2020年にドイツで開催されるお祭り・イベントの中から、面白そうなものをピックアップして開催地と開催期間をまとめました。
オクトーバーフェストは聞いた事があるという方も多いと思いますが、ほかにもカーニバルや古城祭り、ワイン祭りなどドイツならではのお祭りが各地で開かれます。
また今年はベートーヴェン生誕250年という記念すべき年。年間を通じて故郷のボンやベルリン、終焉の地ウィーンなどで開催されるイベントにも注目です。
春(3月~5月)
春の訪れを告げるお祭りとしてドイツ各地で開催されるカーニバル。前年の11月にはじまるカーニバル期間は2月の 「薔薇の月曜日」にハイライトを迎え、各地で仮装した人々のパレードが開催されます。
カーニバルで特に盛り上がるのは、ライン川沿いのマインツ、ケルン、そしてデュッセルドルフの3都市。飲んで騒いでのどんちゃん騒ぎが町の中で繰り広げられ、「ドイツ人は真面目」というイメージを抱いている人が見たらビックリするかもしれません。
もうひとつカーニバルで注目したい地域が、南西ドイツに広がる黒い森。ここではフィリンゲンの「猫のカーニバル」ほか、ゲルマンの風習が色濃く反映されたカーニバルが行われます。ちょっと恐いお面や民族衣装を身につけた人々が町を練り歩く様子は、かなり独特です。
カーニバル、ファスナハト、ファッシング(Karneval/Fasnacht/Fasching)
ハイライト:「薔薇の日曜日(2月24日)」および翌日
主な開催地:
- マインツ
- ケルン
- デュッセルドルフ
- フィリンゲン
- ロットヴァイル
ヴァルプルギスの夜(Walpurgisnacht)
ブロッケン山ほか、ハルツ地方の各地
開催日:4月30日
黒い森のカーニバルを取材したレポートもあるので、興味のある方は読んでみてください。
夏(6月~8月)
ドイツ旅行のベストシーズンでもある夏。注目はなんといっても、ドイツアルプスの麓オーバーアマガウで10年に一度開催される「キリスト受難劇」でしょう。5000人ほどいる村人の半数以上が関わっている劇は、上演時間6時間の大作です。
このほか、ローテンブルクやディンケルスビュール、コッヘムで繰り広げられる、古城や旧市街を舞台にした歴史情緒たっぷりのお祭りもおすすめ。中世衣装に身を包んだ人も沢山いて、タイムスリップしたかのような気分が楽しめますよ。
また個人的にすごく好きなのは、リューデスハイムやヴュルツブルクなどワインの産地で開催されるワイン祭り。天気のいい日に昼間から飲むワインは最高です。
ハンブルク開港祭(Hafengeburtstag)
ハンブルク
開催日:5月8日~10日
キリスト受難劇(Passions Spiele)
オーバーアマガウ
開催日:5月16日~10月4日の火、木、金、土、日
モーツァルト音楽祭(Mozartfest)
ヴュルツブルク
開催日:5月29日~6月28日
エアランゲンのビール祭り(Erlanger Bergkirchweih)
エアランゲン
開催日:5月28日~6月8日
マイスタートゥルンクの歴史祭(Der Meistertrunk)
ローテンブルク
開催日:5月29日~6月1日
ウェイブ・ゴシック・フェスティバル(Wave-Gotik-Treffen)
ライプチヒ
開催日:5月29日~6月1日
ロンネブルク城の中世市と馬上槍試合(Ritterturnier zu Pfingsten)
ロンネブルク城(フランクフルト近郊)
5月30日~6月1日
バラ祭り(Rosentage)
エルトヴィレ
開催日:6月6日~7日
ホーフガルテン ワインフェスト(Hofgarten Weinfest)
ヴュルツブルク
開催日:6月26日~7月5日
ハノーファー射撃祭(Schützenfest)
ハノーファー
開催日:7月3日~12日
カルテンベルク騎士祭(Kaltenberger Ritterturnier)
カルテンベルク
開催日:7月10日~12日、17日~19日、24日~26日
ディンケルスビュールの子供祭り(Kinderzeche)
ディンケルスビュール
開催日:7月17日~26日
バイロイト音楽祭(Bayreuther Festspiele)
バイロイト
開催日:7月25日~8月30日
竜退治祭り(Drachenstich)
フュルト
開催日:7月29日~8月16日
コッヘムの城祭り(Burgfest auf der Raichsburg)
コッヘム
開催日:8月1日~2日
