メルヘン街道の町マールブルクでグリム童話の主人公をさがせ!

フランクフルトから電車で1時間ほどのところに、マールブルク(Marburg)という町があります。

マールブルクは、グリム兄弟や彼らの童話とゆかりのある町を結んだ「メルヘン街道」に属する町。町にはなんと、グリム童話に登場するキャラクターのオブジェがあちこちに隠れているのです。

そして木組みの家が並ぶ旧市街も、可愛すぎてたまらん。フランクフルトからのアクセスも簡単なので、フランクフルトに滞在する方にはぜひ足を運んでほしい町です。

今回はそんなマールブルクの見どころを効率よく回るモデルコースや、グリム童話のオブジェが隠れている場所、町へのアクセスを紹介します。

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グリム童話のオブジェ&関連スポットがある場所

町の中にはグリム童話に関連したオブジェやグリム兄弟に関連するスポットをむすんだ、「グリム兄弟の小道(Grimm-Dich-Pfad)」という散策コースがあります。

隠れているオブジェと関連スポットは次の通り。カッコ内は見つかる場所です。

  1. 「漁師とおかみ」の魚(Alter Botanischer Garten)
  2. 「狼と7匹の子ヤギ」から狼と子ヤギの顔(Steinwegの壁)
  3. 「かえるの王様」のかえる(Neustadt、井戸の屋根の上)
  4. 貸出図書館(Reitgasse 7)
  5. 「星の銀貨」の絵画(Universitätskirche 教会の外壁)
  6. 「しらゆき べにばら」から姉妹のレリーフ(Mühltreppe)
  7. 「勇ましいちびの仕立て屋」から7匹のハエ(Marktplatz、市庁舎にむかって左の建物)
  8. 「Haus der Romantik」ロマン主義文化史に関する博物館(Markt 16)
  9. 「赤ずきん」からワインとパンの入ったカゴ(Schloßsteig am Weinlädle)
  10. 「白雪姫」の鏡(Landgraf-Philipp-Straße)
  11. 「シンデレラ」の赤いパンプス(
  12. グリム兄弟からの引用文(Ludwig-Bickell-Treppe、階段の段の部分)
  13. サヴィーニ教授の家(Im Forsthof, Ritterstr. 15)
  14. 「ヘンゼルとグレーテル」のお菓子の家(Luther. Pfarrhof/Kugelgasse)
  15. 町の古地図(Rübenstein 1)
  16. グリム兄弟の下宿(Barfüßerstraße 35)

 

ルートの地図は観光局のウェブサイトからダウンロードできるほか、このあとの「見どころ」にもほかのスポットと一緒に載せてあります。

シンデレラのパンプスなんかはかなり目立つので、探さなくてもすぐに分かりますよ。一方でよく見てないと見逃してしまう物もあるので、全制覇したい方は目を光らせながら歩きましょう。

マールブルク観光の見どころ&所要時間

マールブルクは半日で回れないこともないですが、半日だとかなり駈けあしです。上に紹介した「グリム兄弟の小道」でオブジェを探すほか、お昼を食べたりカフェで休憩したりすれば、あっというまに1日経ってしまいます。

せっかくなので1日滞在して、のんびり散策を楽しんでください。


地図には上に紹介した「グリム兄弟の小道」のスポットを青でマークしたほか、これから紹介する見どころに印をつけてあります。

青:「グリム兄弟の小道」

赤:①旧大学 ②マルクト広場 ③キリアン ④方伯城 ⑤聖エリザーベト教会

町の観光は全て徒歩で可能です。

旧大学

まるでハリーポッターに出てきそうな旧大学(Alte Universität)。13世紀後半に建てられた修道院を基礎にして、1527年この場所に世界最古のプロテスタント系大学が設立されました。

ドイツの大学には、このように大学の建物自体が大変歴史をもっていることも多いです。大学の設立が古いぶんだけ、大学と共に歩んできた建物の歴史的価値も高くなるんですね。

ちなみにマールブルクは現在でも26,000人以上の学生を抱える大学町。若者が多いせいかとても活気にあふれています。

マルクト広場周辺

マルクト広場周辺はカフェやレストランも多く、マールブルクで一番の賑わいをみせる場所です。広場の正面に立つ市庁舎は16世紀初頭に建てられたもので、毎時0分になると鐘と一緒に屋根の上のニワトリが鳴いて時間を知らせてくれます。

このニワトリの鳴き声がどこか力の抜ける感じで、とってもシュール。下からだと見えにくいですが、羽も微妙に動きます。

市庁舎に向かって左の建物には、グリム童話「勇ましいちびの仕立て屋」から7匹のハエが見えます。先ほど紹介した「グリム兄弟の小道」では⑦に該当します。

このハエたちは模型だからいいものの、こんなに大きなハエが飛んできたらコワイ…。

市庁舎を背にすると、広場越しに噴水やカラフルな木組みの街並みがみえます。「メルヘン街道」の町というだけあって、町並みは本当に可愛いです。

噴水の横にはマルクト広場の模型があります。同様の模型はこのあと紹介する方伯城の前にもありますよ。お気に入りのフィギュアを持っている方はぜひ持参して、ミニチュアの町のなかで写真をとってあげてください。

1180年に建設されたキリアン(Kilian)は、かつてマールブルク最古の教会だった建物。しかし宗教改革後にはほかの多くの教会や修道院同様にその役目を終え、ギルドハウスとして再スタートしました。

その後は豚小屋や学校、警察など様々な用途に使用され、現在は住宅になっています。

グリム兄弟の下宿周辺

マルクト広場からバルフューサー通り(Barfüßerstraße)を西へ歩いていくと、かつてグリム兄弟の下宿だった建物が見えてきます。少しわかりにくいですが、写真右側の3階にハーブのポットがある建物です。

