冬のドイツ旅行の楽しみが、町を幻想的に彩るクリスマスマーケット。
クリスマスマーケットを巡る旅行を計画されている方のなかには、どこがおすすめなのか分からず悩んでいるという方もいるかもしれません。また有名どころばかりではなく、ちょっとマイナーな町のマーケットを楽しみたいという方もいるでしょう。
そこで今回は私がこれまで訪れたクリスマスマーケットの中から、特に気に入って皆さんにもおすすめしたい10の町を紹介します。
Contents
ニュルンベルク クリストキントレスマルクト
「ドイツ3大クリスマスマーケット」のひとつで「世界一有名」とも言われているのが、ニュルンベルクのマーケット。中世の街並みが温かみのあるイルミネーションで輝き、メイン会場となる聖母教会前の広場に約180もの店が並ぶ様子は圧巻です。
ニュルンベルクのクリスマスマーケットは「クリストキントレスマルクト」と呼ばれていますが、「クリストキント」とは「キリストの幼子」という意味。市民の中から選ばれた若い女性がクリストキントに扮し、彼女が会場宣言をする事でこの町のクリスマスマーケットが始まります。期間中はクリストキントも会場に何度か登場するので、タイミングが合えば直に見ることができるかもしれません。
またクリスマスのお菓子としてドイツ各地で食べられるレープクーヘンは、ここニュルンベルクの名物。会場でも買えるほか町には専門店もあるので、訪問の記念にぜひ購入してみてください。スパイスが効いてるので好みが分かれますが、私はとても好きです。
開催期間
11月29日~12月23日
大聖堂が圧巻 エアフルトのクリスマスマーケット
ドイツの中心よりもやや東寄りにあるエアフルトのクリスマスマーケットは、大聖堂前の広場で開催されます。会場を見下ろすようにそびえ立つ大聖堂が圧巻で、暗闇に浮かびあげるその姿には神々しさまで感じるほど。
大聖堂の足元に広がるのは「メルヘンの森(Märchenwald)」。「赤ずきん」や「カエルの王様」といったグリム童話のキャラクターたちが勢ぞろいする、子供に人気のアトラクションです。キャラクターの作りがどこかシュールだったりして、大人が見てもまた異なる視点で楽しめます。
そして大聖堂に負けじと存在感を放っているのが、カラフルに輝く大観覧車。冬に乗るのはちょっと寒そうですが、高い場所から見下ろすクリスマスマーケットはさぞかし美しいことでしょう。寒さに強い方はぜひ乗ってみることをおすすめします。
開催期間
11月26日~12月22日
エスリンゲン 中世のクリスマスマーケット
シュトゥットガルトの隣町エスリンゲンでは、ちょっと変わった中世のクリスマスマーケットを開催。歴史ある旧市街の広場に木や布で作られたテントが並び、お店の人達もみんな中世の衣装を身にまとっていて雰囲気たっぷりです。
売られているのは中世風のゲームや毛皮製品、角の形をしたカップ、はちみつワインといった中世市ならではの品々。お金の単位もここでは「ユーロ」ではなく、中世風に「ターラー」と言っているのがまた面白いです。中世の鍛冶職人や印刷職人が実際に様子を見られたり、実際に体験させてくれる所もあります。
エスリンゲンは旧市街の街並みが美しいので、クリスマスマーケットもかなり見ごたえがあります。シュトゥットガルトと併せて訪れ、両者のコントラストを楽しんてみてはいかがでしょうか。
開催期間
11月26日~12月22日
会場内にスケート場!? ケルンのクリスマスマーケット
ドイツ西部で最大規模を誇るのが、ケルンで開催されるクリスマスマーケット。町の各地で10以上ものマーケットが開催されるなか、特におすすめは大聖堂横、アルターマルクトの「ハインツェルマルクト」、そしてそのすぐ南にあるホイマルクトの3ヵ所です。
大聖堂横のクリスマスマーケットでは、ライトアップされたケルン大聖堂と巨大なツリーがつくり出す幻想的な世界に酔いしれてしまいそう。ケルン中央駅の目の前でアクセスも良く、時間がない方でもクリスマスの雰囲気を十分に楽しめます。
ハインツェルマルクトはグリム童話に登場する「ハインツェルメンヒェン」という小人の妖精がテーマ。会場のあちこちに小人のモチーフが散りばめられた、レトロ可愛いマルクトです。
ホイマルクトでは、なんと会場にスケートリンクが出現。夜になってムードたっぷりにライトアップされたリンクの上を、みんな上手にスイスイ滑っています。またケルンはベルギーやフランスにも近いからか、マルクトにはオシャレなお菓子のお店が沢山並ぶのも魅力です。
開催期間
大聖堂横:11月25日~12月23日
アルターマルクト:11月25日~12月23日
ホイマルクト:11月25日~1月6日
その他の場所についてはウェブサイト参照
欧州トップ10入り アーヘンのクリスマスマーケット
欧州の人気クリスマスマーケットのランキングでここ数年トップ10入りし続けているのが、アーヘンのクリスマスマーケット。ドイツにおける世界遺産第一号であるアーヘン大聖堂周辺や市庁舎前など、歴史ある旧市街を舞台にしたマーケットはとても風情があります。
市庁舎入り口の階段部分は、会場が一望できる穴場スポット。ちなみに市庁舎内部では重厚な部屋の数々やローマ皇帝の戴冠式が行われた部屋が見学できるので、大聖堂、クリスマスマーケットと併せて訪問してみてはいかがでしょうか。
ここの主役ともいえるのが、アーヘンの名物お菓子であるプリンテン。ニュルンベルクの名物レープクーヘンによく似たスパイスたっぷりのお菓子で、クリスマスマーケットの入り口や市庁舎前では巨大なプリテン人形が皆さんをお出迎えしてくれます。マーケットや町の専門店で買うことができ、チョコがけやナッツ入り、ドライフルーツ入りなど種類も豊富です。
