物も沢山
マルクトには食べ物の屋台も沢山あり、あちこちからいい匂いが漂っています。
中世らしくて面白かったのが、ヘンプシード(麻の実)を使ったピタパン。最近スーパーフードとして注目を浴びているヘンプシードですが、中世ヨーロッパでも食料とされていたんですって。中世のコックに扮したおじさんが作ってくれます。
中に肉や野菜を挟んで食べるもので、私もベジタリアンバージョンを食べてみました。これでもかというほど野菜が詰められていて、これだけでお腹いっぱいになります。
とはいえ野菜しか入っていないので、すぐにお腹が空く・・・。そんな小腹が空いたときに食べたいのが、ドイツ版「焼き栗」。日本の甘栗よりだいぶ大粒の栗が使われ、食べ応え十分。ホクホクしていて美味しいです。
そしてクリスマスマーケットで忘れてはならないのがホットワイン。これを飲まなければ、「なにをしにクリスマスマーケットへ行ったんだ!?」とドイツ人に怒られてしまうかも(笑)、というほど欠かせない飲み物です。スパイスが入っているので冷えた体も温まります。
アルコールが苦手な人のためにアルコールなしのホットワインもあり、「プンシュ(punsch)」や「キンダープンシュ(Kinderpunsch)」という名前で売られています。私はワインは好きですがアルコールには弱いので、クリスマスマーケットで飲むのはだいたいこのプンシュ。
他にもエッグリキュールを使った飲み物「アイアープンシュ(Eierlikörpunsch)」やベリー類をベースにしたホットワイン、ラム酒入りのホットワインなど様々な飲み物があります。あちこち試してみたくなりますが、アルコールなので飲み過ぎには注意しましょう。
クリスマス当日にはもう閉店!?
エスリンゲンのクリスマスマーケットは11月28日から12月22日まで開催されます。
クリスマスマーケットといえどクリスマス当日にはすでに終了してしまっているので、クリスマス間近に訪問予定の方はご注意を。せっかく来たのにやっていなかったら悲しすぎますからね。
普段は午後8時半(木~土曜日は午後9時半)まで開かれていますが、最終日となる12月22日は午後6時までと時間も短縮されます。
中世の趣が残るまちエスリンゲン
エスリンゲンの町についても少し紹介します。シュトゥットガルトから電車で15分ほどの場所にあるエスリンゲンは、ネッカー川の湖畔に佇む美しい町。
旧市街には可愛らしい木組みの家が多く残るほか、この町はゼクト(Sekt)と呼ばれるドイツのスパークリングワイン発祥の地でもあります。
「小ベニス」と呼ばれる、趣のある一角。
ワインの産地ということで町の後ろにはワイン畑。その上には1311年に建てられた城壁と塔が残っていて、城壁の上を歩くことができます。
城壁から見下ろすエスリンゲンの町。もう少し時期が早ければ黄色に染まったブドウ畑が見えたことでしょう。
ひと味違ったクリスマスマーケットを楽しもう
エスリンゲンのマルクトは「中世」と「クリスマスマーケット」の融合というひと味変わったもので、クリスマスマーケットを何度も見てきている私にとってもとても新鮮で面白かったです。
町自体がとても綺麗なので、そこにクリスマスマーケットが立つことでさらに幻想的な雰囲気が楽しめ(特に夜!)、運が良ければ中世の衣装を身にまとった人々にも出会えます。
「世界最大のクリスマスマーケット」が開かれるシュトゥットガルトに行く人も多いと思いますが、その際は近くのエスリンゲンにも足を伸ばしてみてください。賑やかなシュトゥットガルトとはまた違った、中世の趣が漂うクリスマスマーケットが楽しめますよ。
[…] シュトゥットガルトを訪れるなら、近くにあるエスリンゲンもぜひ訪れてみてください。エスリンゲンのクリスマスマーケットについては昨年(2017年)に取材した時の記事があるので、そちらも参考にどうぞ。 […]
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