アーヘンやケルンなど、ドイツ西部で始まったクリスマスマーケットのハイライト

いよいよ始まったクリスマスマーケット。ドイツ西部では先週からもう始まり、他の地域より一足早く町がクリスマスムード一色に染まっています。

そんな中、私も早速クリスマスマーケットの取材をしてきました。取材第一弾は、ライン川沿いのリューデスハイムを皮切りに、ベートーヴェンの故郷ボン、モンシャウ、アーヘンときて最後にケルンというコース。

各町の様子は私のツイッターアカウント(@Mops_doitsu)で報告していますが、まだまだ載せきれていない部分も沢山あるのでハイライトとして紹介します。

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リューデスハイムの多国籍なクリスマスマーケット

リューデスハイムのクリスマスマーケットではクリスマス雑貨などを扱う典型的な店に加え、20ヵ国から各国の特産品を扱う店が出店します。

「つぐみ横丁」にあるのはフィンランドのお店。毛皮や毛糸製品など北国ならではの商品のほか、トナカイやハスキー犬のぬいぐるみも並んでいました。

つぐみ横丁を上りきった所にあるのは、存在感抜群のアメリカのお店。見た目からしていかにもアメリカという感じでここだけ雰囲気が異なっていました。ここではアメリカンクッキーといったスイーツ類のほか、通常のグリューワインも販売。写真では見えませんが、店の横には自由の女神も立っています。

ロープウェー乗り場の前にあるのは巨大スノードーム。中にカメラが設置されてずっとサンタを撮影していたのですが、これは一体何なのでしょう。

町の中で一番賑わうのがマルクト通り。グリューワインを片手に歓談する人々の楽しそうな声が響いていました。食べ物系のお店もここに集中していて、薪であぶったサーモンやパンの器に入ったスープなど美味しそうなものが沢山。

美味しそうな匂いの誘惑に負けて私もソーセージをガブリ。ソーセージは種類がいくつかあり、私が好きなのはチーズ入りソーセージ。美味しいですが熱々のチーズが溶けだしてくるので火傷には注意です。

マルクト通りにはクリッぺも飾られています。川の部分は本当に水が流れているという凝った作りでした。隣にはステージがあり、ここで各種イベントやコンサートが行われます。

ベートーヴェンの故郷ボン

ベートーヴェンの生まれ故郷であるボンのクリスマスマーケットは、今年記念すべき50周年目を迎えました。大聖堂のあるミュンスター広場とフリーデンス広場が主な会場。これらの広場を繋ぐ通りもイルミネーションが輝いて、町全体が華やかな空気につつまれています。

ミュンスター広場には巨大ピラミッドとレトロな観覧車が出現し、どこか昔なつかしい雰囲気。会場は想像していたよりもかなり大きく、お店の数もたくさん。前日訪れたリューデスハイムのこじんまりしたクリスマスマーケットとはまた違う印象でした。

観覧車の前にはベートーヴェンの像が立っています。ふだんは広場の真ん中にぽつりと立っているであろうベートーヴェンですが、この時期ばかりは沢山の人々に囲まれて心なしか嬉しそう。

レトロ観覧車を見ながら食べたのは「ゲルムクヌーデル(Germknödel)」というフワフワの蒸しパン。地域によって「ダンプフヌーデルン(Dampfnudeln)」と呼ぶ所もあり、クリスマスマーケットの定番スイーツです。暖かいバニラソースとホカホカのパンが寒い冬にぴったり。

広場脇のデパート、ガレリア・カウフホフには動くシュタイフのぬいぐるみが飾られていました。シーンの演出もぬいぐるみの動きも可愛すぎ。メルヘンの世界というものが本当にこの世にあるのかと感激でした。

ミュンスター広場から北東の場所にあるレミギウス広場には、クリスマスマーケット50周年を記念して展望台「シティ・スカイライナー」が建てられています。その姿から「ボンで一番長いロウソク」とも呼ばれているのだとか。

乗客を乗せた展望台部分は回転しながら上昇し、81mの高さからパノラマを楽しめるのだそう。景色を見てみたいとも思ったのですが、私こういう「作って解体できる系」のアトラクションってダメなんです…もちろん安全なはずですが、どこか心の奥で信用しきれなくて、移動遊園地の乗り物とかも絶対乗れません。

フリーデンス広場ではピラミッドがコンサートステージになっていて、パフォーマーが往年のヒットソングで会場を盛り上げていました。周りにいる人たちも自然に体が動いてノリノリ。伝統的なクリスマスソングが流れるのも素敵ですが、こんな屋外ディスコみたいな雰囲気も悪くないと思ったのでした。

「アイフェルの真珠」モンシャウ

「アイフェルの真珠」と異名がつくほどの美しい町モンシャウ。滞在中は小雨が降ったり止んだりというあいにくの天気でしたが、小さな町ながらのぬくもりを感じるクリスマスマーケットが楽しめました。

モンシャウは木組みの街並み自体がすでに美しいので、そこにクリスマスマーケットが立つことで一層メルヘンチックになります。昼間は可愛らしい街並みが楽しめますが、可能であれば夜までの滞在がおすすめ。

