寒くて暗いドイツの冬がぱっと華やかになるのがクリスマスの時期。
ドイツでは11月後半あたりから町のあちこちにツリーやライトなどクリスマスの装飾が登場するほか、自宅でもクリスマス雑貨を飾って気分を盛り上げる家庭が多いです。
かくいう私もそんな一人で、ツリーこそないもののアドベントクランツやエルツ山地の「煙だし人形など」を飾りながら、ささやかではありますがクリスマスまでのカウントダウンを楽しんでいます。
町の通りであれ家の中であれ、使っているオーナメントもそれぞれ。場所ごとに飾る人の個性が出ている所が、また面白かったりします。
という訳で今回は、「ドイツでよく見かけるクリスマス雑貨」がテーマ。
別記事「お家でドイツみたいなクリスマスを楽しむ7つのアイデア」でもいくつか触れていますが、そこに登場しなかった分も含めてドイツの定番&私が個人的に素敵だと思うクリスマス雑貨を10個紹介します。
Contents
ドイツでよく見かけるクリスマス雑貨
アドベントクランツ
リースの様な輪のうえにロウソクが4本乗っているアドベントクランツ。第一アドベント(クリスマスから遡って4週間まえの日曜日)から週を追うごとに火を灯し、4本のロウソク全てに火が灯ったらクリスマスがやってきます。
クリスマスカラーである赤やゴールドのロウソクを使っているアドベントクランツもあれば、ピンクや水色のロウソクを使っている物もあったりと種類は様々。飾り方によって雰囲気がだいぶ違ってくるので、作る人の個性とセンスが全面に出るのも確かです。
リース型のほか、横並び型もあります。写真は我が家のアドベントクランツ。
クリスマスマーケットの時期にはマーケットや花屋さんなどで完成品も売られているので、この時期にドイツ旅行したことのある人はお店に並ぶアドベントクランツを見たことがあるかもしれませんね。置くだけで雰囲気がぐんと華やかになる、ドイツのクリスマスの定番アイテムです。
ガラス&木のオーナメント
クリスマスツリーにはガラスや木のほか、藁(わら)で作られたオーナメントが飾られているのをよく見かけます。
ガラスのオーナメントは、真ん丸のガラスボールほかサンタや雪だるま、レープクーヘン人形をかたどった物などもあってとても可愛いらしいです。
特に凝った模様のガラスボールはそれだけでも美しいですが、落とすと割れてしまうので取り扱いには要注意。
ガラスボールはツリー以外にも、花瓶のような透明な容器に入れたりプレートの上などでオシャレに飾られているのをよく見かけます。
木や藁のオーナメントは、どちらかというと素朴でほっこりとした雰囲気。かさ張らないし壊れにくいので、旅行のお土産にもおすすめです。
クリスマスオーナメント
クリッぺ
人形などを使ってキリスト誕生の様子を現した飾りつけが「クリッぺ」。
幼子キリストやマリア、羊飼いなどの人形を並べたもので、クリスマスの時期には教会やクリスマスマーケットの一角で必ずと言っていいほど見かけるほか、自宅でも飾っている人が多いです。
場所によってはこんな等身大サイズのクリッぺも登場します。写真はマインツのクリスマスマーケット。
自宅に飾るものはミニチュアサイズが主。凝る人は毎年少しずつ人形を集めながら、かなり本格的なクリッぺを飾っていたりします。
ピラミッド
「お家でドイツみたいなクリスマスを楽しむ7つのアイデア」でも紹介したピラミッドは、チェコとの国境にあるエルツ山地がふるさと。
下に置いたロウソクからの上昇気流でプロペラが回転する仕組みで、数段ある本格的な物から手のひらサイズまで、大きさも値段もさまざまです。
我が家にあるミニピラミッド。横を通り過ぎた時の風だけでも回転するほど繊細な造りです。
クリスマスマーケットでは巨大ピラミッドが登場する所も多いです。場所によってはピラミッドの下がグリューワインの屋台になっていたり、ピラミッド自体がステージになっているのも見た事があります。
シュヴィップボーゲン
窓辺を飾るシュビップボーゲンもまた、エルツ山地がふるさとの工芸品。
シュビップボーゲンの由来はその昔、鉱夫の多かったエルツ山地の町で夫が無事に帰ってこれるようにと、妻たちが窓辺にアーチ状のキャンドルスタンドを飾った事がはじまりとされています。
窓辺に置かれたシュビップボーゲンに光が灯っている様子は、なんとも優しい雰囲気。冬のドイツは暗くなるのも早いですが、薄暗い中で帰宅する途中に通りの家からシュビップボーゲンの光が見えたりすると何だかほっこりとした気分になります。
ロウソクを置く伝統的なものもあれば、コンセントタイプもあります。装飾が凝った本格的なものは値段が数万円とかなり高額ですが、こういった伝統工芸品を代々引き継いでいくのも素敵ですね。
