フランクフルトから日帰りで!真っ青な教会があるマインツ

ライン川のほとりにある町マインツ。近くのリューデスハイムに観光客を持って行かれがちですが、威厳を称える大聖堂や内部が真っ青な教会、この町で生れたグーテンベルクの博物館など、ここならではの魅力も沢山あります。

私が以前住んでいた町からも近く、よく出かけていた場所でもあります。日本から家族が友人が来たときも、まず遊びにいくのがマインツでした。

フランクフルトからも電車で40分ほどとアクセスが良く、日帰り旅行にもぴったり。今回はそんなマインツを1日で満喫できるおすすめスポットを紹介します。

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マインツはどんな町?

マインツの歴史が始まるのは、はるか2000年ほど前のこと。マイン川がライン川に合流するこの地に、古代ローマ人たちが軍事拠点「モゴンティアークム」を築いたのが町のはじまりと言われています。

中世には町に司教座が置かれ、宗教都市として発展。マインツ大司教は神聖ローマ帝国内でも特に大きな権力を持っており、神聖ローマ皇帝を選出する7人の選帝侯のうちの1人でもありました。

その影響かは分かりませんが、町の中には教会も沢山。ライン川からかかる橋の上からマインツを眺めると、いくつもの教会の塔が空へ向かって伸びている光景がみられます。

また活版印刷技術を発明したグーテンベルクもこの町の出身。彼の発明した技術が中世の出版業界に与えた大革命については、歴史の授業で勉強した方も多いと思います。

そしてマインツで忘れてはならないのが、毎年2月頃に開催されるカーニバル。ケルンやデュッセルドルフと並ぶ大規模なカーニバルが開催され、仮装した人々が飲んだりはしゃいだりと大騒ぎしながら春の訪れを祝うのです。

マインツがカーニバルの町であることを象徴しているのが、「カーニバルの噴水」。何体もの愚者が噴水にくっついていて、カーニバルの楽しさが伝わってくるようです。カーニバルの期間には来れないけど雰囲気だけでも味わいたいという方は、ぜひ訪れてみてください。

中は真っ青!シャガールのステンドグラスがあるシュテファン教会

カーニバルの噴水がある広場から坂道をどんどん上がっていくと、やがてシュテファン教会にたどり着きます。内部が真っ青という幻想的な世界を体験できることから、ここを訪れる観光客も後を絶ちません。

教会の中に入ると、そこに広がるのは海の中にいるかのような真っ青な世界。その青色のせいか、ここが教会だという事を忘れそうになるほど、不思議な心地よさが身体を包み込みます。

この青い世界を作り出しているのが、シャガール作のステンドグラス。教会前方に飾られている9枚のステンドグラスには、彼が得意とした深みを帯びた青色を巧みに使用し、聖書に登場する人物や出来事が描かれています。

その吸い込まれるような青い世界からは目が離せないほど。またこれらのステンドグラスは、1985年に亡くなった彼の遺作でもあります。

運が良ければパイプオルガンの練習が行われいることも。青い世界とパイプオルガンの音色が相まって、より幻想的な空間が体感できます。

教会内部のほか、美しい回廊もお見逃しなく。しんと静まり返った回廊を歩くだけで、どこか心が洗われるような気分になりますよ。

マインツのシンボルでもある大聖堂

町の真ん中にあるマインツ大聖堂は、ケルン大聖堂、トリーア大聖堂とならぶ「ドイツ3大大聖堂」のひとつ。ライン川沿いに建つロマネスク建築の代表作であるほか、バロックやゴシックの要素も取り入れられています。

大聖堂は975年に大司教ヴィリギスの就任とともに着工が始まり、完成後は1009年に火災で焼失。その後は再建や度重なる改修を経て現在の姿へとなりました。堂々とした外観は、かつての大司教が手にしていた権力の大きさを誇示しているかのようでもあります。

装飾を控えながらもどっしりとした内装は、ロマネスク様式ならでは。重量感のある柱が上へ伸びている様子からも、力強さが感じられます。

建物自体の装飾は質素ですが、至るところに豪華な祭壇が飾られています。

ステンドグラスはキリストやマリアをモチーフにした「中世的」なものではなく、絵柄もシンプルなもの。下の部分には聖人の代わりにマインツを治めた歴代司教たちが描かれています。

