花粉症や風邪の予防ほか、美容にも良いと言われているエルダーフラワー。
ドイツではとても身近な花で、6月になるとあちこちで白い可憐な花を咲かせます。
今回は夫のおばあちゃんからレシピを教えてもらってエルダーフラワーのシロップとジュレを作ったので、作り方や使い方を紹介。
爽やかな香りでとても美味しいので、エルダーフラワーが手に入りやすい人はぜひ試してみてください。
Contents
エルダーフラワーとはどんな花?
6月になるとドイツのあちこちで咲き始めるエルダーフラワー。
ドイツ語では「ホルンダー(Hollunder)」、日本語では「セイヨウニワトコ」とよばれていて、家の庭先や公園、森の中など本当にいろんな場所に咲いる身近な植物です。
白くて小さな花はとても可愛らしく、近くへ行くと甘くて爽やかな香りが。生命力が強いのでどこでも育ち、条件が良ければかなりの大木にまで成長します。
冒頭にも書いたように花粉症や風邪の予防効果があるほか、デトックスや美肌など美容に嬉しい効果もあるエルダーフラワー。
ドイツではこの花をシロップやジュレにしたり、天ぷらみたいに揚げて粉砂糖を振りかけて食べたりするのが初夏の楽しみです。
エルダーフラワーシロップ
まずはシロップのレシピから。エルダーフラワーのシロップは「エルダーフラワーコーディアル」とも呼ばれています。
作り方
- エルダーフラワーの花:10~15房
- 砂糖:1kg
- 水:1L
- ノーワックスのレモン:1個
- クエン酸:15g
材料
エルダーフラワーは花がしっかり開ききったものを使用。つぼみがあると苦味がでるそうです。
また時間が経って茶色くなり始めた花も、香りが悪くなる原因になります。
花は洗わずに使用するので、道路沿いに咲いていたり虫が多い花は使わない方がいいですね。
作り方は以下の通り。
- 虫やごみを取り除き、緑の茎の部分も取り除く
- 鍋に水と砂糖を入れ、砂糖が溶けるまで火にかける
- 砂糖水が人肌くらいまで冷めたらクエン酸を加え、花と輪切りにしたレモンを入れる
- 蓋などをして24時間おいたら、清潔な布巾などで濾す
- 濾した液を火にかけ、沸騰したら火からおろす
- 液が熱いうちに煮沸消毒した瓶などに入れる
茎は全て完璧に取り除かなくても大丈夫。作っているうちから花やレモンのいい香りがして癒されますよ。
楽しみ方
マスカットの様な甘くて爽やかな香りがするシロップは、初夏の飲み物にぴったり。
作ったシロップは次のようにして楽しめます。
- 炭酸水で割る
- 紅茶に入れる
- カクテル「フーゴ(Hugo)」を作る
- ヨーグルトにかける
- お菓子作りに使う
炭酸水や紅茶に入れるときは、好みに応じて量を調節してみてください。私が炭酸水で割る時は大きめのグラスに大さじ2杯入れていて、3杯だとちょっと甘すぎかなと感じます。
またドイツで夏によく飲まれるカクテル「フーゴ(Hugo)」を作ってみるのもおすすめ。
「フーゴ」はワイングラスに以下の材料を入れて混ぜるだけで簡単に作れます。
- ライム:8分の1のくし形に切り、グラスの中に絞った果汁と皮を入れる
- シロップ:大さじ1
- 辛口のスパークリングワイン
- ペパーミント:2~3枚を指で軽くこする
お菓子作りでは生地やクリームに混ぜたり、パウンドケーキを寝かせる前に表面にシロップを塗ったりすると香りが楽しめます。
特にレモンやオレンジ風味のお菓子との相性が良いです。
エルダーフラワージュレ
作り方
- エルダーフラワーの花:10房くらい
- 水:500ml
- レモン:半分
- ジャム用砂糖:500g
材料
ジャム用砂糖はドイツで「Gelierzucker」として売られていて、ペクチンがすでに含まれているので簡単にジャムやジュレが作れます。2:1や3:1など種類がありますが、ここで使うのは2:1です。
手に入らない場合はペクチンで代用し、砂糖も適量(水に対し1:1くらい)加えてください。
作り方は以下の通りです。
- 虫やごみを取り除き、緑の茎の部分も取り除く
- 容器に水と花、輪切りにしたレモンを入れ、24時間おく
- 水を布巾で濾し、砂糖を入れて火にかけ沸騰させる
- 沸騰させたまま3~4分混ぜ続ける
- 熱いうちに煮沸消毒した瓶に入れる
沸騰させる時間は砂糖のメーカーによって微妙に異なるので、パッケージに書かれている説明書きにしたがってください。
楽しみ方
エーデルフラワーのジュレは以下の様な楽しみ方があります。
- パンやパンケーキに添える
- ヨーグルトに混ぜる
我が家では毎朝パンを食べているので、さっそく作ったジュレを塗って食べてみました。爽やかな風味が広がり、甘さの加減もちょうど良い感じです。
あとはシロップと同様にヨーグルトに混ぜるのもおすすめの食べ方。ぷるっとした食感がちょっとしたアクセントになります。
エルダーフラワーのシロップは日本でも買える
エルダーフラワーのシロップは日本でも手に入るので、「どんな味か気になる」という人や「作ってみたいけど花が手に入らない」という人でも気軽に試せます。
特におすすめは、オーストリアの老舗メーカー「ダルボ」のシロップ。材料にこだわり香料や合成着色料を使用しておらず、エルダーフラワー本来の香りが存分に楽しめるのが特徴です。
このほかカフェやバーなどでよく見かける「モナン」のシロップも、手に入れやすい価格帯。
ちなみにダルボとモナンのシロップはドイツのスーパーでも購入でき、我が家にも何本か並んでいます。エルダーフラワー以外にもフルーツやハーブのシロップが色々あるので、お家カクテルをしたい人は要チェックですよ。
エルダーフラワーのシロップとジュレの作り方:まとめ
ヨーロッパでは古くから万能薬として使われてきたエルダーフラワー。シロップもジュレも24時間水につけないといけないので時間はかかりますが、作業自体はとっても簡単です。
作っているうちから良い香りにつつまれ、とても幸せな気分。
炭酸水で割ったりヨーグルトに混ぜたりと様々な使い方があるので、ぜひお家で初夏の香りを楽しんでみてください。