江戸時代に江戸と京を結ぶ重要な街道だった中山道。道中にはいくつもの宿場町がありますが、そのなかでも街道のちょうど真ん中にあたるこの木曽エリアには11もの宿場町が集まっていました。
今回訪れた奈良井宿も、そんな木曽エリアにある宿場町のひとつ。全長1kmと日本最長を誇る宿場町では懐かしい風景が残り、まるで江戸時代へタイムスリップしたかのような気分に浸れる場所です。
同じ宿場町でも、実は奈良井宿ではなく馬籠へ行く計画を立てていた私たち。ところが松本からだいぶ遠いという事が判明し、急遽近場の奈良井宿へ方向転換したのでした。
旅情あふれる宿場町
奈良井宿に足を踏み入れると、その宿場町独特の雰囲気にだれもが懐かしい気持ちを覚えるはず。実際わたしが訪れたのは今回が初めてでしたが、初めての場所なのに自分の田舎に帰ってきたような気分になってとても不思議でした。
通りには土産物屋さんや食事処、宿などがならぶほか、お寺も点在しています。全長1kmある奈良井宿のちょうど真ん中にあるのが観光案内所。写真では分かりにくいですが、入り口の戸は身長162㎝の私の肩ほどの高さしかなく、かがまないと入れないくらい小さいのです。
訪れたのが平日だったので、観光客の姿もまばら。いたとしてもほぼ外国人でした。海外の方が奈良井宿を知っているのにも驚きです(妻籠の方がかなり有名なので)。
すぐそこに難所の鳥居峠を控えていた事から、江戸時代は多くの旅人で賑わっていたと奈良井宿。かつては妻籠と並ぶほど栄えていて、「奈良井千軒」なんて言われていたのだそうです。
旅情をそそるお店がいくつもあり、ついつい中に入ってしまいます。
長泉寺では、立派な「龍の大天井画」を見ることができます。運が良ければモフモフした猫ちゃんがお庭でお出迎えしてくれますよ。
通りには水飲み場がいくつもありました。かつては旅人の喉を潤してきた水場。現在では水は飲用や洗い物などに使用するほか、集まった利用者が世間話や情報交換をするなど、コミュニティー内における重要な場所でもあるのです。
その他の見どころ
奈良井宿には通りのほかにも見どころがいくつかあります。そのひとつが「木曽の大橋」。檜造りの太鼓橋で、橋脚を持たない橋としては日本有数の大きさ。なだらかに見えて、実際に橋を渡ると結構急な造りになっていることが分かります。
この角度からの眺めが、羽田空港にある「日本橋」をどことなく想像させるのでした。
樹齢数百年の杉が並ぶ並木道。今回の帰国で夫希望の戸隠には行けませんでしたが、その代わりに迫力ある杉の大木をあちこちで目にしました。この中山道並木道もそのひとつ。
杉並木を進んで行くと二百地蔵が見えてきます。
これだけの数のお地蔵さまが並んでいると一瞬「ギョッ」としますが、ひとつひとつ見ていくとどれも優しそうな穏やかな顔をしていますね。
奈良井宿で食べたい郷土グルメ
奈良井宿には信州名物の五平餅やおやき、だんごを出すお店がいくつもあります。その中から、観光案内所でおすすめしていただいた「こころ音」という食事処へ行ってきました。
まるで祖母の家に来たかのような佇まいの店内。メニューはお蕎麦をメインに、五平餅や甘味もあります。
私が頂いたのは五平餅セット。五平餅にはごま、くるみの二種類のたれがかけられています。焼いた五平餅の香ばしさがたまらん!さきほどの観光案内所の方によると、お漬物まで全て手作りなのだそう。
夫は山菜蕎麦を頂きました。具だくさんでとても美味しかったとのこと。この2週間の一時帰国で私は残念ながらおそばを食べる機会を逃してしまったのですが、彼は2回も食べたのでした。
アクセス
車で行く場合、塩尻I.Cまたは伊那I.Cから40分ほど。木曽の大橋や駅の近くに有料・無料駐車場がそれぞれあります。
電車の場合、東京方面からは中央本線で塩尻まで行き、そこで中津川行きへ乗り換え。名古屋方面からであれば木曽福島で乗り換えです。
東京や名古屋からであれば日帰りもできなくはないですが、どうせなら松本あたりに泊まって松本観光も併せてしてほしいというのが、出身である私の思いでもあります。松本からだと電車で1時間ほど。お城や城下町、世界的アーティスト草間彌生の作品が展示されている博物館など見どころ満載ですよ!ちなみに草間彌生も松本出身です。
奈良井宿や松本の散策に便利なホテル
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