週末、家から車で30分ほどの町バート・シュヴァルバッハ(Bad Schwallwach)で4月28日から始まったガーデンイベント「州園芸博覧会(Landesgartenschau)」へ行ってきました。
10月までの開催期間中は、庭園に咲き乱れる花のほか、アルパカなど動物やコンサートなどイベントが目白押し。
そんなガーデンイベントへ早速行ってきたのでレポートします。
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州をあげてのガーデンフェスト「州園芸博覧会」
ドイツで2年に1度開催される連邦園芸博覧会(Bundesgartenschau)を州単位で行うのが州園芸博覧会。
バーデン・ヴュルテンベルク州とバイエルン州では毎年開催されるほか、他の州でも何年かごとに定期的に開催されています。今回訪れたバート・シュヴァルバッハがあるヘッセン州では、だいたい4年ごとの開催です。
開催期間は、どの州も共通で4月の終わりから10月の頭まで。期間中は季節ごとの花をはじめ、ガイドツアーやコンサートなどイベントも目白押しとなり、花の鑑賞以外の楽しみも沢山あります。
バート・シュヴァルバッハの園芸博覧会
今回訪れたバート・シュヴァルバッハの園芸博覧会は、クアパーク(Kurpark)という公園を舞台に開催されます。クアハウスに向かって左右2つのエリアに分かれていて、同じチケットでどちらも入場可。
まずは腹ごしらえ
私達がまず向かったのはクアハウスに向かって左側のエリア。入ってすぐの場所には「ワインの泉」という変わった名前の泉があり、係の人が泉の水を飲ませてくれました。
これが「ワインの泉」。いくつもある注ぎ口のひとつから水をグラスに注いでくれます。酸味があるようなとてもクセのある味は、鉄分と二酸化炭素の含有量が多いからなのだそう。私は最近貧血気味なので、あまり美味しいとは言えない水ですがもう1杯飲ませてもらいました。
泉の水を味わった後は、庭園散策する前に腹ごしらえ。入り口付近にあるスタンドでフラムクーヘンを購入します。
フラムクーヘンは南西ドイツやフランスのアルザス地方の郷土料理。かなり生地が薄いピザを想像してもらえば分かりやすいと思います。写真のようなサワークリームを塗って玉ねぎとベーコンを乗せた物が定番ですが、サーモンやほうれん草など変わり種も色々あります。
そんな変わり種のひとつが、山羊のチーズとオリーブをのせ、はちみつをかけたバージョン。山羊のチーズ大好きな私にはたまりません。どれも生地がサクサクしていて病みつきになりますよ。
食事スペースからは噴水も見え、天気が良いのもありどことなくリゾート気分。
満開のチューリップ
公園で数も多く一番目立っていたのがチューリップ。もう時期も終わりだと思っていたので、こんなに沢山のチューリップがまだ見られるのには驚きでした。
綺麗に列をなして咲いているチューリップ。太陽に照らされた花のひとつひとつは、まるで飴玉のようで美味しそう。
ピンク系も華やかで素敵ですね。
チューリップが群生して咲いている場所も。ビビッドカラーの花は見ているだけで元気がもらえそうです。
日本庭園
日本庭園が造られている場所もありました。本当に小さな庭園ですが、風情があってほかのドイツ人来場者を何人も惹きつけていました。
ちなみに夫は、私の実家や親戚の家で本場の日本庭園を目にしてから、「うちも将来日本庭園を造る」と張り切っています。うちの庭は小さな川も流れているのですが、それも再現したいのだそう。
いつになるかはわからないものの、日本庭園に関しては私も大賛成です。
お墓もガーデニング!?
ガーデニングコーナーでは、テラスや庭の一角で真似をしたくなるようなアイデアが盛りだくさん。
麻などのマットで目隠しをした小さなスペースは、まるで隠れ家みたい。こういう場所でのんびり読書なんかしたらとっても気持ちよさそうですね。というわけでこのスペースは私のお気に入りになったのでした。
お墓もガーデニング。花いっぱいでお墓ではないみたい。私も自分のお墓はこんな風に花で埋め尽くしてほしいものです。
野菜・果物コーナー
花や庭園など見て楽しむものの他に、実用的な畑や果樹園を展示するスペースもあります。ドイツ人は家庭菜園みたいなのが大好き。こういった展示を見て、「次はこの野菜を育てようか」とインスピレーションをもらうのでしょうね。
りんごの木。ドイツにはとても沢山のりんごの品種があり、スーパーで色々なりんごが並ぶ様子はドイツならではです。
ミニゴルフと花
ミニゴルフ場もありました。花壇とゴルフ場が混ざっていて、お花のなかでミニゴルフが楽しめます。
ミニゴルフの手前では、芝生の上でくつろいだりフリスビーなどで遊ぶ人がたくさん。ちょうどジャズのコンサートが行われていたので、私達も遠くから流れてくる音楽を聴きながら芝生の上でしばし休憩をしました。
芝生に沿って、花壇には涼し気な色をした花が植えられています。
動物たち
アルパカや羊など動物もいるほか、大きなアスレチックなどもあり子供が楽しめる要素が満載です。
プステリア牛という、チロル地方のプステリア渓谷が原産の牛。19世紀中ごろには沢山いたものが、今では絶滅の危機に瀕しているのだそう。
アルパカは毛を刈られた後の姿で、どことなくシュール。
また養蜂コーナーもあり、蜂の巣箱の展示がされていました。ドイツは養蜂が盛んで、私の知り合いでも趣味で養蜂をしている人が何人かいます。そしてはちみつの種類も豊富。珍しいところでは菩提樹のはちみつなんてのもあります。
室内展示
カフェの一角で室内展示があり、写真のように花に囲まれながらティータイムが楽しめます。
ここにあるアレンジメントは、どれも色使いが大人っぽいものばかり。ホテルや高級レストランに飾ったら似合いそうです。
会場の外も花がいっぱい
ここまで会場内の様子を紹介してきましたが、花壇の美しさは会場の外も負けていません。
クアハウス向かって左の会場へ向かう道。
美しい花壇を目にして、会場に入る前から期待が膨らみますよ。
バスソルトでおなじみクナイプの像もあります。独自の自然治療法を確立したセバスチャン・クナイプ。バート・シュヴァルバッハは温泉の街でもあり、目の前にあるクアハウスは温泉を利用した治療施設。水治療を発明したクナイプとの縁が深いのも納得です。
2つの公園に挟まれているクアハウス前。
花が隙間なく植えられている様子は、ちょうど昨年の今頃訪れたマイナウ島を思い起こさせるものでした。
会場へのアクセス
残念ながら公共交通機関でのアクセスはあまり良くありません。
町に鉄道が通っていないので、ヴィースバーデンからバスで向かう事になります。ヴィースバーデン中央駅からバス273、274または275に乗り、Kurhaus Bad Schwalbachで下車します。
おわりに
今回初めて訪れた園芸博覧会。マイナウ島のようにそこらじゅうが花で埋め尽くされている訳ではなく、広い公園の中で花壇が点在しているというところは少し想像と違いました。
花がメインだと思っていくと、すこし物足りないかもしれません。とはいえ公園の散策自体も楽しいですし、子供が遊べる場所も多いので家族での訪問にも向いているなという印象です。
10月まで続く博覧会。これから季節ごとにどんな花がみられるのか楽しみです。
ガーデニングに興味が芽生えたら・・・