ドイツ旅行を計画している皆さんのなかには、「ビザって要るの?」や「クレジットカードは使える?」、「何を着ていけばいいかわからん!」など、疑問がつぎからつぎへと湧いてくる方も多いと思います。
今回はそんな皆さんの疑問を解消すべく、ドイツ旅行の前に知っておくと便利な基本情報を紹介。ドイツについて学びながら、旅のイメージを膨らませてみてください。
Contents
ドイツ基本情報
まずはドイツという国についての概要です。
【国名】ドイツ連邦共和国
【首都】ベルリン
【面積】約35万7000km2
【人口】約8300万人
【公用語】ドイツ語
【宗教】キリスト教(約60%)ほか、イスラム教、ユダヤ教など
【大統領】フランク・ヴァルター・シュタインマイアー
【首相】アンゲラ・メルケル
【政治】16の連邦州から成る連邦共和制
ドイツの大きさは約36万㎢。地図で見ると多きいように見えますが、約38万㎢の日本よりも国土は小さいです。
人口は約8300万人。ヨーロッパではロシアに次ぐ人口第2位ですが、日本の1億2700万人と比べると結構少ないのが分かります。
日本からのフライト時間
フランクフルト、ミュンヘン、デュッセルドルフへは日本からの直行便が出ています。
直行便でドイツ各都市までのフライト時間は約12時間。逆にドイツから日本へは11時間くらいです。
ヨーロッパの都市を経由する場合は、アムステルダムやウィーン、ヘルシンキなどで乗り換えてドイツ入りします。アムステルダムやウィーン経由だと最短で合計14時間のフライトもあり、所要時間が直行便とそこまで変わらない一方で航空運賃が直行便より安くなります。
アジアや中東経由はヨーロッパ経由より航空運賃が低くなる傾向がありますが、乗り継ぎも含めて20時間を超えることが多いです。なかには30時間以上かかるものもあり、トランジットだけで1日潰れてしまいます(経由地で観光するのもアリ)。
日本とドイツの時差
日本とドイツの時差は8時間。日本の方が8時間進んでいます。
3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まではサマータイムが実施され、時差は7時間に縮まります。
入国審査とビザ
シェンゲン協定に加盟しているドイツ。ヘルシンキやアムステルダムなどシェンゲンエリア内の空港を経由してドイツ入りする場合、入国審査はこれらの経由地で行われます。
入国審査ではパスポートを提示し、審査官の質問に答えます。審査官によっては帰国便のeチケット提示を求められる場合があるので、すぐ出せるようにしておくと吉。出入国カードなどは必要ありません。
ドイツを含むシェンゲンエリア内では、ビザなしで最大90日間の滞在ができます。この90日には、「過去180日をさかのぼって、その中で最大90日」という条件があるので注意が必要です。
たとえばドイツに80日間滞在していったん帰国、一週間後に再びドイツへ行く場合があるとします。ここでは過去180日のうち既に80日分は使ってしまったので、ビザなしでは残り10日しか滞在できません。
パスポートの残存期間
滞在日数と合わせて気をつけたいのがパスポートの残存期間。
ドイツなどシェンゲンエリアへビザなしで渡航する場合、パスポートの残存期間はシェンゲン国を出国する日から3ヶ月以上が必要になります。この条件を満たしていないと航空会社から搭乗を拒否され、ドイツ旅行どころか出国さえできません。
なのでパスポートの残存期間はしっかり確認しておいてください。
気候と服装
夏は短く冬が長いドイツ。4月の頭くらいから気温が上がり始め、6月~9月はじめまでは夏の陽気。そこから短い秋を経て、11月終わりごろからは極寒の冬となります。
ベルリンを例にとると、4月の最高気温は15℃ほど。一番暖かい7月、8月は最高気温が25℃、またはそれ以上になります。冬は寒さが厳しく、最高気温は2℃~5℃くらいまでしか上がりません。
春先は天気が変わりやすいほかまだ冷たい風が吹くこともあるので、風を通さない上着があると便利です。夏は気温が上がっても、空気がカラっとしていて過ごしやすいのが特徴。夏でも朝晩は冷え込む事があるので、長袖の上着が1着あると安心です。
冬はダウンコート必須。石畳は底冷えが厳しいので、靴やブーツは底が厚いものがおすすめです。
このほか季節ごとの気候や服装については「ドイツ旅行の服装 覚えておくと便利なポイント」、特に夏の旅行については「夏のドイツ 旅行での服装と注意点」に詳しくまとめています。
ベストシーズンはいつ?
