500年の歴史 中世の町ローテンブルクのクリスマスマーケット

ロマンチック街道の町ローテンブルク。絵葉書に描いたような中世の街並みが美しく、日本人にも人気がある町のひとつです。

そんな街並みがいつにも増して輝くのがクリスマスの時期。クリスマスマーケットはもちろん町じゅうの至る所にクリスマスの装飾がほどこされ、訪れる者をメルヘンへの世界へと誘います。

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500年の歴史を誇るローテンブルクのクリスマスマーケット

ローテンブルクのクリスマスマーケットは15世紀には既に始まっていたという大変歴史のあるもの。500年以上たった今でも、その様子は当時とほとんど変わらないまま続いているのだそうです。

市庁舎前の広場には巨大なツリーが立ち、広場をぐるりと囲むようにしてお店が並びます。派手さはないですが、歴史ある街並みが光り輝く様子はメルヘンそのもの。小ぢんまりとした町ながらの温かみを感じるクリスマスマーケットです。

市庁舎裏にある細い通りもお店が並んでいて、ここにはキリストの生誕を再現した像である「クリッぺ」も飾られているので、お見逃しなく。クリッぺも町ごとに雰囲気がだいぶ異なるので、色々な町を巡る方は見比べてみると面白いですよ。

手動オルゴールを奏でるサンタ。生身のサンタが登場するクリスマスマーケットも珍しいかも。

またこの町のクリスマスマーケットは、ライテレスマルクト(騎士の市)という名前がある様に「騎士」がテーマ。市庁舎にも騎士の画が掲げられています。

初日の開催式では騎士が観客の前に登場するというパフォーマンスもありました。騎士に扮していたのは、夜に「夜警」のガイドツアーを行っているおじさん。

クリスマスマーケットといえばグリューワインですが、グリューワインのカップにも騎士が描かれています。カップのデポジットは1.50€で統一されていて、お店ではなく会場に数か所ある共通の返却口へ返却するシステムです。

町全体がクリスマスムード一色

冒頭でもお伝えしたように、この時期のローテンブルクは町じゅうがクリスマスムードに包まれています。中世の街並みでクリスマスのイルミネーションが輝く様子は、まさに絵本の世界にいるよう。

なかでも通りゆく人々が足を止めていたのが、クリスマス雑貨を扱う「ケーテ・ヴォールファート」の前。

このお店のの周辺はいつ来ても可愛いのですが、クリスマスの時期はキラキラ輝くイルミネーションが施され、普段にも増してメルヘンチックになります。

お店の前に停められたバス。こんなメルヘンなバスが止まっていても違和感を感じさせないのは、おそらくローテンブルクだけでしょう。

マルクト広場からプレーンラインへと続く道。日が暮れると軒先の小さなツリーが輝きはじめて、なんともロマンチック。

ロマンチックな夜とは打って変わり、日中に姿を現すのは歴史情緒あふれる街並み。

ローテンブルクでは頭上に掲げられている鉄細工の看板にも注目してみてください。看板でありながら芸術作品のような美しさで、町の景観にうまく溶け込んでいるのです。

市庁舎の塔から町を望む

ローテンブルクの市庁舎には塔があり、上まで上って町を眺めることができます。クリスマスマーケットの開催時期は塔の営業時間が通常より延長されるので、イルミネーションが輝く街並みを上から見下ろすチャンス。

塔は写真の左に写っている白い建物ですが、入り口は市庁舎の正面です。内部の階段はだいぶ狭いほか、最後はほ「はしご」のようなところを上るので、なるべく軽装で出かけましょう。

上から望む街並みは、おもちゃの家が並んでいるかのようなとても可愛らしいもの。

ひときわ輝いていたのは、やはりケーテ・ヴォールファートの前。例のバスもミニチュアみたいですね。

市庁舎の塔 営業時間(クリスマスマーケット開催期間中)

10:30~14:00、14:30~18:00(金・土は19:00まで)

 

ローテンブルクで味わいたい名物

ローテンブルクに来たら一度は味わってみたいのが、シュネーバル。生地を丸めて揚げたお菓子で、名前は「雪玉」の様な見た目に由来しています。

シュネーバルは町のあちこちにある専門店やパン屋、カフェで食べられるほか、クリスマスマーケットでも販売されています。粉砂糖をまぶしたものがオリジナルですが、シナモンシュガーやチョコがけのほか、中にチョコクリームが入っている変わったものまで種類は様々。

整然と並ぶシュネーバルはどこか画になる。お店のディスプレイもこの時期はクリスマス仕様になっていて、普段とはまた違う装いです。

ほかにもクリスマスマーケットには、ローテンブルク風ソーセージというご当地ソーセージも登場。人差し指ほどの大きさのソーセージがパンに4本挟んであります。今まさに目の前で焼かれていたソーセージなので、皮はパリッ中はジューシー。

50cmの超ロングソーセージもありました。がっつり食べたい男性向きかと思いきや、1人で食べている女性も多くてびっくり。

ローテンブルクへのアクセス

ローテンブルクへは電車または4月から10月にかけて運行するロマンチック街道バスでアクセスできます。

各都市から電車の所要時間は以下の通りです。

フランクフルト
ヴュルツブルクとシュタイナッハ乗り換えで約3時間

ニュルンベルク
アンスバッハとシュタイナッハ乗り換えで約1時間

ミュンヘン
アウグスブルクとシュタイナッハ乗り換えで約3時間
またはニュルンベルク、アンスバッハ、シュタイナッハ乗り換え

ロマンチック街道バスは、北の起点ヴュルツブルクからフュッセンまで全長350kmを駆け抜けます。実はあまり知られていませんが、バスはフランクフルトが始発または終点になっているのです。フランクフルト空港を利用する方には便利だと思います。

そのほかロマンチック街道バスの詳細はベルトラのウェブサイトに詳しく記載されているので、旅行を計画中の方は参考にしてみてください。

ロマンチック街道バスの詳細

ローテンブルクでのクリスマスマーケット開催期間

ローテンブルクのクリスマスマーケットの開催期間(2018年)は、11月30日から12月23日まで。

お店の営業時間は11:00~19:00(月~木)、11:00~20:00(金~日)となります。

先ほども書いた通り、クリスマスマーケット開催期間中は市庁舎の塔の営業時間も延長されます。ローテンブルクの夜景が塔の上から楽しめるのはこの時期のみなので、ぜひ上ってみてください。

おわりに

歴史情緒あふれる町並みがメルヘンの世界へと変貌するローテンブルクのクリスマス。500年間ほとんどその姿を変えずに続いているクリスマスマーケットでは、小さいながらの素朴な温かみを感じることができるでしょう。

この時期にローテンブルクを訪れる方は、ぜひ1泊してみてください。昼とはまた趣の違う光り輝く街並みを見ながら、ロマンティックなひと時が過ごせるはずです。

 

取材協力:ドイツ観光局

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