雲海の上から顔を出す様子が、まるで「天空の城」と話題のホーエンツォレルン城。
ドイツ3大名城のひとつに数えられる美しい城は、その幻想的な姿が時代を超えて多くの人を魅了してきました。
城の敷地内には中世へタイムスリップしたかのような世界が広がほか、山の上に立つ城ならではの絶景も必見。
今回はそんなホーエンツォレルン城へのアクセスやお城の様子、さらには目線と同じくらいの高さでお城が望める絶景スポットを紹介します。
Contents
ドイツ皇帝も輩出した名門ホーエンツォレルン家の居城
ホーエンツォレルン城は、かつてドイツ皇帝やプロイセン国王、ルーマニア国王を輩出した名門ホーエンツォレルン家の居城です。現在のお城は3つ目の城として19世紀に再建されたもの。12世紀には既にこの場所に城があったとされ、その後は破壊や戦禍を経験してきました。
お城は現在もホーエンツォレルン家の子孫が所有しており、一部を城博物館として公開しているほか、彼らの短期滞在にも使用されています。
ドイツにある城博物館の多くは国や地域から経済的支援を受けている場合が多いですが、ホーエンツォレルン城はそれらの支援を受けずに経営がされています。入場料など決して安くないですが、これらの収入が城の保存に役立てられているのです。
ちなみに、ホーエンツォレルン家の分家であるジグマリン家が所有するジグマリン城もまた見事。ジグマリン城については「南西ドイツ旅行記」で紹介しているので、興味のある方はそちらもどうぞ。
ドイツ3大美城のひとつ
ホーエンツォレルン城はノイシュヴァンシュタイン城、エルツ城にならぶ「ドイツ3大美城」のひとつ。
メルヘンチックな外観のノイシュヴァンシュタイン城、難攻不落なだけある強固な外観のエルツ城ときて、ホーエンツォレルン城の特徴はその幻想的な姿。雲海の上にひょっこり顔を出した「天空に浮かぶ城」の様な姿のほか、季節ごとにも様々な表情を見せています。
[box04 title=”関連記事”] 【ドイツ3大美城 ひっそりと佇む姿が美しいエルツ城】[/box04]
アクセス
城へのバスは本数が少ないので注意
公共交通機関を利用する場合、まずヘッヒンゲン(Hechingen)まで行き、そこからバスでお城へ向かいます。
ヘッヒンゲンまでの所要時間はシュトゥットガルト中央駅(Stuttgart Hbf)から直通で1時間、もしくはテュービンゲン(Tübingen)乗り換えで1時間30分。
ヘッヒンゲンの駅からはバスまたはタクシーのみ!
バスではお城の駐車場まで行くことができますが、本数は平日で1日2往復、冬季と土日祝日は1日1往復しかないので注意が必要です。
バスを逃してしまったり時間が合わない場合はタクシーを利用することになりますが、駅前にいつもタクシーが居るとは限りません。
ドイツ鉄道のウェブサイトではお城までの電車やバスの時刻表を調べることができるので、事前にしっかり予習しておきましょう。行き先のところに「Burg Hohenzollern」と入力すると、発車時間や乗り換え場所などを検索できます。
また公共交通機関は遅延も多いです。現地ですぐ代わりの時刻表が調べられるよう、グローバルWiFiなどを持って行くことをおすすめします。
お得なチケット
出発する場所によっては、メトロポールチケット、バーデン・ヴュルテンベルク州チケット、週末チケットを利用してお城まで行くことが可能です。利用すると特に複数人で行く場合は交通費がお得になるほか、家族に嬉しいお城の入場料の割引も適用されます。
メトロポールチケット(公式サイト)
シュトゥットガルトと周辺地域の乗り放題チケット(IC、ICEは利用不可)。料金は1人21€。計5人まで利用できます(1人追加ごとにプラス6€)。
平日は9:00~使用可能、土日祝日は利用開始時間の制限なし。有効エリアは公式サイトに掲載されています。
お城の入場料割引:家族チケット(城内ガイドツアー込)が28€→23€
バーデン・ヴュルテンベルク州チケット(公式サイト)
バーデン・ヴュルテンベルク州内の公共交通機関が乗り放題になるチケット(IC、ICEは利用不可)。料金は1人24€。計5人まで利用可(1人追加ごとにプラス6€)。
平日は9:00~翌日3:00まで利用可能。土日祝日は0:00~翌日3:00まで。
お城の入場料割引:家族は両親2人分の入場料で子供(6~17歳)4人まで入場無料。城内ガイドツアー込み
週末チケット(公式サイト)
週末にドイツ全土の公共交通機関が乗り放題になるチケット(IC、ICEは利用不可)。料金は1人44€。計5人まで利用可(1人追加ごとにプラス6€)。
0:00~翌日3:00まで利用可能。
お城の入場割引:家族は両親2人分の入場料で子供(6~17歳)4人まで入場無料。城内ガイドツアー込み
ホーエンツォレルン城の駐車場からお城まで
ヘッヒンゲンからのバスはホーエンツォレルン城の駐車場まで。駐車場からお城までは徒歩で上るかシャトルバスを利用します。
徒歩で上る場合は所要時間20分ほど。坂が結構きついので、足が悪かったり体調が万全でない方はシャトルバスの利用をおすすめします。
私が行った際は喘息持ちの義母も一緒だったのですが、かなり息が苦しそうでした。
便利な現地ツアー
自力で行くのが心配という方は現地ツアーを利用するのもアリです。
フランクフルト発の日帰りツアーでは、バスでお城まで向かい、英語のガイドさんが案内してくれます。解散は21時ごろですが、ホテルへの送迎もしてくれるので心配ありません。
ミュンヘン発2泊3日のツアーは、なんとホーエンツォレルン城のほかノイシュバンシュタイン城やヴィース教会も訪れる贅沢なもの。日本語のツアーなので、英語が不安な方でも安心して参加できます。
[box05 title=”ホーエンツォレルン城へ行くツアー”] [/box05]お城の様子
どんどん上っていくと、やがてお城の入り口が見えてきます。遠くから見ると幻想的だったお城は、近くで見ると迫力満点。
お城の外は自由に歩き回れるほか、城内はガイドツアーのみでの見学になります。ほかにも宝物館や地下道、礼拝堂も見どころ。宝物館にはダイヤ142個を使用したプロイセン皇帝の冠があるので、お見逃しなく!
