2019年も残すところあとわずかとなった所で、今年の旅、仕事、そしてプライベートで印象的だった出来事を振り返ります。
Contents
1月
田舎なのに車無しの新生活スタート
2018年の年末に引っ越した私達にとって、新年は新たな生活のスタートでもありました。
新居があるのは、田舎の町からさらに少し離れた、家が5件くらい集まっている場所。私がこれまで住んできたどの場所よりも田舎で、窓を開けるとヤギの鳴き声が聞こえたり、羊の群れが道をふさいで通れない…なんて事が起こる所です。
駅は何とか徒歩圏内にあるけれど買い物には車が必須。それなのに車の納車が遅れてどうなるかと思いましたが、車のない期間はご近所の人たちが買い物の時に一緒に乗せていってくれたりと、助けの手を差し伸べてくれました。結局新しい車が来たのは3月末でした。
2月
キッチンの組み立て
1月は夫の出張などもあってバタバタしていたので、キッチンの組み立てをしたのは2月。
キッチンは前の家から持ってきたもので、今のキッチンの大きさに合わせて作業台の板と追加の棚を購入して組立てました。すっごく重い板を運んで次の日に筋肉痛になったり、それを木くずまみれになりながらカットしたのが今となっては懐かしいです。
ほどなくしてキッチンは完成。それまでは簡易コンロで調理していたので、大きなキッチンでパンを焼いたり手の込んだ料理をできるようになったのはとても嬉しかったです。
3月
黒い森のカーニバル取材
3月の頭には黒い森のフィリンゲンとロットヴァイルで行われたカーニバルを取材しました。黒い森のカーニバルはゲルマンの土着文化が色濃く反映され、かなり独特の雰囲気があります。
フィリンゲンは「猫のカーニバル」が有名で、猫の仮装をした人々が町を闊歩。カーニバルの掛け声は「アラーフ」や「ヘラウ」など地域によって異なりますが、ここでは猫なので「ミャウ!」だったのが面白かったです。
ロットヴァイルのカーニバルでは、「なまはげ」のようなお面を被った道化師たちが登場。彼らは怖い見た目とは対照的に、観客にイタズラしたりと茶目っ気たっぷりでした。
[box06 title=”黒い森 カーニバルのレポート”]
修士論文提出
また3月には修士論文も提出。フランクフルト大学で2015年の冬学期に修士課程を始めてから、3年半かかってやっと終わりを迎えました。
途中からは仕事もしていたので時間はかかってしまいましたが、最後までやり遂げられて良かった。ドイツ語で修論を書くなんてはじめは絶対無理だと思っていたので、最終的にちゃんと形にできた達成感はかなり大きかったです。様々な面でサポートしてくれた夫や家族、友人には本当に感謝。
修士論文を提出して、私の長かった学生生活も終了。日本にいた時から計算すると、10年以上学生してました。
4月
兄のドイツ訪問
4月末から5月にかけて兄が遊びに来たので、ホーエンツォレルン城やネルトリンゲン、バロック宮殿があるルートヴィヒスブルクなどへ遊びに行きました。
ネルトリンゲンでは教会の塔にいるネコ職員と初対面。カメラを構えたらちゃんと座ってくれて、サービス精神旺盛でした。
ホーエンツォレルン城はお城に行った後、絶景スポットへも足をのばしました。新緑の季節なのにかなり寒かったですが、雪がチラチラ舞っているなかに立っているお城がまた美しかったです。
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イギリス旅行
ドイツに来ていた兄と一緒に、イギリス中部に住んでいる親戚のところへも行きました。ブルーベルが一面に咲いている森や「ベルトン・ハウス」という庭園が美しいお屋敷へも連れて行ってもらって、ドイツとはまた違う風景に驚いたり感動したり。
ステーキ&キドニーパイや本場のスコーンなど、イギリスグルメも楽しみました。
