ドイツ西部

ショーン・コネリー主演「薔薇の名前」ロケ地 エーバーバッハ修道院

フランクフルトから日帰りでも行ける観光スポットのひとつに、かつて「薔薇の名前」という映画のロケ地にもなったエーバーバッハ修道院(Kloster Eberbach)があります。

どこか物憂げな雰囲気をまとう美しい建物は一見の価値あり。ここで古くから行われているワイン醸造もまた広く知られており、高品質なワインは愛好家の間でも人気です。

美しい建物内を散策でき、名高いワインを購入でき、さらには併設のレストランで美味しい食事も頂ける、エーバーバッハ修道院。今回はそんな修道院の見どころやフランクフルトからのアクセス方法を紹介します。

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映画「薔薇の名前」ロケ地 エーバーバッハ修道院

「薔薇の名前」は1986年のフランス、イタリア、西ドイツ合作映画。

私が大好きな俳優ショーン・コネリーが主演し、修道士ウィリアム役を演じています。

舞台は中世の北イタリア。人里離れた山奥にある修道院を訪れた修道士ウィリアムと弟子のアドソは、修道院長からここで起きた怪死事件の謎を解いてほしいと依頼をされます。

その後も次々と起こる修道僧の不可解な死。真相を突きとめるべく、ウィリアムは謎に立ち向かう・・・というのが大まかなストーリーです。

「薔薇の名前」では修道院内部のシーンの多くがエーバーバッハ修道院で撮影されました。訪れる予定の方は、事前に映画を見てからの方がより楽しめますよ!

余談ですが、ショーンコネリーが出演している中で私が一番好きな映画は「レッド・オクトーバーを追え!」です。この映画ではショーン・コネリーがソ連潜水艦の艦長を演じていて、そのカッコよさと渋さにしびれちゃいます。

 

修道士が厳しい生活を送っていた修道院

修道院の設立は12世紀。当時フランスで広まっていたシトー修道会をドイツにも広めるべく、クレヴォーのベルナルドゥスが修道院長と12人の修道士をこの地に送ったのがはじまりです。

修道院としての役目自体は1803年に終えており、現在は一般に公開されているエーバーバッハ修道院。美しい建物とは裏腹にここではかつて修道士の厳しい生活が営まれ、現在でもその歴史を垣間見ることができます。

建物にはロマネスク様式とゴシック様式が融合。設立当時は「厳しく質素に生きる」というシトー会の教えに則り、壁や天井の装飾といった芸術的要素は一切取り入れられませんでした。

初期に建てられたロマネスク様式の部分を代表するのが、修道僧の就寝に使用されていたこのホール。煌びやかな装飾はありませんが、無駄のない潔さがまた美しいですね。

ホールは全長74m。ここで150人もの修道僧が、冬は暖房もないなか修道士装束を身にまとっただけで就寝していたのだそう。ドイツの冬で暖房無しだなんて、想像しただけで凍えてしまいそうです。

また日常では喋ることが一切許されていなかった修道士たち。そんな彼らが話すことを許された唯一の場所が、この集会室(Kapitalsaal)だったといいます。

質素ながら力強さを感じさせるバジリカ

1186年に完成したバジリカは、先ほどのホールと同じロマネスク様式で全長は約80m。身廊部分には装飾が皆無で殺風景でもありますが、一方でどっしりとした力強さも感じます。

壁部分の小聖堂はあとから取り付けられたもので、こちらはゴシック様式。手の込んだ繊細な装飾が壁を埋めつくしていて、同じ建物とは思えません。

バジリカの前方には、マインツ大司教をはじめとするこの地を治めた権力者たちの墓石が置かれています。本来シトー会以外の人物をここで埋葬することは許されていませんでしたが、特定の条件を満たすことでそれが許されたのだそう。

よって14世紀から18世紀にかけ、いくつもの墓石がバジリカ内に設置されました。

美しい回廊

修道院の中心部分を成すのが、中庭を囲む美しい回廊。ここにも先ほどのバジリカと同じように墓石が置かれています。

回廊からのぞく中庭。私が訪れた時は人がほぼいなくて、しんと静まり返った様子はここだけ時間が止まっているかのようでした。

回廊脇にあるのは、修道僧の食堂だった部屋。もとはロマネスク様式でしたが、18世紀にバロック様式に改修されました。よってこの部屋だけ修道院というより、お城の一室のような雰囲気に包まれています。

