黒い森の電車やバス 、博物館が無料になる「KONUSゲストカード」

ドイツ南西部に広がる黒い森。

自然豊かな地域に小さな町が点在し、それぞれ異なる個性を持つ町を巡りながらドイツの古き良き街並みに出会える場所。またハイキングなどのアクティビティも充実していて、「町歩きもしたいし自然とも触れ合いたい」という方にぴったりのスポットです。

そんな黒い森にはKONUSゲストカード(Konus Gästekarte)という便利なカードがあります。

「KONUSゲストカード」は加盟する町のホテルに宿泊すると発行してもらえ、黒い森内の公共交通機関や一部博物館が無料になるカード。黒い森に滞在して小さな町巡りをしたい方の強い味方です。

今回はそんな「KONUSゲストカード」がもらえる町やこのカードで行ける場所、割引がきく博物館を紹介します。

KONUSゲストカードがもらえる町

KONUSゲストカードは加盟する町に宿泊すると、チェックインの際にホテル側が発行してくれます。

逆に言うと、カードの有効範囲内にある町でもカードに加盟していなければ貰う事ができません。なのでカード目当てで町を選ぶ場合は、加盟している町の中から他へのアクセスがよさそうで見どころもありそうな宿泊地を選ぶことが重要です。

加盟している町のリストは黒い森観光局のウェブサイトからダウンロードできるので、ぜひ参考にしてみてください。下へスクロールすると「KONUS Flyer」というファイルがあります。

リストに載っている町から、見どころがありそうな町をいくつか抜粋してみました。

  • フロイデンシュタット(Freudenstadt)
  • ゲンゲンバッハ(Gengenbach)
  • トリベルク(Triberg)
  • シルタッハ(Schiltach)
  • ドナウエッシンゲン(Donaueschingen)
  • ミュンスタータール(Münstertal)
  • ハスラッハ(Haslach)

トリベルクにはドイツ最大の高さを誇る滝があるほか、かっこう時計の町としても有名。ゲンゲンバッハやシルタッハは美しい木組みの家が数多く残る可愛い町です。

逆に加盟していない町は次の通り。

  • バーデン・バーデン(Baden-Baden)
  • カールスルーエ(Karlsruhe)
  • フライブルク(Freiburg)
  • ロットヴァイル(Rottweil)
  • プフォルツハイム(Pforzheim)

こうして見ると比較的大きな町が多いという印象。この様な加盟していない町ではカードは発行されませんが、既にカードを持っていればこれらの町でのバスやトラムは使用可能です。

有効期間&有効範囲

KONUSゲストカードの有効期間は、チェックイン当時からチェックアウトの日まで。チェックアウトの日は終日利用可能です。

チェックアウトして黒い森から出ていく場合は、有効範囲を出たところから目的地までのチケットを購入しましょう。

そしてカードの有効範囲ですが、これも先ほどとおなじ黒い森観光局のフライヤーに記載されています。北はカールスルーエ、南はスイスのバーゼルまでとかなり広い範囲をカバーしています(バーゼル市内は使用不可)。

この有効範囲内で、バス、トラム、電車(IC、EC、ICE、登山鉄道を除く)を利用できます。電車は2等席のみ利用可能です。

カードで行けるおススメの町&割引になるスポット

私は昨年(2017年)の夏に実際にKONUSカードを利用し、ハウザッハと言う町に宿泊しながら黒い森の町巡りをしてきました。

その中から特におすすめしたい町を紹介します。

ゲンゲンバッハ

黒い森のほぼ中心にあるゲンゲンバッハでは、木組みの家が織りなす風光明媚な街並みが楽しめます。

町で一番美しいと言われている場所が「エンゲルガッセ(Engeklgasse)」という通り。訪れた夏は木組みの家々が花で彩られ、趣たっぷりでした。また周辺はワイン生産も盛で、民家の家にブドウの蔓がはっているワインの町ならではの光景も見られます。

ゲンゲンバッハはクリスマスマーケットが美しい事でも有名。アドヴェントの時期にはピンクの市庁舎がアドヴェントカレンダーに変身し、これを目当てに小さな町には10万人もの人々が押し寄せます。

トリベルク

ゲンゲンバッハから電車で40分ほどの場所にあるトリベルク(Triberg)には、ドイツ最大の高さを誇る滝があります。163mの高さから轟音とともに流れ落ちる滝は迫力満点。

滝の横にある散策路を上っていけば、勢いよく流れる水を上から観察することもできます。滝の音がまるで轟音のように響き渡り、水の中に吸い込まれるようでちょっと恐いです。

滝のあるエリアはKONUSカード提示で50セント割引。同じチケットで「黒い森博物館」や「ミニチュアランド」にも入場できます。

トリベルクはかっこう時計でも有名。町のいたるところにはかっこう時計屋さんがあるほか、かっこう時計をモチーフにしたお土産も豊富です。

かっこう時計は5000円くらいのものから10万円をこえる高額なものまで値段や仕様も様々。思わず見入ってしまうほど精巧な細工からは職人技が感じられます。

ハスラッハ

ハスラッハという町には「黒い森民族衣装博物館」とい面白い博物館があり、KONUSカード提示で入場が無料になります。

博物館では農婦の衣装といった普段着のようなものから、結婚式やお葬式など特別なお行事等で着用する衣装を展示。黒い森のなかでも地域ごとに衣装が異なるのには驚きで、ドイツの民族衣装の多様さを思い知らされます。

そして、どれもなかなかオシャレ。

カーニバルの衣装も展示されていて、体に大きな鈴をつけている愚者のカーニバルは私も実際に見た事があります。マインツやケルンの「どんちゃん騒ぎ」なカーニバルとはまた雰囲気が異なる伝統味あふれるもので、見た目ちょっと恐いですがかなり興味深いです。

町並みもとても可愛いので、博物館のあとは旧市街の散策もお忘れなく。

シルタッハ

最後に紹介する町はシルタッハ。町の中心となるマルクト広場をカラフルな木組みの家々が囲み、美しいとともにかなり迫力のある光景がひろがります。

広場から伸びる細い道も木組みの家だらけで、街全体がメルヘンの世界。有名な町ではないので観光客もほぼいなく、あたりはとても静かでここだけ時間が止まっているかのよう。

町を流れるキンツィヒ川沿いも、花が植えられていて可愛すぎ。これまで訪れたドイツの町の中でも、木組みの街並みの美しさでいえば5本の指に入ります。

おわりに

KONUSゲストカードは、有効範囲内の公共交通機関が無料で利用できるほか、博物館なども無料または割引料金で入場できる便利なカード。

特に町巡りをするればそれなりに交通費がかさむので、カード所有でこれらが無料になるのはかなりお得です。

博物館や観光スポットの割引については、黒い森観光局よりも各町のウェブサイトを見る方が豊富な情報を得られます。町のサイトにはガイドブックに載っていない見どころなどの情報もあったりするので、ぜひ活用しましょう。

今回紹介した場所のほかにもまだまだ見どころは沢山あるので、カードを利用しながら色々なスポットをお得に訪問してみてください。

私がKONUSカードで黒い森を旅行した際の様子はブログにもあるので、こちらも参考にどうぞ。

 

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