スペイン最高峰! 地球でないような風景が広がるテイデ山

今日はテネリフェ旅行記のつづき。テネリフェ観光といえばここ!というくらい定番のスポットであるテイデを紹介します。

スペイン領で最高峰を誇るテイデ。周辺に広がる国立公園では自然が織りなす迫力たっぷりの景色が楽しめるほか、この地ならではの固有植物も豊富です。

エリアによってカナリヤ松の林が広がっていたり、かと思えば溶岩でできた岩が一面に転がっていたり。場所ごとに全く異なる風景が楽しめるのも、テイデ国立公園の面白いところ。ここでしか見る事のできない景観を求め、訪れる人が後を絶たない人気スポットです。

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スペイン最高峰 唯一無二の絶景が広がるテイデ山

スペイン領で最も高い山であるテイデ山は、標高3718m。富士山(3776m)より少し低いくらいだと思ってもらえば分かりやすいでしょう。

テイデ山の周辺には面積約190㎢にもおよぶ国立公園が広がっていて、豊かな土地は動植物の宝庫でもあります。なかでも高さ3mまで成長するエキウム・ウィルドプレッティは、ここでしか見られない、テイデを象徴する植物。毎年5月頃になると赤い小さな花をいくつも咲かせ、その美しい外観から「宝石の塔」というロマンチックな名前までついているのです。

もうとっくに時期は過ぎていましたが、少しだけ花の残っている小さなエレキウムも偶然見つけました。

また山の周辺に広がる唯一無二の絶景は、これまで数々の映画の撮影にも使用されています。ちょうど私達がテネリフェ島に滞在していた時も、公園内のどこかで「ワンダーウーマン」と「ランボー5」の撮影が行われていたとのこと。地元紙(ドイツ語)でも話題になっていました。

月や火星の眺めが楽しめる見晴らしスポット

テイデ国立公園には、地球にいながら月、火星、金星の上にいるかのような眺めを楽しめる場所があります。これらの場所は地形がそれぞれの惑星に類似していることから、研究の対象にもなっているのだそう。

見晴らしスポット「Minas de San José」周辺で見られるのは、月に似た地形。これまで見たことのないむきだしの風景が目の前に広がっていて、本当にどこかの惑星の上にいるみたいでした。

写真のように石が積み上げられている所もいくつかあり、神秘的な力が宿っているかのよう。表面がザラザラした赤黒い岩は、マグマが冷え固まってできた物です。

駐車場からしばらく歩いていくと、カルデラの屹立している部分がよく見えます。国立公園内には先史時代の大噴火で形成されたカルデラが形成されていて、写真もテイデ山頂もその縁部分にあたります。実際の景色は写真の比にならないほど広大なもので、ただ圧倒されるばかりでした。

この辺りの標高は2000mほど。空気もだいぶ薄くなって、少し走るだけですぐ息が切れてしまいます。3000m越えのテイデ山頂付近まではロープウェイで行けますが、頂上の景色よりも麓からの方が綺麗みたいなので今回はあえて訪問しませんでした。

ちなみにテイデ国立公園内には写真のような舗装された道路が通っているので、車での運転も快適。夫が15年くらい前に来た時はガタガタの道しかなかったらしく、「こんなに道が整備されているなんて!」と本人は驚いていました。

「神の指」ことロケ・シンチャドと奇形岩

見晴らしスポット「Minas de San José」からTF-21を南へ下っていくと、ロケス・デ・ガルシア(Roques de García)という奇形の岩層群にたどり着きます。これらの岩々は170万年ほど前に形成されたらしく、その後は雨や風の浸食により現在の姿へと形を変えていきました。

ここでは岩の途中まで上ることができるほか、上では「神の指」ことロケ・シンチャド(Roque Cinchado)を一番綺麗な角度から見ることができます。下にいる時はほぼ無風でしたが、上っていくと風がものすごく強くて吹き飛ばされるかと思うくらい。

そしてこれが、吹き飛ばされそうになりながら撮影したロケ・シンチャド。色の違う様々な地層が重なっている様子がよく分かりますね。下の方の地層は柔らかい地質で形成され、よって雨や風による浸食が上部よりも早く進むため、こんな奇妙な形になりました。

私自身も強風を我が身で感じて、「これなら岩も削れるわけだ」と納得。このままどんどん浸食が進めば、いつか下の部分がポッキリと折れてしまうかもしれませんね。

テイデを背景に立つロケ・シンチャドは、ユーロ導入前にはスペイン紙幣(1000ペセタ)に描かれていたこともありました。自然がつくり出した雄大な光景を見ながら、ここにある山や岩、植物、自然全てがこのまま変わらずに残っていてほしいと強く思ったのでした。

ロケ・シンチャドや奇形岩群の向かいには小さな丘があり、丘の上からはテイデを含めた全体像を上から望む事ができます。テイデと岩群のあいだに見える茶色い固まりは、溶岩でできた岩。こうして見ていると、人間が到底及ばない自然の力強さをまざまざと見せつけられているようです。

ちなみに、このあたりの地形は「火星」と類似しているとのこと。

カナリヤ松の林

テイデの麓は森林限界を超えているので木々は見られませんでしたが、そこから少し下るとカナリア諸島の固有種であるカナリア松の林が広がります。

ハイキングコースの出発点にもなっている「Mirador de Sámara」の駐車場に車を停め、写真左に写っている火山「サマラ」の頂上まで登ってみました。小さな丘のようにしか見えませんが、実際に上ってみると傾斜が急な所もあったりして決して少し怖かったです。

一足先に頂上までたどり着いた夫。

山の上からは一面に広がる松林やテイデを含む山々が見渡せます。はるか下のほう(写真右下)に見えるのは、私達が車を停めた駐車場。

ここを訪れたのは先ほど紹介したロケ・シンチャドとは別の日で、テイデ山頂には雲にかくれてしまっていました。

松林ははるか遠くまで広がっています。木々の全くない砂漠のような景色が見えたとおもえば、緑いっぱいの林が広がていたりと、テネリフェ島では実に多彩な自然風景が楽しめるんだなと改めて実感しました。

おわりに

テネリフェ島のハイライトともいえるテイデとその麓に広がる景色は、私がこれまで見たことの無い、まさに想像を絶する絶景。時の流れと自然の力が育んだ唯一無二の景色には感動するばかりでした。

次回もし再訪する機会があれば、5月に行ってエレキウムが満開に咲く様子を見てみたいものです。

テイデ周辺は車で巡ることになります。これはテネリフェ島全体に言えることですが、観光にはレンタカー必須です。バスなど公共交通機関を利用するには、多少スペイン語が話せないとだいぶ厳しいとのこと(夫ママ談)。スペイン語や運転に慣れていない方は現地ツアーを利用してもいいかもしれません。

またJTB阪急交通社では日本発でカナリア諸島を周遊するツアーなども扱っているので、言葉や現地での移動の心配なく各地を回りたい方には便利だと思います。

カナリア諸島3島を巡る旅の詳細

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