リューデスハイムのワイン祭り(Rüdesheimer Weinfest)
リューデスハイム
開催日:8月13日~17日
ラインガウ ワイン週間(Rheingauer Weinwoche)
ヴィースバーデン
開催日:8月14日~23日
ラインの火祭り(Rhein in Flammen)
- ボン(5月2日)
- リューデスハイム/ビンゲン(7月4日)
- コブレンツ/シュパイ(8月8日)
- オーバーヴェーゼル(9月12日)
- ザンクトゴアール/ザンクトゴアルスハウゼン(9月19日)
秋(9月~11月)
秋のハイライトといえば、ドイツを代表するお祭りともいえるオクトーバーフェスト。ミュンヘンのテレジエンヴィーゼに巨大なテントと移動遊園地が登場し、2週間の開催期間中には世界中から600万人もの人が訪れます。
似たようなビール祭りはシュトゥットガルトの隣にあるバート・カンシュタッ(カンシュタッター・フォルクスフェスト)でも開催されるので、近くを旅行予定の方はぜひ出かけてみてください。
ルートヴィヒルブルク城のかぼちゃ祭り(Kürbisausstellung)
ルートヴィヒルブルク城
開催日:8月28日~11月1日
帝国自由都市祭(Reichsstadt-Festtage)
ローテンブルク
開催日:9月4日~6日
アルムアプトリープ(Almabtrieb)
オーバーシュタウフェンなど
開催日:9月11日
ヴルストマルクト(Wurstmarkt:ワイン祭り)
バート・ドゥルクハイム
開催日:9月11日~15日、18日~21日)
オクトーバーフェスト(Oktoberfest)
ミュンヘン
9月19日~10月4日
カンシュタッター・フォルクスフェスト(Cannstatter Volksfest)
バート・カンシュタット
9月25日~10月11日
ワイマールの玉ねぎ市(Zwiebelmarkt Weimar)
ワイマール
開催日:10月9日~11日
フロイデンベルクの中世市(Mittelaltermarkt Freudenberg)
フロイデンベルク
開催日:10月中旬
冬(12月~2月)
冬のドイツといえばクリスマスマーケット。クリスマス4週間前から始まるアドヴェント期間には、ドイツ各地2500ヵ所以上でクリスマスマーケットが開かれ、町が華やかな雰囲気に包まれます。
「ドイツ3大クリスマスマーケット」であるニュルンベルク、シュトゥットガルト、ドレスデンの3都市ほか、クランクフルトやエアフルト、ケルンは規模も大きく美しさもケタ違いです。
小ぢんまりとした会場で温かみのある雰囲気を楽しみたいのであれば、日本人に人気のローテンブルクやベルギー国境に近いモンシャウ、黒い森のゲンゲンバッハ、そほのかハルツ地方のゴスラー、ヴェルニゲローデなどがおすすめ。
ヴェルニゲローデでは可愛すぎる市庁舎まえの広場にピラミッドやお店がならび、オレンジ色の光に包まれている会場はまさにメルヘンの世界です。
クリスマスマーケットの日程についてはここでは書ききれないので、秋ごろに開催期間をまとめて投稿する予定です。
クリスマスマーケット(Weihnachtsmarkt)
ドイツ各地
これまで訪れたクリスマスマーケットやおすすめの町についても記事を書いているので、興味があれば読んでみてください。
今年はベートーヴェン生誕250周年
2020年はドイツを代表する作曲家ベートーヴェンの生誕250年。これを記念して生誕の地ボンや活動の中心だったウィーン、そのほかヨーロッパ各都市で年間を通じて様々なイベントが開催されます。
ドイツ国内でのイベントやコンサートは、主催団体「BTHVN2020」のウェブサイトから検索可能。行く予定の町で何か面白いイベントが見つかるかもしれないので、調べてみる価値ありですよ。
[jin_icon_info color=”#678fcc” size=”18px”]BTHVN2020イベント情報おわりに
リストを見てお分かりのように、ドイツのお祭りはオクトーバーフェストだけではありません。古城や旧市街を舞台にした中世マルクトやワイン祭り、音楽祭もまた、ドイツを象徴するお祭りなのです。
紹介した以外にもまだまだ沢山の催し物があります。ドイツ旅行を計画している方は、訪問する町のウェブサイトなどを覗いてみると、興味深いイベントが見つかるかもしれません。
逆に見たいお祭りを決めて、それに合わせて旅程を組んでみてもいいですね。参加することで、町並みを眺めるのとはまた違ったドイツの面白さが発見できるかもしれません。