マールブルク大学で法学を勉強していたグリム兄弟は、この建物の屋根部屋を間借りしていたそうです。

建物の横はヴェンデルガッセ(Wendelgasse)という、これまた趣のある小道になっています。

そのヴェンデルガッセを進んで行くと左手に見えるのが、モスクワ大学の創始者ミハイル・ロモノーソフがマールブルク大学在学中の1736~1739年に住んでいた家。家の前にドイツ語とロシア語で説明があるので「何でだ?」と思ったのですが、説明を読んでその謎が解けたのでした。

ヴェンデルガッセを突き当たりまで行くと、マールブルクの古地図(「グリム兄弟の小道」⑮)があります。横の階段を上るとマリエン教会があり、さらに階段を上ると方伯城につきます。

方伯城

方伯城へ行く途中にあるのがマリエン教会。写真にうまく収めるのが難しいくらい、大きくて立派な教会です。立派な外観のいっぽう、中は比較的質素でした。

お城へは、教会の入り口よこにある階段をさらに登ります。階段ばかりで結構きついです。

階段を上りきると、お城のすぐ下に出ます。目の前に見えるのはシンデレラの赤いパンプス。赤というよりはピンクですが、いずれにしろかなり目立っているのは確か。かなり大きいパンプスなので、これなら意地悪な姉たちも履けちゃいそうです。

また、階段を上り切った場所には「ビュッキングガーデン(Bückingsgarden)」というレストラン&ビアガーデンがあります。町を見下ろせる場所にあり、そよ風に吹かれながらビールで喉を潤すのにぴったり。

レストランとビアガーデンではメニューが異なり、ビアガーデンはソーセージやフラムクーヘンなどの軽食が中心です。写真はパプリカやチョリソーが乗ったフラムクーヘン。

ビュッキングガーデン(Bückingsgarden) HP

【住所】Landgraf-Philipp-Straße 6, 35037 Marburg
【営業時間】12:00~22:00

 

お城までの前置きが長くなりましたが、町を見下ろす高台の上にある方伯城(Landgrafenschloss)。1000年ごろに建てられたと言われ、現在は文化史博物館として公開されています。

城の裏を歩いていくと見えるのが「魔女の塔(Hexenturm)」。15世紀に城の見張り塔として建てられましたが、16世紀頃からは魔女狩りの犠牲者を閉じ込める牢獄として使われていました。

上の方に小さい窓しかないあたり、確かに牢獄っぽいですね。

魔女の塔がある場所からみえる方伯城もまた美しいので、お見逃しなく。

文化史博物館(Museum für Kulturgeschichte)HP

【住所】Schloss 1, 35037 Marburg
【営業時間】10:00~18:00(4~10月)、10:00~16:00(11~3月)
【休業日】月曜日
【料金】5€

 

聖エリザーベト教会

町の北はずれにある聖エリザーベト教会(Elisabethkirche)は、1235年にドイツ騎士団により建てられ、聖エリザーベトに捧げられた教会です。

聖エリザーベトは13世紀に生きた女性で、ハンガリー王女として生まれたのち、4歳という若さで政略結婚のためドイツ中部のチューリンゲンへ連れてこられます。長くなるので生涯については詳しく書きませんが、十仁軍遠征中の夫を亡くした後、未亡人となった彼女が紆余曲折を経てやってきたのがマールブルクでした。

この地に病院を建設し、貧しい人や病人を助け、24歳という若さで亡くなったエリザーベト。教会のすぐ近くには、病院の跡地がわずかながら残されています。

かなり重厚な造りの扉。

聖エリザーベト教会はドイツ最古のゴシック教会のひとつで、ケルン大聖堂のモデルにもなりました。ドイツの教会は修復をくり返して様々な建築様式が混ざっているものも多いですが、ここは純粋なゴシック様式。

教会前方は有料エリアになっていて、祭壇や聖具のほか13~16世紀にかけて亡くなったヘッセン方伯の棺が置かれています。

聖エリザーベト教会(Elisabethkirche)HP

【住所】Elisabethstraße 3, 35037 Marburg
【営業時間】9:00~18:00(4~9月およびクリスマス4週間前からクリスマスまで)、9:00~17:00(10月)、10:00~16:00(11~3月)

 

マールブルクへのアクセス

マールブルクへはフランクフルトから日帰りで行けます。フランクフルトからの所要時間は、快速列車(RE)で約1時間です。料金は15.80€。

フランクフルトからは長距離バスのFlixbusも運行しています。所要時間1時間30分ほどと電車よりすこし時間はかかりますが、オンラインで早く予約すれば4.99€とかなりお得なチケットが手に入ることもあります。

時間に余裕のある方は節約したい方、またすでに日程が決まっている方は、バスの利用を検討してみてください(Flixbus公式サイト)。

おわりに

メルヘン街道に属しているとだけあり、マールブルクの街並みはまさに「可愛い」のひとこと。

私の住んでいる町からそこまで遠くないのに、なんで今まで来なかったんだと相当後悔したほどです。

可愛い旧市街でのんびり散策するも良いですし、グリム童話に興味があれば関連スポットを全制覇してみるのも面白そう。私は今回どうしてもカエルの王様を見つけられなかったので、次回ぜひリベンジしたいです。

マールブルクはフランクフルトから約1時間で来れてしまいます。フランクフルトは飛行機の関係で1泊だけする方も多いと思いますが、もう少し滞在を延長して周辺の町へも出かけてみてはいかがでしょうか?

[box02 title=”マールブルク訪問のお役立ち”] [/box02]

 

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フランクフルトから日帰りで行けるおすすめの町(旧市街、木組みの家など) | Good Time Germany 

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