南ドイツ

ドイツ人に大人気のリゾート地 ボーデン湖の見どころ5選

南ドイツ、スイスとオーストリアの国境にまたがるボーデン湖(Bodensee)。

ドイツ人のバカンス先として人気なほか、周辺地域からも多くの人が訪れる一大リゾート地です。温暖な気候の中ワイン生産が盛んなほか、湖畔には情緒あふれる素敵な町々。

私も大好きな場所ですが、日本ではそこまで知られていないのが現状。ドイツの南の端っこというアクセスのしにくさもあり、訪れる日本人も多くはありません。

そこでボーデン湖について少しでも興味を持ってもらえるよう、今回はボーデン湖の魅力が満喫できるスポットを紹介します。

ボーデン湖とはどんな湖?

ドイツ、スイス、そしてオーストリアの国境にまたがるボーデン湖は、長さ63km、幅最大14kmにもなる巨大な湖。

温暖な気候はバカンスにぴったりで、特に夏場は湖畔の町が多くの人々で賑わいます。さんさんと注ぐ太陽に照らされた湖や湖畔のプロムナーデは、どちらかというと地中海の様な雰囲気。「ここはドイツだっけ?」と錯覚するほどです。

またボーデン湖はライン川の通り道。スイス西部のトーマ湖を源流とするライン川は、リヒテンシュタインなどを通って一旦ボーデン湖へ注ぎます。その後湖の西側から再びスイスへと入り、ドイツを北上していくのです。

ボーデン湖の見どころ

ボーデン湖畔には魅力的な場所がたくさん。趣ある旧市街を散策したり、古代の生活様式を体感したりと、様々な楽しみ方があります。

コンスタンツ

ボーデン湖畔で最大の町となるのがコンスタンツ(Konstanz)。ボーデン湖観光の拠点ともなる町で、メーアスブルクをはじめとする各地へはフェリーで行くことができます。

またスイスとの国境でもあるので、ここから徒歩で国境を越えるというヨーロッパならではの体験も。かつてこの場所には金網が張られ、自由に出入りすることはできませんでした。

かつての国境沿い。現在では金網の代わりに、22個の芸術作品が並んでいます。

コンスタンツといえば、有名なのは「コンスタンツ公会議」。教会大分裂を終結させるべく、1414年から1418年にかけて開かれたこの会議は、歴史の授業で勉強した方も多いでしょう。

同会議ではヤン・フスを異端として有罪に処したほか、聖書の英訳を行ったイギリスのウィクリフも異端と断定。彼は既に亡くなっていましたが、なんとお墓を掘り起こして改めて火刑にするというおぞましい事が行われたのです。

そんな公会議が行われた場所は港から目と鼻のさきにあり、現在レストランとして利用されています。

ほかにもコンスタンツ公会議とゆかりのあるスポットといえば、港に立っているインペリア像。大きな胸やスカートからのぞく太ももなど、かなりセクシーな女性の像です。

というのもこのインペリア像、公会議で集まった聖職者の間で絶大な人気を誇り、彼らを操るほどの影響力を持っていた高級娼婦がモデルとなっているのです。右手に皇帝、左手に教皇を乗せ、「男性の性欲を利用して彼らを手玉にとる」姿が表現されています。

ボーデン湖最大の町でありながら、旧市街は落ち着いた雰囲気を保っているのもコンスタンツの魅力です。

 

「花の楽園」マイナウ島

コンスタンツ近郊には、「花の楽園」とも呼ばれているマイナウ島(Insel Mainau)があります。

「花の島」のはじまりは、時の所有者レンナルト・ベルナドッテ伯爵が荒れ果てていた島に手入れをし、花や木でいっぱいの島へと作り替えて一般に公開したことから。島は現在でも彼の子孫であるベルナドッテ伯爵一家が管理しています。

冬以外は常に島が花でうめつくされ、年間を通じて120万人以上が訪れるマイナウ島。春はチューリップ、初夏からはバラ、そして秋にはダリアをはじめとする美しい花々が島を彩ります。

島には花で造られたオブジェがいくつかあり、特にアヒルのオブジェはとってもキュート。

そしてマイナウ島には、咲き乱れる花のほかにも見どころがたくさんあります。

そのひとつが「蝶の館」。湿度約90度、気温25℃~30℃に保たれた温室の中には、アフリカやアジア、中南米から集められた120種類もの蝶が放し飼いされているのです。

見た事もないようなカラフルな蝶があちこちで優雅に舞っている様子は、まさに「蝶のパラダイス」。室内では各所に切った果物も置かれていて、集まった蝶が蜜を吸うようすも間近で観察できます。