開催期間
11月22日~12月23日
ローテンブルク 町全体がクリスマスムード一色
日本人からも絶大な人気を誇るのがローテンブルクでは、クリスマスの時期になると町のいたるところにイルミネーションが施されます。ただでさえ可愛い街並みが、おとぎの国に迷い込んだかと錯覚するような幻想的な世界へと変貌を遂げるのです。
メイン会場となるのは、市庁舎前のマルクト広場。「騎士」をテーマにしたローテンブルクのクリスマスマーケットは500年以上もの歴史を誇り、中世からほとんどその姿を変えずに現在まで受け継がれています。
時間があるのであれば、夜までしっかり楽しみたいのがローテンブルクのクリスマスマーケット。歴史ある街並みがあたたかな光に包まれる様子はメルヘンそのものです。夜には夜警ツアーも開催されるので、町に泊る予定であればぜひ参加してみてください。
開催期間
11月29日~12月23日
巨大シュトレンも登場!ドレスデンのクリスマスマーケット
ドイツ3大クリスマスマーケットのひとつでもあるドレスデン。町のあちこちでクリスマスマーケットが開催されるなか、必ず訪れたいのがアルトマルクト広場で開催される「シュトリーツェルマルクト」、フランエン教会横のマルクト、シュタールホーフの中世マルクトの3つです。
シュトリーツェルマルクトはドレスデン最大のクリスマスマーケット。巨大ピラミッドやクリスマスツリーが登場する会場ではイルミネーションが輝き、華やいだ雰囲気に満ち溢れています。華やかさでいえば、これまで訪れた中でもダントツのNo.1です。
そしてドレスデンのクリスマスマーケットで忘れてはならないのが「シュトレン祭り」。3トン以上もの巨大シュトレンがパレードで町を練り歩き、最後には観客に販売されるというお祭りです。シュトレンはもちろん、パレード参加者が身に着けている17、18世紀の優雅なバロック衣装も見どころです。
開催期間
11月27日~12月24日
素朴な温かみのあるゴスラーのクリスマスマーケット
さきほど紹介したドレスデンとは比べ物にならないほど小規模ですが、ほっこりするような素朴な温かみが感じられるゴスラーのクリスマスマーケット。小ぢんまりとしながらも歴史ある街並みが柔らかな光に包まれる様子には、大きな町とはまた違った魅力があります。
メイン会場となるのは町の中心にあるマルクト広場。お店には木の工芸品のほか、シュナップス、シカやイノシシを使ったサラミといったハルツ地方の名物が目立ちます。かつてここに皇帝居城があったことと関連付けたスイーツ「カイザーターラー(皇帝の貨幣)」は、まさに金貨のような見た目のパンケーキ。焼きたての熱々フワフワは病みつきになるくらい美味しいです。
時間に余裕があれば、教会の塔から町を見下ろしてみるのもおすすめ。クリスマスの時期は塔の営業時間が通常17時から19時まで延長され、ライトアップに輝く街並みを上から眺めることができます。
開催期間
11月27日~12月30日
レトロかわいいフランクフルトのクリスマスマーケット
フランクフルトではショッピングストリートである「Zeil」からマイン川にかけて、いろいろな所にクリスマスマーケットが開かれます。なかでも雰囲気抜群なのが、木組みの家や市庁舎に囲まれたレーマー広場のマーケット。1393年に始まった歴史あるもので、ここを「ドイツ最古のクリスマスマーケット」とする説もあります。
6000個以上の電飾が施された巨大なツリーやレトロなメリーゴーラウンドが輝く会場では、大人でも童心にかえって楽めること間違いなし。クリスマス雑貨を扱うお店のほか、ラクレット、ランゴス、シュネーバルをはじめとするグルメも豊富です。フランクフルト名物であるアップルワインのホットバージョンもあるので、気になる方はチャレンジしてみてください。
ちなみにZeil周辺では、高層ビル群を背景にしたフランクフルトらしいクリスマスマーケットも楽しめます。
マインツ 星降るクリスマスマーケット
フランクフルトの近郊にある町マインツのクリスマスマーケットは、まるで会場に星が降っているかのようなイルミネーションが特徴。ルネサンス調のファサードや大聖堂に囲まれた広場に星空が輝く様子は、この上なくロマンチックです。一方で大聖堂裏の「キルシュガルテン」エリアでは、木組みの家が並ぶ可愛い街並みが広がります。
ここでぜひお目にかかりたいのが、この巨大ピラミッド。サンタやクリッぺの像と一緒に、この町にゆかりのあるキャラクターや人物の像が飾られています。
マインツ周辺はワイン醸造が盛んなことから、クリスマスマーケットではワイナリーのホットワインが飲めるお店が沢山あります。ちょっと珍しい白バージョンのホットワインもあるほか、「キンダープンシュ」はお酒が飲めない方におすすめの飲み物です。
開催期間
11月28日~12月23日
おわりに
大小かかわらずどこの町でも、個性的で素敵なクリスマスマーケットが開催されるドイツ。今回紹介した中でもエスリンゲン、ケルン、ドレスデンは個人的にも特におすすめしたい町なので、クリスマスマーケット巡りを計画している方はぜひ旅程に入れてみてください。
寒さが厳しいので防寒対策、また沢山の人が集まる場所なのでスリ対策もしっかりしながら、この時期にしか味わえない世界を楽しみましょう。
[…] これまで訪れた中でも特に良かった町は「【2019年版】ドイツの町を彩るクリスマスマーケットおすすめ10選」で紹介しているので、こちらも旅の計画の参考にしてみてください。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); […]