古城街道の町であり、ワーグナーと深いつながりのあるバイロイト。
毎年7月から8月にかけてこの町で開催されるバイロイト音楽祭は「世界一チケット入手が難しい」と言われるほどで、オペラファンであれば「一度は行ってみたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんなバイロイトには音楽祭や数ヵ所あるお城のほかに、絶対に見逃してはならない場所があります。
それが、町の中心にある辺境伯歌劇場(Markgräfliches Opernhaus)。
プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム1世の娘であるヴィルヘルミーネという女性が建てた歌劇場で、シンプルな外観とはうって変わって中は豪華絢爛。
その美しさは「ヨーロッパで最も美しいバロック劇場のひとつ」とまで言われるほどで、一度見たら決して忘れることはできないでしょう。
今回は、そんな豪華すぎる辺境伯歌劇場について紹介します。
ヴィルヘルミーネが娘の結婚式のために建てた歌劇場
ヴィルヘルミーネが辺境伯歌劇場を建てた目的は、なんと娘の結婚式。可愛い1人娘エリーザベトに素晴らしい結婚式会場を用意するため、1744年から1748年にかけて歌劇場を建設させたのでした。
[note title=”ヴィルヘルミーネはどんな人?”]プロイセン王だったフリードリヒ・ヴィルヘルム1世の娘。
ブランデンブルク=バイロイト辺境伯フリードリヒ3世の妃となり、夫が相続したバイロイトにやってきました。
音楽や芸術の振興に熱心だったほか、みずから作曲や台本の執筆も行ったり芝居に参加していたのだそうです。
[/note]歌劇場で行われた結婚式のお祝いは、2週間もの長丁場。各地からゲストが集まり、完成したばかりの劇場内ではイタリアのオペラやフランスの舞台劇も上演されました。
本来は結婚式のために建てられた歌劇場だったので、当時のヴィルヘルミーネは「式が終わるまでの2週間だけもてばいいわ」という考えだったのだとか。
建物が270年以上も経った今でも残っていると知ったら、彼女もビックリですね。
2012年には世界遺産に登録されたほか、その美しさから「ヨーロッパで最も美しいバロック劇場のひとつ」とも言われています。
豪華絢爛な歌劇場のホール
ホールに一歩足を踏み入れると、目の前に広がるのは壮大なバロック劇場。どこもかしこも豪華すぎて、開いた口がふさがりません。
私もこれまでドイツ各地で美しいオペラ座や教会の建物を見てきましたが、それらとはスケールがひと回りもふた回りも違います!
ステージ部分だけでも幅25m、奥行が27mもあり、当時ドイツにあった歌劇場としては最大規模。装飾はイタリアの建築家一族出身であるジュゼッペ・ガッリ・ダ・ビビエーナと彼の息子であるカルロが手掛けました。
上に堂々と掲げられているのは、バイロイト辺境伯の紋章。
ステージの両側にはそれぞれ小ステージ(写真の右側)があります。ヴィルヘルミーネと夫のフリードリヒ3世が入場する際には、ここにトランペット隊が立ってファンファーレを演奏したのだそう。
そんな風にして仰々しく入場した夫妻は、入り口の真上にあるひときわ豪華な席に座っていました。
ほかの席の上にも凝った装飾がされています。位の高い人物が座る席ほど、豪華な装飾がされているのが特徴。上階にいくほどゲストの身分も低くなり、装飾やロウソクの数が少なくなります。
艶やかな色の柱など大理石のようにも見えますが、ほぼ全て木造。湿度管理と防火設備には特に気を使っているのだそうです。
天井画は芸術や学問を振興した夫妻を称えたもので、芸術の神であるアポロン神や芸術家の姿をまとった神々の姿が描かれています。
歌劇場は2013年から2018年にかけての修復作業を経て、再オープンしたばかり。ガイド曰く、全体の色味が以前よりも明るくなったとのことです。修復前に行ったことのある方は、どんな風に変わったか比べてみるのも面白いと思います。
辺境伯歌劇場の基本情報・見学方法
歌劇場内は、リハーサルやイベントがある時以外は一般の人でも見学できます。
場所や会館時間など、基本情報は以下の通り。
住所 | Opernstraße 14, 95444 Bayreuth |
電話 | 0921 75969-22 |
営業時間 | 9:00~18:00(4月~9月)
910:00~16:00(10月~3月) |
ウェブサイト | Margravial Opera House(英語) |
開館中でも入場できる時間が45分ごとに区切られていて、チケットに記載されている時間になったら中に入れます。
場内では短いビデオを見たあとに、ガイドがヴィルヘルミーネや劇場の歴史、見どころについて説明をしてくれます。
説明はドイツ語なので、ドイツ語話者でなければ理解できないのが残念なところ。とはいえ、豪華な装飾を見るだけでも行く価値は十分すぎるほどありますよ!
おわりに
母が娘の結婚式のため、贅を尽くして建てた辺境伯歌劇場。
当初は2週間もてば十分と考えられていましたが、270年経った現在ではバイロイトになくてはならない観光名所として訪れる人々を驚嘆させているのでした。
豪華絢爛なホールは本当に素晴らしいので、ぜひバイロイトまで足をのばしてみてください。歌劇場のほか、ヴィルヘルミーネが造り上げたロマンティックな庭園「エルミタージュ」もおすすめです。
バイロイトを含む古城街道の見どころについては「ドイツ古城街道で訪れたい歴史情緒あふれる町10選」で紹介していているので、こちらも参考にどうぞ。
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