ドイツで生まれた子供の出生届提出から、日本国籍を取得するまでの手続きを振り返ります。
私達は夫ドイツ人、私が日本人の日独カップル。産まれてくる子の日本国籍について、正直にいうと手続きも面倒くさそうだし初めは「なくても良くないか」という考えでした。
ですがその後色々調べるうちに、日本国籍も取得しておいたほうが何かと便利であることが判明。それにコロナ禍で日本の入国制限がいつまで続くか分からない中、日本のパスポートがあればいざ帰るとなったときも比較的スムーズに入国できますしね。
という訳でチャンスは多いに越したことはないので、とりあえず日本国籍も取得しておいて、あとは息子が大きくなったら自分で決めさせようという方針に落ち着きました。
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出産と同時に得れるドイツ国籍・手続きしないと失う日本国籍
ドイツで出産すると、両親のどちらかがドイツ国籍またはドイツ永住権を持っていれば生まれた子供には自動的にドイツ国籍が与えられます。
一方で日本国籍も取得したい場合は、産まれてから3ヶ月以内に日本側へも出生届の提出が必要。この期限内に届け出がされなかった場合、産まれた日に遡って子供の日本国籍は失われてしまいます。
産まれた子の日本国籍取得までの流れ
産まれた子の日本国籍取得は、以下の手順で行います。
- ドイツで出生届提出
- 日本へ出生届を提出し、日本国籍取得
ドイツにも日本にも同時に提出すればよくない?と思いきや、ドイツでの手続きが先。というのも、ドイツで出生届の手続きをして得られる出生証明書(Geburtsurkunde)が日本側への手続きで必要になるからです。
次項からは、各手続を行う場所や必要書類を見ていきましょう。
ドイツでの出生届提出
ドイツでは出産から7日以内に出生届を提出する必要があります。出生届は生まれた町の戸籍役場に提出するものですが、産院で手続きをやってくれる所がほとんどです。
産院で手続の際、必要だった資料は以下の通り:
- 身分証明書
- 婚姻証明書(Eheurkunde)
- 両親の出生証明書(Geburtsurkundeや翻訳つき戸籍謄本
- 私の滞在許可証(永住権保持者です)
婚姻証明書と両親の出生証明書はドイツで結婚した時に提出したものがStammbuchに綴じてあるので、このStammbuchをそのまま提出すればOKでした。
日本で結婚するなどしてこれらの証明書が手元にない場合は、在外公館で発行してもらいます。発行方法の例としてミュンヘン領事館のリンクを貼っておくので、必要な人はこちらを参考にしてください。
日本から戸籍謄本を取り寄せるなど時間がかかるので、準備はお早めに!
無事ドイツで出生届を提出すると、早ければ2~3日で出生証明書が家に届きます。
日本へ出生届を提出して日本国籍取得
ドイツの出生証明書が手元に届いたら、いよいよ日本への出生届を提出します。
提出する場所は住んでいる地域を管轄している在外公館。私はシュトゥットガルト近郊に住んでいるので、ミュンヘン領事館へ提出しました。領事館まで出向くとなると車で3時間弱かかりますが、ミュンヘン領事館では郵送での提出もOKでした。
提出した資料は以下の通り:
- 出生届(領事館ウェブサイトからダウンロードできます)2通
- 出生証明書 1通
- 出生証明書の和訳文 1通
和訳文は、自分で翻訳したもので大丈夫。領事館の出生届に関するページに書き方の例があるので、私もこちらを参考にしました。
郵送の際、「届いたら電話でもメールでもいいので一報頂けると有難いです」との旨を書いておいたからか、数日後に「届いて、内容も問題ありませんでした」と電話をもらいました。その後、日本の戸籍に反映されるまでは約1ヶ月がめやすです。
出生届提出時の注意点
タイムリミットは3ヶ月
本文中でも触れていますが、出生届提出までのタイムリミットは3ヶ月。その期間までに提出しなければ日本国籍は失われてしまいます。
産まれてから3ヶ月なんて本当にあっという間。私の知人の日英カップル(イギリス在住)は提出を忘れていて日本国籍を取得できず、かなり後悔していました。
場合によっては資料の取り寄せに時間がかかる場合もあるので、妊娠後期に入ったあたりで特にドイツ側での手続きに必要な資料を調べるなど準備を始めた方がいいです。
必要資料は地域によって異なる場合もあるので、出産予定の産院で問い合わせるのが一番だと思います。
「日本国籍を留保する」に署名・捺印をわすれずに
産まれた子の日本国籍を取得したいなら、出生届にある「日本国籍を留保する」の欄に署名・捺印を忘れずに!
これを忘れてしまったら、今までの苦労が全て水の泡です。もし忘れても提出した領事館から「国籍どうしますか?」と問い合わせが来るのかな、とも思いましたが、お役所もそこまで親切ではない気がします。
ちなみに捺印は印鑑がなければ拇印で大丈夫です。
産まれた子の日本国籍取得までの流れ:まとめ
ドイツで出産した子の日本国籍取得には、産まれてから3ヶ月以内に日本への出生届提出が必要。
3ヶ月はびっくりするくらいあっという間に過ぎてしまうので、妊娠中から必要書類を調べる・取り寄せるなど準備が必要です。特に日本から戸籍謄本を送る必要がある場合、タイミングによってはEMSが届くまでに時間がかかる場合もあります。
予定日より数週間早く生まれる可能性もありますし(私の場合は予定日より3週間早かったです)、まだちょっと早いかな?と思うくらいのタイミングで準備を始めてしまっていいと思います。