大聖堂付属の博物館に展示されているのは、かつて大聖堂に飾られていた初期ゴシック様式の貴重な彫刻や宗教画など。宗教美術に興味のある方は必見です。

また大聖堂前の広場では火、金、土曜日の7~14時にかけてマルクトが開かれます。この地域で造られたワインやはちみつ製品なども並ぶので、面白いお土産が見つかるかもしれません。

木組みの家がならぶ「キルシュガルテン」エリア

大聖堂の南側に広がる「キルシュガルテン」というエリアには、15~18世紀に建てられた可愛らしい木組みの家が並びます。

マインツは町全体としてはどちらかというと現代的ですが、このエリアでは中世へタイムスリップしたかのような風情ある街並みが特徴です。

目抜き通りであるアウグスティーナ通りにはショップやレストラン、カフェが並び、天気のいい日は通りに面したテーブル席がほぼ満席。路地を入ったシェーンボルン通りやカプチーナ通りにも素敵なレストラン、カフェや小さな可愛いショップがあり、ぶらぶら歩くだけでも楽しいところです。

アウグスティーナ通りにあるアウグスティーナ教会へも、ぜひ足を運んでみてください。その豪華絢爛な装飾に皆さんもびっくりするはず。

教会へ入ったときの第一印象は「ど派手な教会」。ですが細部をよく観察すると、ロココ様式のほか新古典主義の要素を取り入れた内装からは、高貴な城のような優雅さも感じられます。

グーテンベルク博物館

活版印刷術を発明したグーテンベルクはマインツ出身。彼の生誕500年となる1900には、その功績を称えるべくグーテンベルク博物館が設立されました。

館内にはグーテンベルクが発明した活版印刷機や、彼が印刷した西洋発の印刷聖書となる「グーテンベルク聖書」などが展示されています。また世界各国における印刷技術に関する展示もあり、なかなか興味深いです。

古い活版印刷機での実演も行っているので、見たい方は事前に時間をチェックしておきましょう。

クリスマスマーケットもおすすめ

あまり知られていませんが、マインツはクリスマスマーケットも素敵。会場となる大聖堂横の広場では頭上一面にライトが灯され、まるで星が降っているかのような幻想的な世界を演出します。広場を囲むルネサンス調のファサードなど、町の風景がイルミネーションとうまく調和しているのがマインツのクリスマスマーケットの特徴ともいえるでしょう。

なかでもマインツらしいのが、「マインツェルメンヒェン」というマスコットが乗っている巨大ピラミッド。「マインツェルメンヒェン」というのはマインツに本拠地を置く第二ドイツテレビ(ZDF)のキャラクターで、天気予報のときに登場するお茶の間の人気者です。

クリスマス雑貨はもちろん、豚の丸焼きをはじめとするグルメも豊富。ワイン醸造が盛んな地域なので、醸造所がグリューワインのお店を出しているところも多いです。

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マインツへのアクセス

マインツへはフランクフルトから最短30分で来れるので、日帰り旅行に最適。また見本市期間中でフランクフルトのホテル代が高騰している時は、マインツや近くのヴィースバーデンに宿泊するのもひとつの手です。

駅は町の西側にあります。観光スポットの集まる中心部へはバスやトラムで移動してもいですし、徒歩でも十分歩ける距離です。駅前のバス乗り場は各方面へ向かうバスやトラムの発着数が多いので、どれに乗ればいいか分からない時は歩いてしまったほうが早いかもしれません。

電車、バスを利用した場合、各都市からマインツまでの所要時間は以下の通りです。

フランクフルト
電車:30~40分

ヴィースバーデン
電車:10分

リューデスハイム
電車:50分(ヴィースバーデン乗り換え)

ケルン
電車:1時間20分~1時間40分(直通またはフランクフルトなどで乗り換え)
バス:3時間10分

 

おわりに

小さい町の中にみどころが詰まった町マインツ。フランクフルトやケルンからも日帰りで行ける距離にあるので、これらの都市に滞在予定の方はぜひマインツへも足を運んでみてください。

今回紹介しませんでしたが、マインツにはほかにも個性的な教会が沢山あります。教会の建築に興味があったり、教会巡りをしてみたいという方にとっても訪れる価値のある町です。ただ教会には祈りを捧げに来ている信者の方もいるので、彼らの妨げにならないよう心遣いを忘れずに。

マインツの周辺にある見どころとしては、ライン川観光の拠点となるリューデスハイムや、中世の趣が残るヴォルムスなど。2つの町については別記事で紹介しているので、興味のある方は読んでみてください。

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