初めてのドイツで純粋にドイツの街並みを楽しみたいのであれば、おすすめは夏(6月~9月あたり)。
この時期は気候も安定しているほか、日も長いのでたっぷり観光が楽しめます。旧市街のいたる所に花が咲き乱れる様子は、ヨーロッパらしい風情があってとても素敵ですよ。ひとつ前の章でも書いたように、夏と言っても湿度が低く、とても過ごしやすいです。
また美術館巡りやクラシック鑑賞など、目的によってもおすすめの時期は変わってきます。目的別のベストシーズンは下の記事で解説しているので、興味のある方は読んでみてください。
通貨とクレジットカードの普及率
ドイツの通貨は「ユーロ」、補助通貨として「セント」が使われています。
現在ユーロはヨーロッパ19ヵ国で使用されていて、ドイツからフランスやイタリア、スペインなどへ行く場合もユーロのままで大丈夫です。
一方でスイスやチェコ、ポーランドなどは独自の通貨を採用しているので、ドイツからこれらの国へ出かける場合は両替をする必要があります。場所によってはユーロでの支払いが可能な場合もあります。
クレジットカードはホテルのほか大手スーパーチェーン、デパート、ドラッグストアで大体使えるので、お土産など買ったりするには困らないでしょう。レストランでの普及率にはばらつきなあり、カフェでは使えない所も多いです。個人商店やインビスではほぼ使えません。
現地で使い勝手の良いカードブランドはVISAかMastercard。JCBやアメリカン・エキスプレスは加盟店が少ないので、持って来てもほぼ使えません。
電圧とプラグの種類
ドイツの電圧は230V、プラグは「Cタイプ」が一般的です。
日本の電圧は100Vなので、日本の電化製品をドイツで使う場合は変圧器が必要。とはいえ最近のスマホやカメラ、パソコンなどは海外の電圧にも対応していることが多く、旅行であれば変圧器を持って行く必要はないでしょう。
海外対応の電子機器はプラグを差し込むだけで使用できます。
持っている電子機器が海外対応かどうかは、アダプターの表示で確認します。「INPUT」または「入力」の文字のあとに「100~240V」と書いてあればドイツでも使用可能です。
お店の営業時間
ドイツ人は朝が早く、お店も朝早くから営業しています。
スーパーの営業時間は7時~21時(店舗によっては22時)。数は少ないですが、大都市のスーパーだと深夜まで営業している店舗もあります。
町のあちこちにあるパン屋さんは6時頃から営業し、18時ぐらいには店じまいするところが多いです。大きなターミナル駅にあるパン屋さんでは6時前から営業する店舗もあります。早朝に電車で出発する時など、ここでパンを買って朝ごはんにできるのでとても便利です。
ドラッグストアは8時~21時、デパートやアパレルショップは9時半または10時~20時までというのが、おおよその目安です。
ホテルのアメニティー
ホテルのアメニティーは日本ほど充実していません。
4つ星ホテルでさえ歯ブラシがなかったり、シャンプーもボディーソープと共用のものが備え付けてあるだけという場合があります。コンディショナーは置いてない所の方が多いです。気になる方はホテルのレビューなどでチェックしたり、心配なら旅行用シャンプーなどを持ってくると安心です。
有名ブランドのアメニティーを使用するなど、リッチ感がでるのは5つ星ホテルから。
英語はどのくらい通じる?
駅や空港、ホテル、観光地のレストランやお店など、旅行で訪れるような場所ではほぼ英語が通じます。観光地以外の場所でも、ドイツ人は英語が喋れる人が多いです。
旅行では電車を利用する方も多いと思いますが、駅の電光掲示板も英語表記があるので安心。とはいえ、たまに遅延やホーム変更のアナウンスがドイツ語のみだったりするので、何を言っているのか分からない時は近くのドイツ人に聞いてみましょう。ほとんどの人が親切に教えてくれます。
あとは田舎町のバスの運転手だと、英語が通じないこともよくあります。チケットを買う時は、行き先を書いた紙を見せるなどして対応しましょう。
水道水は飲める?
