先日、ドイツではじめて親知らずの抜歯をしてきました。
抜いた親知らずは横向きに生えたちょっと厄介なもので、通っている歯医者では処置できないので紹介先で抜歯。
私は処置の説明を聞いてるだけで気分が悪くなるほどの怖がりなので、静脈麻酔(全身麻酔のようなもの)を打って寝ている間に抜いてもらいました。
ドイツ滞在中の人は、もしかしたら現地で体験するかもしれない親知らずの抜歯。
今回は治療の流れや静脈麻酔、かかった費用について私の体験をもとに紹介します。
個人の体験談です。
自身が抜歯する際は、術前術後の過ごし方など担当歯科医の指示に従ってください。
Contents
横に生えた親知らずの抜歯
親知らずはドイツ語で「ヴァイスハイツツァーン(Weisheitszahn)」といいます。
抜歯した親知らずは、綺麗なまでに真横に生えていました。
見つけたのは、別の歯の治療でレントゲンを撮った時。このままだと後に他の歯に悪影響を与える可能性があるというとで、抜歯に至りました。
ちなみに、この時点で歯は出てきていなくて、痛みなども無かったです。
抜歯の方法は、「歯肉を切って歯を取り出し、その後に縫合する」という外科手術。
いい年して情けないですが、私は「血」とか「針」とか「切る」みたいな話が本当にダメなんです…処置方法を聞きながら具合が悪くなってしまう始末…
そんな様子を見て先生が、「静脈麻酔で寝てる間に処置することもできるよ」と提案してくれたので、迷わずその方法を選択しました。
静脈麻酔ってなに?
静脈麻酔というのは、その名の通り静脈から麻酔薬を入れる方法。
私みたいに「処置が怖くて怖くてどうにもならない」という人達の不安を和らげるために用いられます。
意識が無くなる点は全身麻酔と同じですが、歯医者さんによると「全身麻酔(Vollnakorse)」とは微妙に違って体への負担が少ないとのこと。
注意点としては以下の様なものがありました。
- 処置の6時間前から絶食
- 処置の2時間前からは透明な液体のみ摂取可(紅茶や水)
- 処置後24時間は1人で道に出てはいけない(運転はもってのほか、歩道もダメ)
- なので1人で帰ってはいけない
絶食の必要があるのは、もし気分が悪くなって戻してしまった時に、嘔吐物が肺に入って機能不全になる危険があるからだそうです。
処置後に1人で帰っていけないのは、麻酔が残っていて道でフラッとなったら危ないから。
実際に私も、朝に処置をしてその日の夜になってから、いきなりめまいがして倒れそうになりました。
1人で帰れないので、誰かに付き添ってもらう必要があります。
抜歯当日の流れ
抜歯の予約は朝にしてもらったので、当日は朝食を抜いて歯医者へ。
まず「手術室の助手」みたいたいで立ちのスタッフに、麻酔の点滴をしてもらいます。
この時が一番緊張していて、しかも腕に針が刺さって管に繋がれているのを見て軽い吐き気がしました。
2人いたスタッフが励ましてくれるも、わたしは「… 怖いです」しか言えず。
そうこうしているうちに、「じゃあ、はじめましょうか!」といいながら先生が登場。
「え⁉まだ全然眠くないんですけど」と内心かなり焦ったのですが、先生かスタッフが点滴の管をいじったらすぐ夢の中へ。
そこからは処置が終わって車椅子みたいなのに乗せられた時、別の部屋に着いた時に一瞬目が覚めましたが、その後は麻酔が切れるまで眠りについていました。
麻酔の関係で、目が覚めてから1時間は院内で安静にしていないといけません。
その後は夫に付き添ってもらって駐車場まで向かいましたが、まだ若干目が回ってフラフラ。さすがにこれじゃ1人で帰るのは危ないわと感じたのでした。
処置後の検診や過ごし方
処置のあとは、2日後にもう一度チェックし、次の週に抜糸。
私の場合はちょっと早すぎるということで、当初の予定日から更に1週間延期されました。
処置当日はお酒は禁止(飲もうという気にもなりませんけどね)。
傷がしっかり治るまでは、タバコと生乳(殺菌していない牛乳)製品、辛い食べ物はダメと注意されました。
運動に関しては3日くらいはしない方がいいですが、その後は様子を見ながら無理のない範囲でしても良いとのこと。
でも傷を治すために力が注がれているせいか、運動したくても数日はパワーが出ないのも確かです。私もやっと軽い筋トレが再開できたのは6日後くらいからでした。
親知らずの抜歯は「病欠」扱い
ドイツでは、親知らずの抜歯が「病欠」扱い。
歯科医で1週間くらいの診断書を出してくれるので、これを会社に提出すれば有給を使うことなくお休みできます。
もちろんお給料が引かれる事もありません。
5日くらいは痛みや腫れで仕事に集中できなくなるので、その間しっかりお休みできるのは有難いですね。
ドイツで親知らず抜歯にかかる費用
公的保険に加入している場合、局所麻酔をして抜歯するのであれば費用は保険で全額カバーされます。
静脈麻酔などする場合は、保険対象外なので自己負担。
なので今回の親知らず抜歯では、静脈麻酔の費用として135€かかりました。
とはいえ加入している歯の追加保険でこちらもカバーされているみたいなので、135€分も戻ってきそうです(いま申請中です)。
処方された薬 イブプロフェン600mg!?
