ライン川とモーゼル川が交わる地コブレンツは優雅な湖畔の町

コッヘムで城祭りを取材した翌日は家へ帰るのみでしたが、乗り換え駅だったコブレンツ(Koblenz)でも少し観光をしてきました。

世界遺産にも登録されているライン渓谷の町コブレンツは、ドイツ西部のラインラント・プファルツ州で第3の規模を誇ります。2000年以上の歴史を持つ古い町で、水運の要所や軍事拠点としても栄えました。

見どころで言えば、モーゼル川がライン川と交わる岬「ドイチェス・エック」が有名。ほかにもライン川の対岸にそびえる要塞や優雅な町並み、今回は行きませんでしたが鉄道博物館、軍事博物館などもあり、意外と見どころが多いです。

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コブレンツへのアクセス

ライン川沿いの主要都市のひとつとなるコブレンツ。フランクフルトとケルンの中間あたりに位置し、電車の本数も多いのでアクセスは簡単です。

  • フランクフルトから・・・約1時間30分
  • ケルンから・・・約1時間

時間もそんなにかからないので、上記の2都市から日帰りで来ることができます。

また、この町を拠点にライン川やモーゼル川沿いの小さな町を散策するのも良さそう。私が前日にいたコッヘムも、コブレンツから1時間の場所にあります。

ほかにもエルツ城への最寄り駅となるモーゼルケルン(Moselkern)へは電車で30分ほど。お城へはそこから1時間半のハイキングかバスを利用します。

エルツ城へのアクセスはこのブログでも書いているので参考にしてみてください。

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ドイツ3大美城】ひっそりと佇む姿が美しいエルツ城

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電車のほかにクルーズ船で来ることもできます。ライン川沿いには歴史ある古城が沢山残っているので、それらを眺めながら向かうのもおすすめ。

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優雅なライン川沿い

ライン川沿いは優雅な雰囲気に包まれ、ただ散歩するだけでも楽しめるエリアです。

整えられた庭とバラ園が美しい選帝侯居城(Kurfürstliches Schloss)。1786年に完成し、ドイツ南西部におけるフランス初期古典主義の最も重要な建物のひとつです。

1850年から1858年にかけては、後にプロイセン王そして第一代ドイツ皇帝となったヴィルヘルム1世もこの居城に住んでいました。

そのエレガントな外観が、バラとまたよく合う。選帝侯やヴィルヘルム1世が住んでいた当時はバラがあったか分かりませんが、こんな優雅な場所に住んでいたら考え方や身のこなしも自然とエレガントになれるかしら…なんて考えるショートパンツにビルケンシュトックといういでたちの私。

素敵な池もあって、水のせせらぎがとても心地良いのでした。

選帝侯居城から川沿いを北(ドイチェスエック方面)へ歩いていくと、やがてプロイセン庁舎(Preußisches Regierungsgebäude)が見えてきました。

1906年に完成したネオロマネスク様式のプロイセン庁舎は、長さ158メートルという横長の建物。正面ファサードには聖ゲオルギオスらの銅像が飾られています。現在は軍事関係の政府機関などが入っていて、内部は公開されていません。

屋根や塔にはシュタウフェン朝時代の要素が取り入れられているそうですが、それがどんなものなのか私にはさっぱり…もっと勉強せねば!

ちかくには過去の洪水水位を示した記録が残されていました。川沿いで景色も素晴らしい一方、大雨などの被害を真っ先にうけるのだなと、これをみながら実感。

さらに歩いていくと対岸へかかるロープウェーがあります。ここをもう少し歩くとドイチェスエックへ行けますが、そのまえに対岸の城塞へいくことに。

ロープウェイで対岸のエーレンブライトシュタイン要塞へ

ライン川の両岸をつなぐロープウェイは18人乗り。私が行った時はタイミングよく、1つのゴンドラを独り占めできました。

チケットはロープウェイ単体のものと、要塞もセットになったコンビチケットがあります。ロープウェイ往復で9.90€、要塞のみが7€、そしてコンビチケットは13.80€なので、要塞も訪れるのであればコンビチケットを買う方がお得。