5月
ボーデン湖旅行
5月末にはキリスト昇天祭の祝日を利用して、2泊3日のボーデン湖旅行をしました。私と夫の共通の友人がいるフリードリヒスハーフェンやメーアスブルク、リンダウなどを散策。フリードリヒスハーフェンの湖畔から望む湖とアルプスは、絵に描いたかのような美しさでした。
リンダウから国境を越えてオーストリアのブレゲンツも訪問。プフェンダー(Pfänder)という山の上までロープウェイで行って、大自然の中でのんびり散策を楽しみました。
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6月
2週間のクロアチア旅行
6月半ばからは2週間クロアチアへ。ザダルからスプリット、アドリア海に浮かぶ島々を経由しながらドゥブロブニクまで南下したほか、モンテネグロのコトルにも滞在しました。
私も夫もクロアチアは初めてで分からない事だらけでしたが、美味しい食事や美しい海、歴史情緒ある旧市街の街並みに魅せられ、2週間の旅行を満喫。ちょうどバカンスシーズンが始まる直前で、どこも混雑が少なくて観光もしやすかったです。
ザダルなら飛行機で1時間しかかからないので、また連休などを利用して再訪したいです。
7月
ワインハイム、ハイデルベルク取材
7月にはワインハイムとハイデルベルクの取材をしました。
ワインハイムでは町を象徴する2つのお城や、美しい庭園、地元のビール工場などを訪問。小さい町ながら魅力たっぷりだったので、もっと日本からも沢山の人に訪れてほしいです。
案内してくれた観光局の方ともすっかり打ち解けて、取材後にワインを傾けながら色々話したのもいい思い出になりました。
ハイデルベルクではお城や旧市街、哲学の道へ。ちょうど40℃もある時期で、太陽が照りつける中あちこち歩き回るのはかなりしんどかったです。
取材後はシュパイヤーやマンハイムにも寄ってきました。
8月
ベルリン&古城街道 2週間ひとり旅
8月は修士論文が終わったら実行しようと思っていた、ベルリンと古城街道のひとり旅へ。ベルリンではDDR関連のスポットと城関係を主に訪れたほか、日帰りでポツダムやシュプレーの森へも行きました。
ベルリンからニュルンベルクに拠点を移してからは、バイロイトやコーブルクといった古城街道の町を訪問。辺境伯歌劇場の中が豪華すぎて、まさに「開いた口がふさがらない」状態でした。
バウハウス、ライプチヒ取材
ひとり旅の前半にはバウハウスとライプチヒの取材もしてきました。
2019年はバウハウス創立100周年ということで、誕生の地であるヴァイマールとデッサウの関連スポットを取材。現在でも建築やデザインに大きな影響を与えているバウハウス精神の神髄に触れてきました。
ライプチヒでは「音楽の町」をテーマに、メンデルスゾーン博物館やバッハゆかりの地であるトマス教会などを訪れました。残念ながらコンサートの鑑賞が出来なかったので、いつか再訪してゲヴァントハウス管弦楽団の演奏を生で聴いてみたいです。
9月
ネルトリンゲン城壁祭りの取材
9月の頭には、南ドイツのネルトリンゲンで3年に1度開催される城壁祭りを取材しました。
お祭りが開催されたのは城壁に囲まれた旧市街。鍛冶屋や靴屋といった手工業者が熟練の技を披露したり、会場の各所にあるステージ上での見世物やパレードがあったりとプログラムは盛りだくさんでした。
中世衣装に身を包んだ人も沢山いて、まさに町全体が中世へタイムスリップしたかのよう。私も次に中世祭りや城祭りへ行くときは、何か雰囲気に合う衣装を着ていきたいです。
ブダペスト週末旅行
城壁祭りの直後に夫がブダペストへ2週間の出張へ行ったので、週末を利用して会いに行き、一緒に観光してきました。