蝶のほか、あまり馴染みのない南国の植物にも注目です。

左右対称の構造とピンクを基調とした外観が美しいバロック調のお城は、18世紀に建てられたもの。お城にはこの島を管理するベルナドッテ伯爵一家が暮らしていて、カフェを含む一部が一般に公開されています。

隣の教会では結婚式も挙げることも可能。花の楽園にあるお城での結婚式だなんて、とてもロマンチックですね。

 

先史時代の杭上住居

マイナウ島の対岸のウールディンゲン・ミュールホーフェンという小さな町にあるのが、先史時代の暮らしぶりが分かる「杭上住居博物館(Pfalbautenmuseum)」。

杭上住居というのは今から約6000年前の旧石器時代から青銅器時代にかけ、アルプス山脈周辺の湖畔や湿地、川辺の水上に建てられた高床式住居のこと。丸太で水の底に支柱を打ち、その上に作った住居で先史時代の人々は生活をしていました。

同博物館では当時の住居をそのまま水上に再現され、水の上に家が建っている様子は壮観のひとこと。家同士をつなぐ橋の上を歩きながら、「よく水の上にこんな丈夫な家が建てられるものだ」と感心せずにはいられません。生活や宗教儀式の様子も再現されています。

「僧院の島」ライヒェナウ

8世紀以降にいくつもの修道院が建てられ、9世紀から11世紀にかけてベネディクト会修道院における重要な場所となったライヒェナウ島。10世紀から11世紀にかけては写本文化も花開き、「ライヒェナウの写本」は当時の様子を知る貴重な手掛かりとなっています。

島の見どころは「聖ゲオルク教会」、「聖ペーター・パウル教会」そして「聖マリア・マルクス教会」。特に聖ゲオルク教会には1000年以上も前に描かれた壁画があり、時の経過を感じさせない鮮やかな色彩が見る者を圧倒します。

ライヒェナウ島には他にも野菜畑や果樹園が広がり、その間をハイキングやサイクリングで回るのが個人的におすすめ。ボーデン湖で採れた魚の料理も美味しいですよ。

メーアスブルク

ボーデン湖を隔ててコンスタンツの対岸にある町がメーアスブルク(Meersburg)。

町自体は小さいですが、趣のある旧市街や2つの城、飛行船(ツェッペリン)の歴史を展示するツェッペリン博物館など、見どころが豊富です。

7世紀頃に建てられたメーアスブルク城は、中世好きの方にはぜひお勧めしたいスポット。

その外観もさながら城内にも中世の雰囲気が色濃く残り、つかの間のタイムスリップが楽しめます。人が住んでいる城としてはドイツ最古というのも驚き。

一方すぐ近くにあるもう一つのお城は、バロック様式の華やかな宮殿。コンスタンツ司教の新たな居城として18世紀に建設され、ヴュルツブルクのレジデンツも手掛けたバロックの巨匠、バルタザール・ノイマン吹き抜けの設計を担当しました。

そんな吹き抜けは、城内の見どころのひとつ。ノイマンは光の当たり方までも計算しつくし、暗い廊下から光で満ちたロビーへ続くように設計したのです。

お城の庭から望むボーデン湖もまた美しく、ドイツに居ながら地中海気分を味わえます。

「ツェッペリン博物館」は小さいながらも充実した展示内容。

ツェッペリンは20世紀にフェルディナンド・フォン・ツェッペリン伯爵が発明した硬式飛行船のこと。1920~30年代に旅客船として活躍しましたが、サービスや速度、運賃において飛行機や船にはかなわず、やがて旅客業界から撤退していきました。

飛行船員の制服や食器、カトラリー類など、当時の飛行船内での様子が分かる展示はとても興味深いです。展示品は全てオリジナルというのが博物館の自慢だと、受付のおばさんが語ってくれました。

またメーアスブルクはワイン生産も盛ん。丘の上に州立ワイナリーがあるほか、レストランでも美味しい地元産ワインが味わえますよ。

 

おわりに

ボーデン湖はバカンス先として人気がある一方、有名観光地のように混雑しすぎていないところが魅力。美味しいワインや食事を楽しんだり、旧市街を散策したりしながらのんびり過ごしたいという方にはぴったりの場所です。

今回紹介したスポットへは、コンスタンツを拠点にして訪問するのが便利。コンスタンツには各都市への長距離列車が通っているほか、ボーデン湖各方面へはフェリーが出ています。

ドイツのこんな端っこまでわざわざ出かける人は少ないと思いますが、この記事をきっかけにボーデン湖にも興味を持ってもらえれば嬉しいです。

 

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