中庭は中世の雰囲気たっぷり。これがアトラクションではなくて本物の居城だというのだからびっくりですね。
あちこちにツタが絡まっている様子はまさにヨーロッパ。
満開のバラもお城に華やかさを添えています。
庭には売店もあり、ソーセージなどの軽食やケーキ、飲み物を販売しています。お城を眺めながら、ここで休憩するのもおすすめ。
お城から見える景色も必見。第3代ドイツ皇帝だったヴィルヘルム2世が「ホーエンツォレルン城からの眺めはまさにここまで旅をする価値がある」と称賛した風景が楽しめます。
お城の外をぐるりと一周して、色々な角度から建物を観察してみましょう。ちなみにお城はネオ・ゴシック様式でデザインされています。上へ上へと伸びる高い塔や、窓の部分にも見られる先の尖ったアーチが特徴です。
[box05 title=”ホーエンツォレルン城へ行くツアー”]
絶景スポットへの行き方
絶景が見えるのはZellerhornという山の上。以下の場所から徒歩で向かいます。
- ホテルZellersteighof
- ガストホフNägelehaus
- その他のハイキングコースから
ホテルZellersteighofからが一番簡単なコース。なだらかな上り坂を20分ほど歩くと絶景ポイントに着きます。
このホテルに宿泊すれば、早朝の朝もやに包まれたホーエンツォレルン城や、夕方の絶景も独り占めできそうですね。
がっつりハイキングしたいという方は、周辺にあるハイキングコースから絶景ポイントをめざしましょう。私は一度、Mariazellという教会の近くにある駐車場からハイキングをしたことがあります。
2kmのコースでは、Zellersteighofからのコースとは正反対であろう、傾斜の急な道ををどんどん登って行きます。途中で倒れた木が道を塞いでいるところもあり、前へ進むのも一苦労。しかも道が急なので息も切れ切れです。
坂道を登っていくと、やがて視界が開けて草原が現れます。絶景ポイントは写真中央左寄りに見える岩の様な場所の上。
そして苦労して登ったご褒美がこの眺め。この美しい景色が目に入ったと同時に、私たちからも歓声があがりました。それほどの絶景。
ここにはベンチもいくつかあるので、のんびりくつろぎながらお城を眺めることができます。ホーエンツォレルン城から直線距離にして約1.5km。実際は写真よりもお城がもっと近くに感じられます。
絶景ポイントとまではいきませんが、お城へ向かう道から見上げるお城も素敵なんです。車を停められる場所がいくつかあるので、しばし停車してここからの眺めを楽しみましょう。
ホーエンツォレルン城 基本情報
開城時間
10:00~17:30(3/16~10/31)
10:00~16:30(11/1~3/15)
時間短縮日
10:00~14:00(9/1)
10:00~15:00(12/31)
11:00~16:30(1/1)
休業
12/24
入場料
城敷地内のみのチケットと、城内にも入れるチケットの2種類があります。
【カテゴリー1(城敷地内、城内含まず)】
大人:7€
子供:5€(6~17歳)
【カテゴリー2(城敷地内、城内)】
大人:12€
年金受給者、障がい者、学生:10€
子供:6€
家族カード:28€
アクセス難なだけに感動はひとしお
ホーエンツォレルン城も絶景ポイントも、アクセスは面倒。しかしその分、実際にこの目でお城や絶景を見た時の感動は大きいです。
アクセスが面倒といいながらも、時刻表などしっかり調べておけば心配ありません。それでも心配な方は、現地ツアーに参加したり、いざという時のためにグローバルWiFiを持って行くことをおすすめします。
ちなみに個人的な事ですが、ホーエンツォレルン城の訪問で「ドイツ3大美城」を全て制覇したMopsなのでした。
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