ベートーヴェン生誕250年 誕生の地ボンで訪れたい見どころ&コンサート

2020年はベートーヴェン生誕250年。

これを記念して、彼の故郷であるボンを中心にドイツ各地で関連イベント、コンサートが開催されます。

ベートーヴェン一色に染まっているボンは、ロンリープラネットが「2020年に訪れるべき世界の旅行先ランキングTOP5」にも選出。ますます注目が集まる町です。

今回はそんなボンで訪れたい見どころ、コンサートを紹介します。

ボンで訪れたいベートーヴェン関連の見どころ

ベートーヴェンハウス

町中心にある通りにひっそりと佇むベートーヴェンハウスは、彼が生まれてからウィーンに移り住むまで22年間暮していた家。

現在は博物館になっていて、音楽博物館としての訪問者数はなんと世界一。直筆の楽譜や楽器、当時使われていた家具など200点以上が展示され、ベートーヴェンがここで暮らしていた日々やウィーン時代の活躍を伺い知ることができます。

また今年は、ベートーヴェン生誕250周年の記念常設展も開設。

このほか「ジョセフシュタイラーのベートーヴェンの肖像とその歴史」、「現代のベートーヴェン」など、5つのテーマに沿った特別展も順次開催されます。

[jin_icon_info color=”#f5a662″ size=”18px”]特別展の詳細(ベートーヴェンハウスのウェブサイト)

ベートーヴェンハウス(Beethoven Haus)

【住所】Bonngasse 20, 53111 Bonn
【開館時間】10:00~18:00
【ウェブサイト】Beethoven-Haus Bonn

 

ベートーヴェン記念碑

町の中心ミュンスター広場で行き交う人々を見下ろしているのは、1845年からこの場所に立っているベートーヴェン記念碑。

設置までにはドイツ語圏で初の音楽学教授となったカール・ハインリヒ・ブライデンシュタインという人物の指揮で「ボンのベートーヴェン記念碑協会」が設立され、ロベルト・シューマンなどが寄付を呼び掛けたことで記念碑建設の資金が集められました。

記念碑が設置された1845年はベートーヴェン生誕75年となり、第1回ベートーヴェン音楽祭が開催された年でもあります。

当時はミサの後に記念碑が披露され、会場にはイギリスのヴィクトリア女王やプロイセン王のヴィルヘルム4世をはじめとする数多くのゲストが集まったのだそうです。

ベートーヴェン記念碑(Beethoven Denkmal)

【場所】ミュンスター広場(Münsterplatz)

 

ドイツ歴史博物館

ドイツ歴史博物館では2020年6月から翌年1月まで、特別展「流行歌と讃美歌(Hits & Hymen)」を開催。

「政治と音楽」をテーマに、フランス革命に影響を受けたベートーヴェン作品についての展示が行われます。

フランス革命とベートーヴェンで真っ先に頭に浮かぶのは、ナポレオンのために作曲された交響曲第三番『英雄』。

ナポレオンへの共感から作曲したものの、完成直後に彼の即位の知らせを受けたベートーヴェンが「奴も自分の野心のためだけに生きる俗者だったか」と憤り、楽譜の表紙を破ったという話はよく知られていますよね。

このほか2018年に反ユダヤ的なグループの受賞で批判を集め、廃止に追い込まれた音楽アワード「エコー賞」など、ドイツにおける音楽と政治の関係についての興味深い展示がされる予定です。

ドイツ歴史博物館(Haus der Geschichte)

【住所】Willy-Brandt-Allee 14, 53113 Bonn
【開館時間】9:00~19:00(火~金)、10:00~18:00(土日祝)
【閉館】月
【最寄駅】Heussallee/Museumsmeile(U16、63、66)
【ウェブサイト】Haus der Geschichte

 

ボン・連邦芸術ホール

芸術・文化・科学にスポットを当てた展示やプログラムを行うボン・連邦芸術ホールでは、4月26日から12月17日にかけて特別展「ベートーヴェン 世界・市民・音楽」を開催。

28歳で耳が聞こえなくなるなど彼の人生における転機と、そこから生まれた音楽を関連付けた展示が行われます。

オリジナルの楽器やオーディオ機器でベートーヴェンの音楽の世界を体感できるほか、作品の中に隠れた彼の自己観や文化背景にも迫ることができるでしょう。

このほかベートーヴェンに関するガイドツアーやワークショップも豊富なので、ベートーヴェンについてもう一歩深く知りたいという方はぜひ参加してみてください。

ボン・連邦芸術ホール(Bundeskunsthalle Bonn)

【住所】Helmut-Kohl-Allee 4, 53113 Bonn
【開館時間】10:00~21:00(火、水)、10:00~19:00(木~日、祝)
【閉館】月
【最寄駅】Heussallee/Museumsmeile(U16、63、66)
【ウェブサイト】Bundeskunsthalle

 

そのほかの見どころ

紹介した以外にも、ボンにはベートーヴェン関連のスポットやイベントが沢山あります。

例えば「BTHVN STORY」はベートーヴェンハウスをはじめとする、ボンのベートーヴェン関連スポットを巡るもの。ウェブサイトにはスポットにまつわる説明もあり、これを参考に彼の足跡をたどるのも楽しそうですね。

[jin_icon_info color=”#f5a662″ size=”18px”]BTHVN STORY(スポットごとに英語の説明があります)

また5月に開催される「ラインの火祭り」も、今年はベートーヴェン生誕250周年の特別バージョンになるそうです。

このほかボン美術館や州立博物館などでも、特別展やワークショップが開催されます。どんなプログラムがあるかは特設サイト「BTHVN2020」から探せるので、興味のある方はチェックしてみてください。

ボンで開催されるベートーヴェン関連コンサート

2020年はコンサートも目白押し。

ベートーヴェン音楽祭は今年だけ特別に3月と9月の2回開催され、ベートーヴェンの作品に特化したコンサートが町の各地で開かれます。

ベ―トーヴェン音楽祭(Beethovenfest)

【開催期間】3月13~22日、9月4~27日
【プログラム】英語版

5月15日には、誕生の地ボンと第2の故郷でもあるウィーンで同時コンサート「Simultankonzert Bonn – Wien」を開催。ボンのホーフ庭園とウィーン市庁舎広場がそれぞれ会場となり、ベートーヴェン・オーケストラの音色が会場に響き渡ります。入場料は無料。

また8月8日にはアカデミー賞・グラミー賞作曲家でもあるタン・ドゥンが、独自にアレンジを加えた「第九」を披露。演奏するのはドイツ国立ユースオーケストラです。

そして12月17日にはアニバーサリーイヤーの締めくくりとして、ボンのオペラ座でウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団による「第九」の演奏が行われます。

ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団は、今なお対立が続くイスラエルやパレスチナ出身者らで構成された楽団。指揮を執るのは楽団の創設者でもあるダニエル・バレンボイムです。

おわりに

生誕250年として、町じゅうがベートーヴェン一色に染まるボン。

イベントやコンサートに参加しながら彼の足跡をたどることで、この音楽家が残した偉大な功績をより強く噛みしめることができるでしょう。

この記念の年に、ベートーヴェンの生まれ故郷であるボンで彼の作り出した音楽の世界を楽しんでみてください。

コンサートやイベントのプログラムはウェブサイト「BTHVN2020」から検索できるので、こちらも参考にしてください。