フランクフルトから電車で30分ほどの場所にある町ゲルンハウゼン(Gelnhausen)。
ガイドブックにも載っていなく日本ではほぼ無名の町ですが、カラフルな木組みの家の街並みが「これでもか!」というくらい楽しめるとても可愛い町です。
木組みの家や中世の街並みが好きな方なら、気に入ること間違いなし!そんなゲルンハウゼンへの町の様子を紹介します。
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ゲルンハウゼンはどんな町?
ゲルンハウゼンの歴史は1170 年、神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世(赤ひげ王)が3つの村を統合して帝国都市を築いたことからスタートします。
町の全盛時代は創設から200年ほどのあいだ。フランクフルトとフルダを結ぶ交易ルート上に位置していた事や関税が免除されていた事から多くの商人がここに定住し、町を繁栄へと導きました。13世紀頃の財力はフランクフルトのそれに匹敵するほどだったそう。
中世にはフス戦争、17世紀には30年戦争に巻き込まれたほか、町では「魔女狩り」が行われ、魔女であると疑われた市民50人以上が犠牲になったという過去もあります。
時は流れて1803年に帝国都市の地位を失ったゲルンハウゼンは、マインツ司教が治めるフランクフルト大公国へ併合。その後は大戦などで町が破壊されることも無く、美しい木組みの街並みが現代へと引き継がれています。
旧市街の見どころ
旧市街の見どころは次の3つです。
旧市街見どころ
- ウンターマルクト
- オーバーマルクト
- マリエン教会
◆ウンターマルクト
駅から旧市街までは徒歩10分もかかりません。しばらくすると、お店の間から教会がひょっこり顔を出しているのが見えてきます。
前方に見える教会を目指して歩いていくとウンターマルクトに到着。カラフルな木組みの家の背後から教会が頭をのぞかせるという、まさに「絵に描いた」ような光景が広がっています。
ここは駐車場を囲むように木組みの家が並んでいて、どこを見ても可愛い光景しか目に入ってこない… ホテルも可愛すぎですが、内装がどんな感じなのかとても気になりますね。屋根の上にコウノトリの模型がいるのにも注目です。
赤い木組みの家があったりパステルカラーだったりと、使われる色も様々。
マルクトの端にはアイスカフェ(写真左)があります。暖かい日はテラス席が気持ちよくておすすめ。マルクトを見渡しながらアイスや軽食が食べられます。
イチゴソースをトマトソースに見立てたスパゲッティの様な見た目で、名前もそのまま「スパゲッティアイス」。ドイツに移り住んだイタリア系移民が考え出したもので、まさに「ドイツならでは」なアイスです。
◆オーバーマルクト
オーバーマルクトでもウンターマルクトと似たような風景が楽しめます。ちょうどこの日は金曜日で青空市が開かれていました。
オーバーマルクトを含め、旧市街の至る所にガス灯風の電灯が。町の雰囲気とマッチしていてとても素敵ですね。
写真の市庁舎の前にはガス灯を灯す人の像が立ち、ガス灯があったころの町の様子を垣間見ることができます。
オーバーマルクトへの通り道ともなる、アイスカフェの横の道ラングガッセ(Langgasse)には、可愛い雑貨屋さんや手作りケーキを出すカフェなどが沢山。木組みの家に囲まれた細い路地は、雰囲気も最高です。
オーバーマルクトからマリエン教会へ続く細い道。こちらも画になります。
◆マリエン教会
町のどこからでも見えるマリエン教会。12世紀に建設がはじまった教会は、時代ごとにロマネスク様式やゴシック様式を取り入れながら増改築がされました。
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内部は一見すると質素な様でもありますが、よく見ると柱などに凝った装飾がされています。
祭壇の裏にはもう一つ部屋があり、ステンドグラスに囲まれた立派な祭壇画が置かれています。まるで神々しい光が放たれているよう。どこか惹きつけるものがあって思わず見入ってしまいました。
皇帝居城
旧市街から少し離れた場所には、町と同じ1170年に建設されたと言われている皇帝居城(Kaiserpfalz)があります。フリードリヒ1世が作らせた居城のひとつで、1180年にはここで最初の帝国議会が開かれました。
現在では建物の一部と城壁が残されているのみ。衰退はすでに14世紀にはじまり、その後30年戦争では町の修復にここの石材を使用したので、城はみるみるうちに無残な姿へと変貌してしまったのです。
残っている建物では中に入り、2階の屋根が無い部分や屋上から外の景色を眺めることができます。
[su_row] [su_column size=”1/2″] [/su_column] [su_column size=”1/2″] [/su_column] [/su_row]美しく整備された庭。上から見ると城壁に囲まれている事がよくわかりますね。
屋上からは庭のほかにも、旧市街方面の街並みが見えます。一番高い塔は先ほど紹介したマリエン教会の塔。その左下にみえる白っぽい三角屋根の塔は「魔女の塔」と呼ばれ、もとはフス戦争で防衛の為に築かれた城壁の一部でしたが、魔女狩り(16~17世紀)の際には魔女であると疑われた市民の牢獄としても使用されていました。
町の反対側にはのどかな田園風景が広がっていました。
ゲルンハウゼンへのアクセス
列車利用の場合、アクセスの拠点となるフランクフルトからはフルダ行きのRE(毎時26分発)で36分、ヴェヒタースバッハ(Wächtersbach)行きのRB(毎時42分発)では48分でゲルンハウゼンに到着します。
車では所要時間40分ほどです。
おわりに
高層ビルが立ち並ぶフランクフルトから少し離れただけで、可愛すぎる木組みの街並みが楽しめるゲルンハウゼン。知名度はほとんど無いので観光客も少なく、のんびりと町の散策ができます。
フランクフルトで時間が余りそうな人や旧市街が好きな人、マイナーな場所に行ってみたい人にはぜひ訪れてほしい町です。