処置後のために、痛み止めのイブプロフェンとマウスウォッシュが処方されました。
イププロフェンは、1錠でまさかの600mg!日本だと1日で600mgまでと言われていますよね。
説明書によると、1日の摂取量は2~4錠(1200mg~2400mg)。日本の2~4倍もあってビックリです。
1回1錠飲んでもいいし、半分に割っても大丈夫とのこと。1錠600mgはさすがに多すぎと思ったので、毎回半分に割って飲んでいました。
マウスウォッシュは傷口の消毒用。処方が特殊であるため、薬局でしか買えません。
マウスウォッシュとか傷に当たったらしみるんじゃ…と心配しましたが、そんなことなくて安心しました。
ちょっとびっくりしたのが、使っていると舌に生えている毛みたいなものが伸びて来て、茶色く変化したこと。抗生物質の長期使用でこうなるらしいのですが、毛が伸びたせいか常にホコリが舌の上についているような感覚があってめんどくさかったです。
痛み、出血、顔の腫れはいつまで続くのか
痛み
抜歯直後はまだ顔が腫れず、麻酔が効いていたので痛みもありません。
朝に処置をし、痛みだしたのは午後から。ものすごく痛いですが、イブプロフェンを飲んだら何事もなかったかのように治まって助かりました。
抜歯から3日目までは痛みがひどかったので、イブプロフェン半錠を朝、午後、寝る前の3回摂取。
4日目はだいぶ良くなって、午後に半錠のみ。5日目にはもう飲まないでも平気でした。
出血
処置当日は出血がたまにありましたが、日が経つにつれて少なくなっていきます。
とはいえ、1週間後でもごくわずかに出血がありました。
顔の腫れ
顔の腫れは当日の夜から始まり、痛みと同じで3日までがひどかったです。
その後はだんだん腫れが治まり、5日目には「よく見ないと分からない」という程度まで戻りました。
抜歯が必要なら早めに抜くべし!
「横に生えている」、「歯並びに悪影響」など、いつかは抜歯の必要がある親知らずは早めに抜いてしまった方が良いです。
処置をしてくれた歯医者さんも言っていましたが、若いうちほど傷の治りも早いそうです。
また妊娠を希望している人も早めに抜くのが吉。妊娠中に急に痛くなって抜歯しても、服用できる痛み止めなど制限がでてきます。
それに妊娠中に大丈夫な薬であっても、やっぱり飲むのは心配ですよね…
ドイツでの親知らず抜歯 まとめ
ドイツでの親知らず抜歯について、現地で抜歯するかもしれないという人にだいたいの雰囲気が分かってもらえたなら嬉しいです。
局所麻酔して抜くなら公的保険で全額カバーされているし、診断書も出してもらえるので、滞在中の人はドイツで抜いちゃってもいいんじゃないかと思います。
静脈麻酔はどこでもできる訳ではなく、通っている歯科医で対応できない場合は別の場所を紹介してもらう必要があります。
怖がりの人は「静脈麻酔」の可能性も含めて、かかりつけの歯科医と治療方法をよく相談してみてください。
このほかドイツでの歯のクリーニングについては別の記事に書いているので、こちらも参考にしてみてください。
健康な歯の為にも、年1~2回のクリーニングでしっかりケアしたいですね。