体調不良やケガなど、ドイツに住んでいれば医者にかかる機会は何度となくやってきます。
そこでまず知っておきたいのが、ドイツの「ホームドクター」制度。
ドイツには「ホームドクター」という医者がいて、何か不調がある場合はまずここで診察を受けるようになっています。
皮膚科や整形外科などに直接行っても、「まずはホームドクターに行ってください」と言われることがほとんど。
なので移住や引っ越しの際は、何かあった時にすぐ行けるよう、早めにホームドクターを見つけるに越したことはありません。
そこで今回は、ドイツでのホームドクターの探し方やかかり方について解説します。
ドイツのホームドクター制度
ホームドクターは、ドイツ語では「ハウスアルツト(Hausarzt)」。
なにか体に不調がある時は、まずホームドクターに診てもらいます。そこでさらに精密検査などが必要な場合は、紹介状をもらって専門医へ行くという流れです。
冒頭でも触れたように、直接専門医へ行っても受け入れてもらえない事がほとんど(例外もあり)。
実際に紹介状をもらって予約の電話をすると、「ホームドクターは誰ですか?」と必ず聞かれます。
例外であるのは、歯医者や婦人科。こちらはホームドクターを介さずに直接予約して大丈夫です。
ホームドクターも診療所が小さかったり患者数が多いなどの理由で、一時的に新規患者を断っている可能性もあります。
なので怪我や体調不良になったときに慌てないよう、早めにホームドクターを探しておくのがおすすめです。
ホームドクターの探し方
ホームドクターの探し方は、例えば以下のような方法があります。
- 病院検索のサイト「jameda」を使う
- グーグルで検索する
- お隣さんや近所の人に聞いてみる
jamedaは地域と探したい医者を入力して検索ができるサイト。利用者の口コミも載っているほか、医者によってはこのサイトからオンラインで予約ができて便利です。
私もホームドクターに限らず、歯医者や婦人科を探す時はこのサイトを利用しました。
探したい医者の欄には「Hausarzt」や「Allgemeinarzt」と入力してください。
グーグルでも同じように入力して検索できます。
このほか、お隣さんに会ったときに「ホームドクター探してるんですけど、どこか知りませんか?」と聞いてみるのも良いと思います。
ホームドクター選びで確認したいこと
ホームドクターを探している時に最低限確認したい事は以下の2つ。
- 通いさすさ
- 口コミ
通いやすさはかなり重要!怪我や病気で体が辛い時に行く場所なので、なるべくストレスなくたどり着ける場所にした方が良いです。
出来れば徒歩圏内がいいですが、難しい場合でもなるべく近い場所にしましょう。
そして口コミチェックも忘れずに!
読んでいると
- 「待ち時間が長すぎ」
- 「スタッフが親切ではない」
- 「あまり真剣に診てくれないと感じた」
みたいなコメントが出てきます。
あまりにひどそうであればその診療所は避けた方がいいですね。
このほか、診療所のウェブサイトがあればそちらも確認を。初めて行く場所なので、少しでも雰囲気が分かると安心できます。
予約をするのが一般的
ドイツでは病院へ行く際に予約をするのが一般的です。
ホームドクターは予約なしで行っても受け入れてくれる場合がありますが、待ち時間を減らすためにも予約していくのをおすすめします。
それに予約なしの場合、「今日はものすごく混んでる」、「先生がお休み」などの理由で、行っても診てもらえない可能性もあります。
実際に私も予防接種をしに行った時、事前に「予約しないで来ていいよ」と言われたのにもかかわらず、行ったら「今日スタッフが足りないから別の日に来て!」と帰されたことがありました。
なので予約なしの場合でも、無駄足にならないために行く前に電話で確認した方が良いです。
予約方法
予約は電話で行うほか、診療所によっては自身のウェブサイトや先ほど紹介した「jameda」から予約できる所もあります。
電話での予約では、だいたい以下の内容を聞かれます。
- 氏名
- 生年月日
- 以前にその診療所で診察したことがあるか
- 保険証の種類
- 症状
- 希望する診察日
- 連絡先(携帯番号)
これらをドイツ語(または英語)で説明する自信がなければ、誰かに代わりに電話してもらっても良いですね。
また電話での会話が苦手であれば、直接行って予約しても良いかもしれません。電話より直接話した方が理解しやすい場合もよくあります。
診察の流れ
ここでは診断の流れを順を追って説明していきます。
診察へは「健康保険証」を持ってくのを忘れずに!
受付
まずは受付で名前を告げ、健康保険証を提出します。
保険証の確認が済んだら待合室に通されるので、呼ばれるまでそこで待ちます。
待合室に誰かいる時は
- 「おはようございます(モルゲン)」
- 「こんにちは(グーテン・ターク)」
など、何でもいいので挨拶しながら入るのがマナーですよ!
問診表の記入
初診の場合は受付の際に問診票を渡されるので、待っている間に記入します。
項目は住所、電話番号といった基本情報のほか、持病や飲んでいる薬など。
なので持病や飲んでいる薬がある場合は、それらをドイツ語でなんと言うのか事前に調べておきましょう。
記入事項に間違えがないか確認したら、サインをして受付に提出します。
診察
診察室では、まずドクターとがっちり握手(今はコロナの影響でしませんが)してから診察が始まります。
病状を説明して診てもらうのは日本と同じ。ちゃんと説明できるか不安な場合は、あらかじめメモなどしておくと便利です。
英語もドイツ語もムリ!という人は、通訳できる人に同行してもらう方が安心でしょう。
診察後
診察が終わったら、必要な場合は処方箋や診断書、紹介状を出してもらいます。
これはドクターが直接出してくれる場合もあれば、受付で受け取る場合もあります。
診察後は受付へ。書類を受け取ったり、必要であれば次回の予約をしましょう。
これらの必要がなければ、そのまま帰ってOK。
支払いがある場合は、請求書が後から家に送られてきます。
とはいえホームドクターにかかる程度の診察であれば、保険でカバーされている事がほとんどです。
日本のように診察後も手続きを待つ必要はなし。診察後にさっさと帰れてしまうシステムはとても便利です。
ドイツでのホームドクター制度 まとめ
ドイツでは怪我や体調不良の時は、まずホームドクターにかかるのが一般的。
もしものときに慌てないよう、なるべく早いうちにホームドクターを見つけておくと安心です。
探すときは「通いやすさ」と「口コミ」を要チェック。これから長いあいだお世話になると思うので、なるべく評価のいいお医者さんを選びたいものです。
予約や診察で言葉が不安な人は、通訳できる人に助けを借りてみましょう。
そういう人がいない場合は、メモなどを上手に使ってしっかり意思疎通できるようにするのが大事です。
フランクフルトやデュッセルドルフなど、日本人が多い町には日本語で診察できる所もあります。1人で心配ならそちらを利用しても良いですね。
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