というのも、夜になり周囲に灯りがともり、あたり一帯が幻想的な世界へと大変身するのです。

マルクトのクリスマスマーケットは大きなツリーを囲むようにしてお店が並び、背後には管楽器の生演奏が厳粛に響き渡ります。これぞドイツの伝統的なクリスマスマーケットという貫禄のようなものを感じ、胸の奥がジーンとしてしまいました。

通りに並ぶ建物のイルミネーションも、夜になると一層輝きが増していました。

モンシャウのクリスマスマーケットは毎日開催ではなく、金~日曜のみとなるのでご注意を。

欧州ベスト10に入るアーヘンのクリスマスマーケット

オランダとベルギー国境の近くにある町アーヘン。世界遺産第一号として登録されたアーヘン大聖堂のほか、歴史情緒のある街並みが古都と呼ぶにふさわしい町です。

そんなアーヘンで開催されるクリスマスマーケットは、ヨーロッパでトップ10に入るほどの美しさ。

大聖堂と市庁舎を囲むようにお店が並ぶ様子は、賑やかでありながらもしっかりドイツらしい趣があって素敵でした。

市庁舎の入り口部分からは会場を上から見渡すことができます。長めがいい割にあまり人がいないので、ちょっとした穴場。

そんな市庁舎ですが、会場の背後でおぼろげな光に照らし出されている姿が何とも幻想的でした。まるでディズニー映画に登場するお城みたいと思っていたところ、かつては宮殿として使用されていたこともあったと聞いて納得。

ちなみに市庁舎内部では、重厚かつ立派な部屋の数々や神聖ローマ皇帝の戴冠式が行われたホールを見学できます。

また、アーヘンの名物といえば「プリンテン」というお菓子。市庁舎の前には大きなプリンテンの人形が飾られているほか、クリスマスマーケットでもプリンテンが販売されています。

プリンテンはレープクーヘンにも似ていますが、プリンテンが各地に広まる過程で進化を遂げた物がレープクーヘンになったと言われています。町の中には老舗のプリテン屋さんがいくつもあって、創業以来の秘伝のレシピでプリンテンを作り続けているのです。この時期はお店のディスプレイもクリスマス仕様でとっても華やか。

さらにアーヘンにはフランスのような繊細なケーキのあるオシャレなカフェも多く、店内ではここがドイツだという事を一瞬忘れそうになります。

スケート場も出現するケルンのクリスマスマーケット

最後に紹介するのはケルンのクリスマスマーケット。ケルンは市内の数ヵ所でクリスマスマーケットが開催されますが、特に印象に残っているのは大聖堂、アルトシュタット、ホイマルクトの3ヵ所です。

大聖堂横のクリスマスマーケットでは、夜にライトアップされた大聖堂とツリーの組み合わせが圧巻の美しさ。世界最大のゴシック建築というだけあり、圧倒的な貫禄と美しさで周囲の人を魅了していました。

アルトシュタットのクリスマスマーケットは、「ハインツェルメンヒェン」という小人の妖精がテーマ。ハインツェルメンヒェンはグリム童話のひとつで、大工や肉屋、裁縫の仕事ができる小人が人々が寝静まった夜中に現れ、やり残してある仕事を仕上げてくれたという話。

会場のあちこちに小人のモチーフが散りばめられている様子はメルヘンそのもの。子供はもちろん大人も童心に戻って小人の世界にどっぷり浸ることができます。

グリューワインのカップにも小人が描かれています。丸っこい形が可愛いですね。

こことホイマルクトではお店の造りもなかなか凝った所が多かったです。背後に見えるのは市庁舎の塔。私はちょうど夕方6時にここにいたのですが、塔のカリヨンがクリスマスの曲を奏でていて、周囲の風景も相まってそれはそれはロマンチックでした。

ホイマルクトのクリスマスマーケットにはスケートリンクとカーリング場が出現。夜になってリンクがムーディーにライトアップされるなか、皆たのしそうに滑っていました。そしてドイツ人はスケートの上手な人が多くてびっくり。

またケルンのクリスマスマーケットで印象的だったのは、他では見ないようなオシャレなお菓子の店が多いという点。ドイツ西部でフランスにも近いからでしょうか。特にアルトシュタットでは実際に作っている様子を見せてくれるお店も何件かあり、出来たてや作っている途中のお菓子を味見させてくれたりしました。

レトロで可愛いファッジのお店。ここでも作っている途中のファッジを味見させてくれて、暖かくて柔らかくて甘い食感がなんとも言えない幸福な味わいでした。

おわりに

今回訪れた5つの町では、出店している店は似たようなものがあったりする一方、全体的な雰囲気は行く町ごとに全く違っていました。

どこも素敵でしたが、個人的に一番だと思ったのはケルンのクリスマスマーケット。日が暮れた後のイルミネーションの美しさは、ケルンのものが一番感動しました。あとケルンのお店の人は相手から気さくに話しかけてくれる人が多く、一人で寂しく取材をしていた私には人間の心の温かさみたいなものが染み入りました。

今後はローテンブルクやヴュルツブルク、そしてドレスデンをはじめとする東地域を訪れる予定です。ツイッターでも随時報告するのでお楽しみに。

 

 

 

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