修道院でのワイン醸造

エーバーバッハ修道院では設立当時からワイン製造が行われていました。

修道士たちが行っていたワイン醸造は、1803年に修道院が世俗化されたあとはナッサウ公やプロイセン王国が引き継ぎ、現在はヘッセン州立醸造所として経営。修道院併設のワインショップでは、伝統を受け継ぎながら醸造された高品質のワインが購入できます。

修道院内にはかつて使用されていたブドウ搾り機も展示されています。

こんな感じのブドウ搾り機は、ワイン生産地に行くと建物の前などに飾られているのをよく見かけます。実際にどのように作業をするのか、ぜひ一度見てみたいものです。

ワイン樽が並んでいる蔵も雰囲気ばっちり。この部屋は15世紀からワイン蔵として使用され、特に貴重なワインのみがここに貯蔵されていました。

ちなみにワイン蔵になる前は修道僧の仕事部屋だったそう。修道士たちはこの部屋で手作業による本の写本や文書の作成、黙想などを行っていました。でもこんな暗いところで写本していたら、すぐに目が悪くなりそうですね。

修道院併設のレストラン

修道院にはワインショップのほか、ホテルやレストランも併設されています。ホテルの外観はどこか南仏のような雰囲気。

ホテルの手前には戸籍局が入っていて、ここで結婚式を挙げることも可能です。ここで結婚式を挙げてから修道院のレストランで食事、なんてプランも良さそう。美味しいワインも沢山ありますし!

せっかくなので、私も修道院のレストランで食事をしました。レストランは修道院が見下ろせる坂の上にあり、暖かい時期はテラスでも食事が頂けます。

飲み物は自家製レモネード。下にレモンの果汁がたっぷり入っていて、とっても爽やか。

食事はアンズダケのクリーム煮を頂きました。夏から秋にかけてドイツで旬を迎えるアンズダケ。スープやオムレツなど様々な食べ方がありますが、私は香りと食感が引き立てられるクリーム煮が一番好きです。

メニューの数自体はそこまで多くないですが、肉、魚、ベジタリアン料理は一通り揃っています。ワッフルやアプフェルシュトゥルーデルなどデザート類もあるので、修道院の見学がてらここでお茶するのもいいかも。

エーバーバッハ修道院へのアクセス

フランクルト中央駅から行く場合、まずRB10でエルトヴィレ(Eltville)まで行きます。

エルトヴィレからはバス172番に乗ってください。15分ほどで終点のエーバーバッハ修道院(Kloster Eberbach)に到着です。エルトヴィレが始発で修道院が終点なので、乗り間違えや乗り過ごしの心配はないはず。

所要時間は合計で1時間50分です。

電車もバスも本数が少ないので、もしかしたらエルトヴィレでの待ち時間が長くなるかもしれません。そんな時はエルトヴィレの旧市街もぜひ散策してみてください。

「薔薇の町」として知られているエルトヴィレ。ローズガーデンのほか、木組みの家が並ぶ旧市街のあちこちで美しいバラが咲いています。

エーバーバッハ修道院の見学後、フランクフルト行きの電車を1つ遅らせてエルトヴィレ観光なんてものおすすめ。小さな町なので2時間あれば十分満喫できます。

エーバーバッハ修道院の営業時間

営業時間は夏時間と冬時間で異なります。

4月~10月の営業時間
10:00~19:00(月~金)、9:00~19:00(土日祝)

11月~3月の営業時間
11:00~18:00

12月24、25日、31日は休業。12月26日や1月1日は営業時間が短縮されるので、訪問前に公式サイトで確認しましょう。

金曜から日曜にかけて、そして祝日には修道院のガイドツアーが開催されます。(11月~3月は土、日のみ)。

ほかにもワインや映画「薔薇の名前」をテーマにしたガイドツアーやイベントも沢山。日程なども公式サイトに掲載されているので、興味があれば一度目を通してみてください。

おわりに

どこか寂しさの混じった独特な美しさで、訪れる者を魅了するエーバーバッハ修道院。

時が止まったかのような静寂に包まれた修道院内で、かつてここで営まれていた修道僧の厳しい生活に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

ワインショップやレストランは入場料がかからないエリアなので、これらを目当てに来るのもアリだと思います。そこまで修道院に興味がなければ、外の庭から建物全体を眺めるだけでも十分かもしれません。

もし内部にも入る予定であれば、「薔薇の名前」を見てから訪問することを強くおすすめします。映画の世界観が目の前で再現されているみたいで、訪問が一層楽しくなりますよ。

 

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