結婚して夫の姓を選択した場合に必要な手続きのひとつが、パスポートの氏名変更。
パスポートはドイツに住む日本人にとっての唯一の身分証明書のようなもので、学生証や免許証の氏名変更やビザの申請(または変更)時には必ず必要になります。
新しいパスポートがない事には手続きが全く進まないので、姓が変わったらなるべく早く変更するに越したことはありません。
という訳で、今回はドイツで結婚して姓が変わった後に、現地でパスポートの氏名変更をする手順&必要書類について解説します。
Contents
パスポートの氏名を変更する手順
手順は大まかに次の通りです。
1~3のステップについて、ここから詳しく説明します。
在外公館で婚姻届けの提出
まずは住んでいる地域の管轄になっている在外公館で婚姻届けを提出します。
こちらの手順や必要書類については、「ドイツで結婚後に日本へ婚姻届けを提出する手続き」を参考にしてください。
婚姻届けは結婚から3ヶ月以内に提出する必要があります。
在ドイツ日本国大使館
【所在地】Hiroshimastr.6, 10785 Berlin
【管轄地域】ベルリン、ブランデンブルク州、メクレンブルク‐フォアポメルン州、ザクセン州、ザクセン‐アンハルト州、テューリンゲン州
【ウェブサイト】https://www.de.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
在デュッセルドルフ日本国総領事館
【所在地】Breite Straße 27, 40213 Düsseldorf
【管轄地域】ノルトライン-ヴェストファーレン州
【ウェブサイト】https://www.dus.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
在ハンブルク日本国総領事館
【所在地】Rathausmarkt 5, 20095 Hamburg
【管轄地域】ブレーメン、ハンブルク、 ニーダーザクセン州、シュレスヴィヒ-ホルシュタイン州
【ウェブサイト】https://www.hamburg.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
在フランクフルト日本国総領事館
【所在地】Friedrich-Ebert-Anlage 49, 60327 Frankfurt am Main(メッセタワー34階)
【管轄地域】ラインラント‐プファルツ州、ザールランド州、ヘッセン州
【ウェブサイト】https://www.frankfurt.de.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
在ミュンヘン日本国総領事館
【所在地】Karl-Scharnagl-Ring 7 80539 Muenchen
【管轄地域】バーデン-ヴュルテンベルク州、バイエルン州
【ウェブサイト】https://www.muenchen.de.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
日本から戸籍謄本(抄本)を取り寄せ
婚姻届けを提出すると日本で新姓の戸籍が作られるので、家族などにお願いしてドイツに送ってもらいます。
私の時は新しい戸籍ができるまで1ヵ月くらいかかりましたが、状況によって前後すると思うのであくまでも目安と考えてください。
在外公館で申請
戸籍謄本(抄本)が手元に届いたら、そのほかの必要書類もそろえて在外公館で申請をします。
必要な書類については次項で詳しく解説します。
パスポートの氏名変更に必要な書類
パスポートの氏名変更をする際に必要な書類は以下の通りです。
- 一般旅券発給申請書
- 現在のパスポート
- 戸籍謄本または戸籍抄本(6ヵ月以内に発行されたもの)1通
- 証明写真(4.5cm x 3.5cm)1枚
- 外国語の姓が確認できる書類(婚姻証明書など)1通
申請書は大使館や領事館のウェブサイトからダウンロードできるほか、館内にも置いてあります。
[note title=”参考”] [/note]また外国語の姓を非ヘボン式ローマ字で記載したい場合は、姓のスペルが確認できる婚姻証明書(Heiratsurkunde、Eheurkunde)などの書類が必要です。
「非ヘボン式での記載」については、次項で詳しく解説します。
外国の姓は非ヘボン式ローマ字で記載できる
日本の姓をパスポートに記載する時はヘボン式ローマ字が使われ、「山田」さんだったら「Yamada」のような表記になります。
一方で外国語の姓の表記がヘボン式ローマ字と異なる場合は、申請書の裏面欄にスペルを書くことで外国語表記のまま使う事が可能です。
例えば「シュミット(Schmidt)」というドイツ語の姓なら、ヘボン式で「Syumitto」と書いてしまうと何だか訳の分からない表記になってしまいます。
そこで「Schmidt」のスペルで申請する事で、パスポートにもドイツ語つづりのまま表示されるようになるのです。
姓を非ヘボン式ローマ字で記載したい場合は、綴りが確認できる婚姻証明書(Heiratsurkunde、Eheurkunde)などの書類が必要なので忘れずに持って行きましょう。
「新規発給」と「記載事項変更」はどっちがいい?
パスポートの氏名を変更するには、「新規発給」または「記載事項変更」という2つの方法が選択可能です。
申請方法は同じですが、以下の様な違いがあります。
新規発給 | 記載事項変更 | |
有効期限 | 更新される | 現在持っているパスポートから引き継がれる |
手数料* |
|
49€ |
今持っているパスポートの有効期限や更新に行く手間、手数料など比べてみて、自分に合っている方を選んでみましょう。
*手数料はフランクフルト領事館のものです。在外公館によって微妙に違ってくるので、参考程度に考えてください。
大使館、領事館が家から遠い場合
住んでいる地域によっては、管轄の在外公館であっても家からかなり離れている場合があります。
実際に私の場合も住んでいるのはシュトゥットガルト近郊で、管轄のミュンヘン領事館までは電車で3時間。かなり遠くて申請にも1日がかりです。
そんな遠くに住んでいる人達の便宜をはかるため、各大使館、領事館によっては「郵送」による申請や「出張領事」での受け取り、1日で発給できる「1日発給」などのサービスを行っています。
内容や申請方法、必要書類はそれぞれ異なるので、管轄地域の在外公館ウェブサイトから確認してみてください。
郵送で申請できる所でも、受け取りでは原則として本人が出向く必要があります。
ミュンヘン領事館ではシュトゥットガルトやハイデルベルクへの出張領事も行っていて、事前に申請したパスポートをそこで受け取る事も可能。この地域に住んでいる人は覚えておくと便利です。
ドイツでパスポートの更新手続き:まとめ
ドイツでパスポートの氏名を変更する時は、日本から戸籍を取り寄せたりするので思った以上に時間がかかります。
そのうえ新姓のパスポートがないと、ドイツの免許証更新など事務手続きが先に進まないので、なるべく早めに手続きをしてしまいましょう。
特に国際結婚で姓が変わる場合はビザ申請で新姓パスポートが必要になるので、パスポートの更新が遅れるとかなり厄介です。
またパスポート更新に必要な書類や手数料は変わることがあるので、ここでの内容を参考にしながら管轄の在外公館ウェブサイトでも一度確認する事をおすすめします。