ブダペストは私にとって未知の国で「恐そう」という先入観があったものの、行ってみたら町が美しすぎてびっくり。ほどんとの場所で支払いにカードが使えたのもすごく便利でした。旧市街の見どころは一通り散策して、夜はイシュトヴァーン大聖堂のコンサートも鑑賞しました。
夜景を眺めながらのお散歩も楽しかったです。
10月
3週間の日本一時帰国
10月後半から11月にかけては、夫と3週間の一時帰国をしました。初めて直行便ではない飛行機で帰ったので心配でしたが、乗り継ぎもスムーズにできて無事に帰国。ちょうど台風被害の影響で東京からの電車が運休だったので、父がはるばる松本から車で迎えに来てくれて有難かったです。
日本滞在中は戸隠や軽井沢へ日帰りで行ったり、6日間の九州旅行もしました。
九州では福岡のほか別府温泉、黒川温泉、高千穂や熊本を訪問。思っていたより自然が豊かで、ときどき車窓からみえる山々がとても美しかったです。ちょっといい旅館にも泊まって美味しい料理を食べたり、貸切露天風呂でゆっくりしたりと、ちょっと非日常な時間も楽しめました。
11月
クリスマスマーケット取材
11月後半には、昨年と同じくクリスマスマーケットの取材をしました。ライン川沿いの町コブレンツから始まり、ハイデルベルクやフランクフルト、シュトゥットガルトなど11ヵ所を訪問。今年は寒さがそこまで厳しくなかったほか、雨にも1回降られただけで取材もしやすかったです。
黒い森のラヴェンナ渓谷では、アーチを描いた橋の下がクリスマスマーケットの会場。ライトアップされた橋が暗闇に浮かび上がる様子が、なんとも神秘的でした。
黒い森の取材が終わったらフランスのアルザス地方に寄りながら帰ろうと思っていたものの、連日の疲れが溜まって体が動かなくなってしまったので、取材終了と同時に帰宅。ちょうどフランスでストライキが続いていたので、大人しく帰って良かったと思っています。
プライベートも含めると、今年は13ヵ所のクリスマスマーケットを訪れました。
12月
夫の地元でクリスマス
クリスマス(12月24日の晩)は例年通り、夫のおばあちゃんの家に親戚一同が集合。近況報告やプレゼント交換をしながら、楽しいひとときを過ごしました。
夫実家でのクリスマスディナーでは、毎年決まってソーセージとジャガイモサラダ、そのほか数種類のサラダが出されます。ソーセージとジャガイモサラダが出てくるのは東側で多いのだとか。ちなみに夫おばあちゃんも東側出身です。
25日のお昼も、再びおばあちゃん宅でロラーデン(牛肉のロール煮込み)を食べました。その後はクッキーをつまんだりしながら夕方までお喋り。クリスマスやイースターくらいしか会えない親戚も多いので、話題が尽きなくて時間が足りないくらいでした。
今年をふり返って
今年は修士論文提出という大仕事を成し遂げ、長かった学生生活に一区切りついたのが一番大きな出来事でした。卒業できたのは嬉しいけれど、それまでの特権だった「電車バス乗り放題」や「無料のマイクロソフトOffice」、「美術館・博物館の学生料金」なんかが無くなってしまい、大変だったけれど恵まれてたなと実感しています。
そのほかはプライベートや仕事で旅行をする機会が多かったです。取材ではまだ行ったことのない町へ訪問する機会もいただき、ドイツの新たな魅力を発見できました。
SNSで繋がっている皆さんやブログ読者の皆さんからもコメントなど頂いて、とても嬉しかったし励みになりました。
来年は今まで続けてきた翻訳の仕事をしながら、興味を持った分野に色々挑戦してみたいです。今年みたいにあちこち行けるかは分かりませんが、旅行も沢山したいですね。すでに4月に再び一時帰国する予定があるほか、9月あたりにポルトガルにでも行きたいねと夫と話している所です。
1年間お付き合いいただきありがとうございました。
それでは、よいお年をお迎えください。