煙だし人形
エルツ山地関連で最後に紹介するのは、可愛らしい見た目の煙だし人形。お香を中にセットすると、やがて口から煙がモクモクと出てきます。
人形のモチーフになっているのは煙突掃除屋やおもちゃを売る男性のほか、サンタや雪だるま、動物など。大体キセルを持っているか口にくわえていて、本当に一服しているかのように見えるのが面白いです。
火の扱いや汚れが気になるのであれば、煙は出させないで人形として飾るのもアリ。私も夫のおばあちゃんから譲り受けた煙だし人形を持っていますが、木製だしちょっと恐いのでお香を使った事はありません。
エルツ山地のクリスマス工芸品
星型のライト
クリスマスの時期になると、家の中や入り口などに星型のライトを飾る家も少なくありません。
星型ライトで代表的なものが、イガイガした形が特徴の「ヘルンフートの星」。19世紀半ばにチェコやポーランドに近いヘルンフートという町で生まれたもので、ちょっと独特な形は東方の三博士にイエスの誕生を知らせ、ベツレヘムに導いた星を象徴しています。
ヘルンフートの星はクリスマスマーケットや町の通り、教会に飾られている事も多く、クリスマス時期にドイツに来たことがある人なら必ず一度は目にしているはず。
誕生の地とおなじザクセン州のドレスデンでは、聖母教会前に沢山の星が飾られていました。
一方こちらは南西ドイツのフライブルク。派手さはありませんが、この星を見ているとどこか神聖な気持ちにさせられます。
このほか色とりどりの星型ライトも人気なようで、雑貨屋さんやクリスマスマーケットで売られているのをよく見かけます。
星型ライト
電飾いろいろ
ドイツに限らず、クリスマスのイルミネーションに欠かせないもののひとつが電飾。ツリーに飾ったりバルコニーの縁に取り付けたりと使い方は色々ですが、私の近所ではこのほか屋根の縁や窓枠、外の植木に使っている家が多い印象です。
取り付け自体は思っているほど難しくないですし、ちょっとあるだけでも周囲の雰囲気がだいぶ華やかになるのが◎
写真の左に映っているのは、電池式の小さな電飾。テーブルや棚の上などを飾りたい時に便利です。
キャンドルホルダー
普段からキャンドルを灯す人もドイツでは少なくありませんが、クリスマスの時期になると普段に増して色々な種類のキャンドルホルダーが登場します。
クリスマスマーケットにも、写真のようにキャンドルホルダーがずらり。側面に絵が描いてあったり透かしになっているタイプは、ロウソクを灯すと暗い中に絵が浮き上がって幻想的です。
アロマキャンドルを使えば、香りも一緒に楽しめるのでおすすめ。
ランタンタイプも雰囲気があって素敵ですね。
キャンドル関連でいえば、クリスマスの時期には蜜蝋キャンドルも沢山登場します。天然素材なので消した後の嫌な臭いがしないほか、燃焼時間も長いのが特徴です。
見た目が可愛いので、ちょっとした贈り物にしても喜ばれそうですね。
キャンドルホルダー&キャンドル
キャンドルハウス
陶器で作られた家の中にロウソクを入れ、光を楽しむのがキャンドルハウス(ライトハウス)。
ドイツやヨーロッパに実在する木組みの家(イトシュタインのキリンガーハウスやヴェルニゲローデの市庁舎など)をかたどった物もあり、ついつい色々集めたくなります。
私が持っているのはカフェと駅のキャンドルハウス。以前は毎年1個ずつ買い足して小さな町を作ろうなんて思っていましたが、さすがに置き場所に困るので最近は買っていません。キリンガーハウスとか欲しいんですけどね。
中に光を入れると、小人の家に光が灯っているみたいでとてもキュートです。
火の扱いが心配な場合は、電池式のロウソク型ライトを使ってもいいですし、実際私もそうしています。
キャンドルハウス
ドイツでよく見かけるクリスマス雑貨:まとめ
ドイツのクリスマスを彩るクリスマス雑貨。
今回の投稿で気になる物があれば、ぜひ自宅のクリスマスデコに加えてみてください。
お手軽なキャンドルホルダーから数万もする工芸品まで種類もさまざまですが、ドイツっぽい雰囲気を出したいのであればピラミッドやシュビップボーゲン、煙だし人形などエルツ山地のクリスマス雑貨が個人的にはおすすめです。
あまり大がかりな置物は欲しくないという場合は、木のオーナメントをツリーに飾るだけでもまた違った感じで楽しめると思います。
今回のテーマはクリスマス雑貨でしたが、お家で過ごすクリスマスがドイツっぽくなるアイデアは「お家でドイツみたいなクリスマスを楽しむ7つのアイデア」で紹介しているので、気になる人はこちらもどうぞ。