水道水は飲用可能ですが、硬水なのでお腹が弱い方はミネラルウォーターの購入をおすすめします。
ミネラルウォーターはガス入りとガス無しがあります。ガス入りには「Sprudel」や「mit Kohlensäure」、「Classic」などと書かれていて、ガス無しには「Naturell」、「ohne Kohlensäure」といった表示がされています。
微炭酸のミネラルウォーターのには「Medium」と書かれていることが多いです。
またミネラルウォーターにも硬水と軟水があるので注意が必要。有名メーカーで見分けるのであれば、「ボルヴィック」は軟水、「エヴィアン」や「ヴィッテル」、「ゲロルシュタイナー」は硬水です。
トイレ事情
トイレはドイツ語でと「トイレッテ(Toilette)」または「ヴェーツェー(WC)」と言います。
たまにドアに「D」や「H」しか書いていない所もありますが、この場合「D」は女性(Damen)、「H」は男性(Herren)を意味しています。
駅やショッピングセンター、デパートのトイレは有料。1回の料金は20~50セントが目安です。
駅やアウトバーンのサービスエリアにあるトイレは、ゲートが機械式になっていることが多いです。そのほかの場所では入り口にお皿が置いてあったり、掃除のおばさんが料金を徴収していたりします。
レストラン、カフェのトイレは、利用者であれば無料で使用できます。美術館や博物館のトイレも無料なので覚えておくと便利です。
旅行中にどうしてもトイレが見つからない場合は、近くにあるレストランやカフェで使わせてもらう事もできます。その場合はまずウェイターにトイレ利用をしてよいか聞き、50セントほど支払って使わせてもらいましょう。勝手に入っていってトイレだけ使うのは御法度です。
チップ
カフェやレストランでのチップは義務ではありませんが、合計金額の10%ほどをチップとして支払うのが一般的です。
一方で町のインビスやスタバ、マクドナルドといったセルフサービスのお店では、チップの支払いは不要です。
チップはウェイターに直接支払います。席を立つ時に小銭をテーブルの上に置いていくなんてことはしません。
例えば食事代が20€で2€のチップを渡したいとき、22€を渡して「シュティムト ゾー(これで結構です)」といったり、25€を渡して「ツヴァイ ウント ツヴァンツィヒ オイロ ビッテ(22€でお願いします)」と言ったりします。
クレジットカードで支払う場合は、まずチップを含めた合計金額をウェイターに伝えます。するとその金額をカード読み取り器に入力してくれるので、これでチップの支払いも完了です。
治安
ドイツはヨーロッパの中でも比較的治安が良いと言われていて、初めての海外旅行や1人旅の方でも安心して観光が楽しめます。
とはいえ、「人が多い場所では持ち物に気をつける」、「夜遅くにひとりで出歩かない」、「治安の悪いエリアへむやみに近づかない」などの最低限の注意は守る必要があります。
観光客が一番被害に遭やすいのが、スリや置き引き。駅やお祭り、クリスマスマーケットなど、人が集まるところでは特に気をつけましょう。レストランやカフェでは、テーブルの上に置いてある財布やスマホがいつの間にか無くなっていた、という事例もあります。
無料Wifiなどネット事情
ホテルやショッピングセンター、空港、ICEの車内、カフェ・レストランでは無料の公共Wifiが使用できます。町によっては中心部にホットスポットがあるところも。
しかし公共Wifiは電波が弱くて接続しにくい事も多いです。ホテルでも部屋によっては電波がほとんど来なかったりします。また公共のものは使える場所も限られているので、旅行中にはモバイルWifiを持っていく方が安心です。
モバイルWifiがあれば、移動中でも時刻表を検索したり近くのレストランを探したりできるのでとても便利ですよ。
国内の移動方法
ドイツでは各地を電車や長距離バスが結んでいて、公共交通機関での旅行がしやすいです。
電車はドイツ鉄道(DB)のほか、地域ごとのローカル線も走っています。オンラインで早く予約するとチケットがかなり安く買えるので、移動日など予定が決まっているところは事前に購入してしまうのがおすすめ。
長距離バスは格安バス会社の「Flix Bus」が人気です。電車より時間はかかりますがその分コストが抑えられるのが魅力。私もよく利用しますが、車内はトイレやWifi完備で結構快適です。またチケットさえ購入できれば絶対座れるというのもバスのいいところ。
おわりに
ドイツ旅行前に知っておきたい基本情報を紹介しましたが、ドイツの旅行がどんな感じなのかイメージが湧いてきましたか?今回の投稿で、皆さんの疑問が少しでも解決できたなら嬉しいです。
各地の観光情報については「ドイツ観光」のカテゴリーから見ることができます。どこを訪れるかまだ決まっていなければ、ぜひ訪問地選びの参考にしてみてください。