南ドイツ

旧市街が中世へタイムスリップ ネルトリンゲンの歴史城壁祭レポート

週末、南ドイツのネルトリンゲンで開催された歴史城壁祭(Stadtmauerfest)の取材をしてきました。

歴史城壁祭は3年に一度開催されるお祭り。城壁で囲まれた旧市街に手工業者らが店を構えるほか、ステージでの見世物やパレードといった催し物も沢山あります。中世衣装に身を包んでいる人も多く、町全体が中世へタイムスリップしたかのようです。



城壁の中で繰り広げられる中世市

ネルトリンゲンの歴史城壁祭は、城壁にぐるりと囲まれた旧市街が会場。城壁で守られた町へ足を踏み入れるには、まず門番に「通行税」を支払う必要があります。この通行税が入場料になる訳ですが、料金は大人8€、16歳以下は4€。金曜~日曜までの通し券だと大人15€、16歳以下は6€です。

城壁の中に入ると、歴史ある街並みのあちこちに商人が店を構えています。店に並ぶ商品は、はちみつワインや角の形をしたカップ、木や鉄の工芸品など。中世の衣装や、それにぴったり合いそうな指輪といったアクセサリー類もありました。

お店を冷かしながら町の中心まで来ると、目に飛び込んでくるのはネルトリンゲンのシンボルでもある大聖堂。ネルトリンゲンやバイエルンの旗が掲げられている塔はどこか誇らしげです。

大聖堂の裏手には中世の農家が再現されていました。様々な種類の野菜が植えられた畑の横にあったのは、牛や羊、豚が飼われている家畜小屋。中世の人たちって、どんな料理を食べていたのかすごく気になりますね。

薪を囲みながら歌を歌っているグループもいました。公園に中世風のテントが張ってあるのも見かけたのですが、彼らは実際にそこで寝泊まりをしているのでしょうか。

熟練の技術を披露する手工業者たち

大聖堂のあるマルクト広場から西へ歩いていくと、靴屋や塗装職人、ブリキ職人といった手工業者が集まり作業の様子披露しています。当たり前ですが皆とても手際が良く、長年積み重ねてきた経験と技術が光っているようでした。

手工業職人が集まる小屋の目の前では、中世の建設職人たちが石畳や家を造っている最中でした。石畳では形の合う石を選んで並べていくという、気の遠くなりそうな作業の繰り返し。現在残っているネルトリンゲンの石畳や建物も、このような作業の積み重ねによって完成していったのでしょうね。

マルクト広場には鍛冶屋の姿も。希望者は鍛冶体験もできるみたいで、あとで通りがかったときには実際に女の子が熱した鉄をハンマーで一生懸命叩いていました。

町の歴史を語る演劇やダンス

会場の各地には大小いくつものステージが設置され、町の歴史を語る演劇やダンスが繰り広げられます。プログラムがかなり多彩なので、入場時に貰うフライヤーで確認しておくと安心です。

マルクト広場にある最も大きなステージでは、この上や前で主にダンスが披露されていました。ダンスといっても中世らしさを感じさせる伝統的な踊りから、アクロバット要素が入った物まで様々。

大聖堂の噴水近くにある小さなステージでは町の歴史をテーマにした小さな劇が上演され、子供たちを中心に沢山の観客を集めていました。

町の中を練り歩くパレード

歴史城壁祭りが特に盛り上がりを見せるのが、午後に行われるパレード。民族衣装に身を包んだ人々や農作業用の巨大トラクター、ブラスバンドの演奏隊らが町の中心を練り歩きます。

パレードに先立って披露されたのが、操り人形のパフォーマンス。人形も実際に人が演じているのですが、操り手が巨大なのでそのコントラストでとても小さく見えます。

農作業で活躍するトラクター。どの車両もピカピカに磨かれ、美しい花が飾られていました。見慣れたトラクターもあれば、何に使うのか想像できないような機会も登場してとても興味深かったです。

ビックリするほど立派な牡牛。私が普段見慣れている乳牛とは体のつくりが全然違います。

様々な民族衣装を身にまとった人々。ドイツの民族衣装といえばバイエルンのディアンドルを想像する方が多いかもしれませんが、地域ごとに特色ある衣装がいくつも存在するのです。頭の飾りやスカート、型に掛けられたスカーフなど、細かい所についつい目が行ってしまいますね。

いかにも高貴そうな馬たちも登場しました。彼らが引いているのは、しかし馬車ではなく巨大な丸太。丸太が何本も乗ったいかにも重そうな荷台を、6頭の馬が引いていきます。

私が見たのは土曜日のパレードでしたが、日曜のものはまた内容が変わるみたいです。言うまでもなく最前列の方がよく見えるので、写真を撮ったりしたければなるべく早めに場所を確保するようにしましょう。

中世の衣装に身を包んだ人々

お祭りでは中世衣装に身を包んだ人が沢山。彼らがお喋りをしたりお店で品定めをしている様子を見ていると、まさに中世の市場に迷い込んだかのような気分になります。

なかでも特に目立っていたのが、写真の4人。煌びやかなドレスを身に着けている女性陣は、市民市場に遊びに来た王族みたいに見えました。ここまで凝ったドレスは稀で、やや控えめのドレスや農夫(婦)などの恰好をしている人が多かったです。

衣装は自分で作ったり購入したりと、人によって様々でした。中世市には衣装やアクセサリー類を売っているお店もあるので、興味のある方は覗いてみてください。

歴史城壁祭 次回の開催日程

3年に一度開催されるネルトリンゲンの歴史城壁祭。次回の開催は2022年9月の予定です。

城壁で囲まれた旧市街全てが会場になるお祭りなので、催し物なども多く見ごたえたっぷり。まだだいぶ先になりますが、この時期にドイツ旅行を予定されている方はルートにネルトリンゲンを入れてみてはいかがでしょうか。

ネルトリンゲンへのアクセス

ロマンチック街道上に位置するネルトリンゲン。お祭り開催中は町のホテルが取りにくいので、ニュルンベルクやミュンヘンなどから日帰りで行くことになるでしょう。

各町からネルトリンゲンまで、電車で向かった場合の所要時間は以下を目安にしてください。

  • ミュンヘン:1時間半~2時間半
  • ニュルンベルク:1時間半~2時間
  • シュトゥットガルト:2時間

また4月から10月にかけての水・土・日曜日にはロマンチック街道バスも走っています。

おわりに

城壁で囲まれた旧市街が中世の町へと変貌を遂げる、ネルトリンゲンの歴史城壁祭。私がこれまで訪れた中世市のなかでもかなり大規模という印象で、催し物も沢山あるなど見どころが多かったです。

開催が3年に一度とタイミングを合わせるのが難しいですが、中世の世界観が存分に感じられて訪れる価値は十分にアリ。衣装もそろえて、中世の姫や騎士になりきってみるのも楽しそうですね。

このほかネルトリンゲンの観光については、「ネコ職員がお出迎え 城壁に囲まれた美しい町ネルトリンゲン」という記事があります。大聖堂の塔や城壁ウォーク、町並みなど見どころを紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。