ゴンドラに乗りこんだらライン川の上を通過して対岸へ。ライン川を真上から見るという機会もなかなかないので、いい体験になりますよ。

ロープウェイ(Sailbahn Koblenz)HP

【稼働時間】9:30~19:00

およそ1000年頃に建てられたエーレンブライトシュタイン城。建設後しばらくしてからトリーア大司教ポポにわたり、その後も拡張が繰り返されました。15世紀にはこちらもトリーア大司教だったリヒャルト・フォン・グライフェンクラウの手により強固な要塞へと変貌を遂げます。

フランス革命期の1795年から要塞はたびたびフランス革命軍に包囲されるようになり、1799年には遂に開城を許してしまいます。1801年には革命軍により爆破されてしまいましたが、その後に再建がされました。

何重にもなっている壁や狭いトンネルなど、「守り」としての城だったことがよく分かる敷地内。

守りがメインだったのでメルヘンさや華やかさは全くありませんが、屈強な城塞好きの方にはぜひおすすめしたいスポットです

お城の庭からはドイチェス・エックが見下ろせます。モーゼル川がライン川に注ぎこみ、言い方を変えればフランスからはるばる545kmを流れてきたモーゼル川の終点でもあるのです。

ほんとうは2つの川の色の違いがはっきり見えるはずなのですが、この日は両方とも同じような色にしか見えませんでした。

ちなみにドイチェス・エックはわざわざ要塞に入らなくても、同じような眺めは別の展望台から眺めることができます。展望台があるのは、ロープウェイの出口から左手に進んだところ。要塞に興味がなかったり時間がない人はこちらだけで十分だと思います。

ライン川とモーゼル川が交わる「ドイチェス・エック」

ライン川とモーゼル川が交わる岬。1216年にドイツ騎士団の拠点が置かれたことと関連して、「ドイチェス・エック」と名付けられました。

岬に立っている立派な像はドイツ皇帝ヴィルヘルム1世。ドイツ統一を成し遂げた功績を称えるべく、彼の死から数年経過した1897年にこの銅像が立てられました。銅像部分だけで14mもある巨大な像です。第二次大戦で破壊されてしまいますが、1993年に再建。

像の背後をぐるりと囲むようにしてあるのは戦後まもなく造られたドイツ統一への慰霊記念碑で、各州の紋章が並んでいます。この頃はすでに東西ドイツが分裂していたので、その哀情を表すべく建てられたのでしょうか。

銅像が立っている台座の部分は展望台のようになっていて、三角形の岬を上から見下ろすことができました。両側に並んでいるのはドイツ各州の旗。

川には遊覧船が頻繁に走っていました。川から望むドイチェス・エックもなかなか迫力ありそうですね。

美しすぎる旧市街

川沿いを散策したら、次は旧市街へ。細い道を入っていくと、カラフルかつ洗練された街並みが続きます。

中でも美しいのが、「4つの塔(Vier Türme)」と呼ばれるこの一角。美しい出窓が4つ並び、この場所だけ独特な雰囲気に包まれていました。建物は1608年に建てられましたが、プファルツ継承戦争中の1688年に破壊、その後再建されたとのこと。

コブレンツの見どころを見ていると、戦争で一度は破壊を経験しているものがほとんど。水運や軍事の拠点だったので、敵にも狙われやすかったのでしょうね。

場所は、マルクト通り、アム・プラン、レーア通り、アルテングラーベンの4つの通りが交わるところです。

ほかにも旧市街には立派な教会がいくつも点在しています。私が訪れた際は日曜だったのでミサがあって見学できませんでしたが、平日行かれる方は中にも入ってみれば面白いかも。

 

以上、コブレンツ観光でした。

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